企画・制作・システム開発・PR・運用までワンストップサービス

Googleペナルティ判定フローチャート2015年度版

作成日:2015.10.05

最終更新日:2015.10.14

カテゴリー:SEO

  • twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SEOに関するもっとも切実な質問は、

「順位が下がってしまったのだが、これはペナルティなのだろうか?ペナルティだとしたらどうすればいいのだろうか?」

これでしょう。

昔からこの種の質問はなくなっておらず、いまだにWebサイト管理者の悩みのタネであり続けています。

ペナルティを受けた場合に回復するためのチェック項目は非常に多く、プロのSEOコンサルタントであっても原因がなかなか特定できないケースも少なくありません。

しかし、明らかにペナルティではないといったケースを特定することはほぼ可能です。

そこで私の今までの経験をもとにしてペナルティか否かの判別について調査するためのフローチャートを作ってみました。
(ペナルティを受けた場合の対処については、また後日まとめたいと考えています。)

1.ペナルティではないか?と疑う前に

この種の質問が減らない一つの背景としては、誤った・あるいは未消化のSEO情報の氾濫が挙げられると私は考えています。

やれパンダアップデートだの、ペンギンアップデートだの、モバイルフレンドリーだのといった様々な情報が飛び交い、
「モバイル対応していないからペナルティを受けてしまった」
「パンダアップデートにやられてしまった」
といったような憶測が中途半端なSEO専門家や、一般のWebマスターからなされるようになりました。

これにより、普通にWebサイトやブログを運営している多くの人がたまたま順位の下落に気がついた時に、
「これはペナルティだ」
と慌てるといった事態が起きています。

はっきり言っておきます。

ほとんどの人にとってSEOペナルティなんて関係ない出来事です

何事もなくても日々検索順位が変動するのは当たり前で、20位ぐらいの順位の変動はよくあることです。
また、一時的に大きく下がって、また1ヶ月ぐらいして何事もなかったように上がってくることもあります。

そのように、上がったり下がったりを繰り返すのが検索順位というものなのです。

しかし、ユーザーの役に立つページはいつか上がってきますし、役に立たないページはいつか下がります。
ですから一般のWebマスターの方は、検索順位に一喜一憂するよりも、ユーザーにとって役に立つ情報を提供することに注力すべきというのが原則です。

普通にWebサイトを運営していればペナルティを受けることなどほぼ100%ありえないこと。心配するだけ時間の無駄です。

2.ペナルティ判定フローチャート

しかし、SEOを意識するあまりに過剰な対策を行ってしまったとか、SEO業者に依頼していて順位が下がってしまったといった、ペナルティが疑われるケースはあるかと思います。

そうした場合には、このフローチャートを利用してみてください。

3章4章で、確認と結果についてご説明していきます。

3.状況を確認する

フローチャートの番号順に、説明していきます。

①、②Google Search Consoleにペナルティの警告メッセージが来ている

まず、あなたのサイトではGoogle Search Consoleを利用できますか?
もし無料ブログを使っているなど、Google Search Consoleを導入できない状況の場合は、この判定はできません。
③に進んでください。

Google Search Consoleを使えるのであれば、Google Search Consoleにペナルティ警告がメッセージとして届いている可能性があります。

「貴サイトへの人為的または不自然なリンクのパターンが検出されました。PageRank の操作を目的としたリンクの売買やリンク プログラムへの参加は、Google のウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)に違反する行為です。」

「一部のページで、Google のウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)に違反する手法が使用されていると見られる箇所が確認されました。」

このような警告が来ていれば、間違いなくペナルティです。

③site:コマンドでURLを検索し表示される

site: というコマンドをGoogle検索で使うことができます。サイト内のページを検索結果に表示しなさいというGoogleへの指示です。

site:の後にトップページのURLを入力し検索すると、Googleが認識しているサイト内のページを検索結果に表示します(認識しているページを全て表示するとは限りません)。

例えば、当サイトを調査する場合は、以下のように検索欄に入力します。
site:nandemo-nobiru.com
そうすると、検索結果に「なんでものびるブログ」のページだけが表示されます。

これが全く表示されない状況だと、何らかの理由によってGoogleがページ内容を記憶していないということがわかります。また、ほとんど表示されないといった場合には、何か重大な障害が起こっているかもしれません。

ここで、もしトップページだけしか検索結果に出てこないようであれば、誤ってcanonicalタグを設定してしまったという可能性が高いです(実際に誤って設定しても通常は大丈夫なので可能性はごく低いのですが)。

