検索結果にサイトリンク(2列のリンク)を表示させる方法
1.そもそもサイトリンクとは何か
例を挙げるのが一番わかりやすいでしょう。
「稚内市役所」と検索すると、検索結果の1位に稚内市役所のWebサイトが表示されます。そして、その下にWebサイト内の様々なページヘの目次が表示されますがこれがサイトリンクです。
Yahoo!も検索システムそのものはGoogleを使っています。そのためやはりサイトリンクが表示されます。
Googleに比べるとちょっと地味で、ページのタイトルしか表示されませんが内容としてはほぼ変わりません。
2.なぜサイトリンクは表示されるのか
「稚内市役所」というキーワードで検索するユーザーは何を求めているのでしょうか?
それは明らかに「稚内市役所」の公式Webサイトを閲覧したいということですね。
しかし、そのもっと先のニーズが必ずあるはずです。
公式Webサイトの中にあると考えられる何かの情報が欲しい
これが求めているものです。例えば、
- 市役所に電話をしたい
- 転入手続きをしたい
- 稚内市のふるさと納税の特典を知りたい
などといったニーズがあるのです。
よくあるニーズに対応するであろうWebサイト内のページを、検索結果に表示すれば該当のページにユーザーは直接行くことができます。
Webサイトのトップページに行って、自分が欲しい情報を探すより利便性は大きく増すわけです。
Googleはユーザーへの利便性を提供するために、特定のWebサイトに行きたいというニーズを明確に示しているキーワードで検索された場合には、サイトリンクを表示するのです。
3.サイトリンクには2種類ある
3−1.1行表示のワンラインサイトリンクとは
今度は「稚内市」と検索してみましょう。
1位がWikipedia、2位が稚内市役所です。
そのいずれにもページヘのリンクが表示されています。
これもサイトリンクです。最初に例に挙げたサイトリンクの他に、このように1行で表示されるサイトリンクがあります。これをワンラインサイトリンク(One-line-Sitelinks:訳 1行サイトリンク)といいます。
最初に例に挙げたサイトリンクには、ワンラインサイトリンクと区別するための名称は特についていませんが、鈴木謙一氏の命名によるメガサイトリンクなどと呼ばれることもあります。
3−2.ワンラインサイトリンクの表示条件
3−2−1.ユーザーニーズを満たすページが複数想定される場合
同名の会社や組織が複数あるといった場合、複数にサイトリンクがつく場合があります。
どれがユーザーが求めているページなのかを適切か判断することが難しい場合は、このように複数のWebサイトを検索結果に表示させ、サイトリンクは小さめに表示させます。
ユーザーに多くの複数の選択肢を提供するのがよいだろうとGoogleは考えているのです。
「東京電機」と検索した場合ですが、「東京電機大学」と「株式会社東京電機」の2つのWebサイトにサイトリンクがつきます。「東京電機」と検索するユーザーの多くがこの2つのWebサイトのいずれかを見たいのだろうとGoogleは判断しているのでしょう。
3−2−2.特定のWebサイトが非常に重要であるとGoogleに認識されている場合
「稚内市」と検索するユーザーのニーズは稚内市について詳しく知りたいというものでしょう。
ユーザーニーズを満たす可能性が高く非常に重要なページはWikipedia、稚内市役所のWebサイトとGoogleは判断していると考えられます。
このように検索ユーザーにとって非常に重要と考えられるWebサイトが複数ある場合は、複数のWebサイトにワンラインサイトリンクが表示されます。2つとは限らず3つ以上表示されるケースもあります。
「パソコン 通販」と検索するとこのように3つ表示されます。その逆に1つしか表示されないケースもよくあります。
4.通常のサイトリンク(メガサイトリンク)を表示させる方法
これまで述べてきた条件を簡単にまとめると以下のようになります。
- 該当の検索キーワードが特定のWebサイトを明確に指し示すと考えられる場合は、通常のサイトリンク(メガサイトリンク)が表示される。
- 指し示される特定のWebサイトが複数想定される場合はワンラインサイトリンクが表示される。
- 非常に重要なWebサイトではあるものの、1.に該当しない場合はワンラインサイトリンクが表示される。
では上記条件をクリアするためには、具体的にどのようにすればよいのでしょうか。
4−1.通常のサイトリンク(メガサイトリンク)を表示させる方法
4−1−1.会社や団体の公式Webサイトとしての体裁をととのえる
Googleは会社・団体の公式サイトであることを様々な条件から認識しています。
- トップページのtitleに社名や団体名が入っている
- 会社・団体概要に社名が明記されている
- 会社・団体の公式サイトとして必要と考えられる情報を網羅している。
このような条件が揃っているWebサイトであれば公式Webサイトとして通常は認識され、社名・団体名について検索した場合の重要なページとして認識されるでしょう。
4−1−2.Webサイトの名称として認識してもらう
当ブログは「なんでものびるブログ」といいますが、「なんでものびる」と検索すると通常のサイトリンクが表示されます。「なんでものびる」という社名ではありません。
4−1−1.会社や団体の公式Webサイトとしての体裁をととのえるという要件は満たしていません。それでもサイトリンクは表示されます。
ではWebサイトの名称をGoogleはどのようにして認識しているのでしょうか?
重要な要素はtitleタグだと考えられます。
当ブログの例を挙げてみましょう。
- TOPページ:<title>なんでものびるブログ</title>
- 目次ページ:<title> SEO | なんでものびるブログ</title>
- 個別記事:<title> 被リンクによるSEOは終わったという誤解と重要である理由 | なんでものびるブログ</title>
このように全ページのタイトルに「なんでものびるブログ」と名称が入っていれば、明らかにWebサイトの名称が「なんでものびるブログ」であることがわかるでしょう。
4−1−3.他に存在しない名称にする
同一の社名・団体・Webサイトの名称が他にある場合は、通常のサイトリンクは表示されないのが普通です。この場合は、ワンラインサイトリンクが表示されるでしょう。
しかし、知名度に著しい違いがあるといった場合には、有名な方のWebサイトにだけ通常のサイトリンクが表示されるということがあります。
そうでなく、ほぼ同程度、あるいは自社の方が知名度に劣るといった場合は通常のサイトリンクを表示させることは不可能だと考えていいでしょう。
4−1−4.一般的に使わない言葉と同じ名称にしない
例えば「株式会社インターネット」という名称の会社を作ったとしましょう。「インターネット」という言葉は普通に使われる言葉なので、通常のサイトリンクを表示させることは不可能です。
通常のサイトリンクを表示させたいなら、そのような一般に使われる言葉を避ける必要があります。
4−1−5.検索順位の1位を獲得している
これはどっちがニワトリで、どっちが卵かといった問題ではありますが、前述までの要素を全て満たしていることが検索順位の1位を取るための方法でもあります。
前述までの要素を全て満たせば、検索で1位になる可能性が高いといえます。もう一度満たすべき条件をまとめてみましょう。
- 下記のいずれかの条件満たす
・会社や団体の公式Webサイトとしての体裁をととのえる
・Webサイトの名称として認識してもらう - 同一の社名・団体・Webサイトの名称が他に存在しない
- 一般的に使わない言葉である
これを満たせば該当の名称で検索した際に1位を普通は取れるはずです。
1位を取れないかぎり絶対に通常のサイトリンクは表示されません。
一般的に使わない言葉であるという条件がありますが、実はここが最も重要です。インターネットという言葉で1位を取れるか?といったら絶対といっていいほど無理でしょう。
4−1−6.そのキーワードでの検索数がある程度はある
あるそのキーワード自体に程度の検索数がなければサイトリンクは表示されないようです。誰も検索しないキーワードであればサイトリンクをわざわざ表示させる意味がないからでしょう。
そのキーワードで検索するニーズがあるからこそ、トップページ以外にリンクを表示する必要があるわけです。
ある程度の検索数とはどれくらいかは定かにはわかりません。おそらくですが、月間に数十回程度以上は必要なのではないでしょうか。これはあくまで憶測なのですが、それくらいではないかと私は考えてます。
根拠としてはごく小さい規模の企業や一般商店でも、サイトリンクが表示されるのでこの程度の検索数なのではないかと考えています
作ったばかりのWebサイトでは、そのWebサイトの名称で検索してもサイトリンクは表示されないのはこれが理由だと考えられます。ある程度、名称で検索された実績が必要になるのです。
5.ワンラインサイトリンクを表示させる方法
通常のサイトリンクが表示される条件のうち、前述のうち下記のいずれかを欠いている場合はワインラインサイトリンクが表示される可能性があります。
- 他に存在しない名称にする
- 一般的に使わない言葉と同じ名称にしない
- 検索順位の1位を獲得している
しかし、まったく通常のサイトリンクの表示条件と合致しないケースでも、ワンラインサイトリンクが表示されることもあります。
該当のキーワードについての情報を、他を圧倒するほど詳しく書くことでワンラインサイトリンクを表示させることは可能ではあります。
一般名詞と同じ社名をつけた場合でも、充実したWebサイトを作ればワンラインサイトリンクを表示させることは可能ではあります。
ちなみにWikipediaなどは様々なキーワードで、ワンラインサイトリンクを表示させています。これは情報が高く検索エンジンから評価されているからです。
6.どのようなリンクがサイトリンクとして表示されるのか
アクセス数の多いページがサイトリンクとして表示されやすいといわれていますが、一概にそうとも言い切れないようです。ページの中でクリックされるであろう確率の高い順に表示させているようにも思えます。
ちなみに表示させたくないサイトリンクについてはGoogle Search Cosoleをつかって、順番を下げることができます。
7.最後に
このサイトリンクという機能は、Googleが検索エンジンの利便性というものをどう考えているのか?をよく表しています。
とっても私はこれがなぜ表示されるのがについて、個々の検索結果を見て考えるのが好きです。
検索結果に触れた際に、なぜ通常のサイトリンクが表示されたのか?ワンラインサイトリンクが表示されたのか?
これを考えてみることをお勧めします。
とくにワンラインサイトリンクが表示されるページを考えることは、どのようなページをGoogleは重要視しているのか?の感覚を養うのに役立ちます。
この検索キーワードでは2位のサイトに表示されないのに、3位には表示されるのはなぜだろう?といったことを考えてみたりするのは面白いです。答えがわからないことが多いとは思いますが、このようなことを考えてみて自分なりに仮説を立ててみたりするのはよいでしょう。