④クローラーは正常に巡回できている

クローリングとは、検索エンジンがWebサイトの各ページを巡回・閲覧して、ページ内容を記憶する機能のことです。
Googleが記憶したページ内容が検索結果に表示されるので、クローリングができなければ検索結果には表示されません。
クロールエラーとは何らかの理由によって、Googleがページ内容を閲覧することができずその結果として、ページ内容を記録することができない状態を指します。短期間であればそれほど大きな問題にはならないのですが、数日以上このような状況が続くと、Googleは記録したページ内容を破棄してしまうことが起こりえます。そうすると検索結果に全く表示されなくなります。

Google Search Consoleにクローリングのエラーを見る画面があります。
クロールエラーの使い方というこの画面の見方が詳しく載っているのでご参照ください。

Google Search Consoleが使えない場合なのですが、レンタルサーバを借りている場合であれば、アクセスログ(どこからどんなユーザーがアクセスしているかの履歴)をダウンロードすることができます。アクセスログを見てGooglebotというものがアクセスしていなければ、クローリングに障害が起きていると考えられます。

例)
66.249.70.81 – – [08/Dec/2012:09:57:55 +0900] “GET /asin/B001HN6FYY HTTP/1.1” 200 15427 “-” “Mozilla/5.0 (compatible; Googlebot/2.1; +http://www.google.com/bot.html)”

無料ブログなどではGoogle Search Consoleも使えませんし、アクセスログを見ることもできません。しかし原則的には問題になるようなクロールエラーは発生しませんので考える必要はないでしょう。万が一クロールエラーが発生した場合は無料ブログの運営業者がなんとか対処するはずです。

⑤想定していないURLばかり表示される

site:コマンドで検索した時に通常表示されないようなURLばかりが上位に表示されてしまうというケースもあります。

例えば「なんでものびるブログ」の場合であれば、
https://nandemo-nobiru.com/1351/
といった、通常利用しているURLが表示されるのが通常です。

しかし、
https://nandemo-nobiru.com/?cat=2&paged=15
といったような想定していないURLばかり表示されるといった場合には、CMS(コンテンツ管理システム)の設定ミスといったことが考えられます。
通常使われないURLにクローラーが巡回できないように設定するといった対応が必要になります。

⑥トップページの上部にある1文を検索し最上位に表示される

トップページの上の方にある特徴的な文章を検索して、再上位に表示されるかどうかを確かめます。

例えばこちらのブログ→https://www.suzukikenichi.com/blog/ であれば、次の文章を検索してみるのがよいでしょう。
「海外発の検索エンジン最新情報を配信するSEOブログ」

検索の際は、文章の前後を”(ダブルクオーテーションマーク)で囲って検索します。

“海外発の検索エンジン最新情報を配信するSEOブログ”

ダブルクオーテーションマークで検索する文字を囲うと、完全に一致する文章のみが検索対象となります。だから原則的に自分のサイトの文章が最上位に来るはずです。
幾つかの記事の文章でこれをやってみて最上位に来なくなっているということだと、かなり重いペナルティを課されている、あるいは⑪⑫にあるような問題が発生していると考えられます。

なお、ブログのような、トップページの内容がしょっちゅう変わってしまうサイトの場合は、幾つかの記事中の文章の上の方から適当にピックアップして、検索を行ってみるとよいでしょう。
前回あるいはその前にも更新した記事の文章を検索してみてください。

(ちなみに、例に挙げたブログは、多くのSEO専門家が最新情報を収集するために読んでいるブログなので、もしSEOに詳しくなりたいなら必読です。当ブログを例に挙げなかったのは、「アクセスが伸びる!売上が伸びる!」といった比較的ありがちな文章なためです。)

⑦トップページ内の特徴的な単語で3語検索し20位程度に入っている

通常はページ内にあるあまり頻繁に出現しない言葉を3つも入れて検索すれば、検索順位がほぼ1ページ目に入るはずです。しかし、それが20位にも入らないとなるとペナルティを受けた可能性が高くなります。

例えば、

「ロシア 検索精度 自転車屋」
「レストランカフェ Simplicity 管理メニュー」

こんな滅多に誰も検索しないであろう3語の検索をいろいろ行ってみるとよいでしょう。
ブログのような、トップページの内容がすべて変わってしまうようなサイトの場合は、他のページで行ってみる必要があります。
トップページの内容がまだGoogleに登録されていない可能性があるからです。

⑧特定のキーワード群での順位が大きく下がっている

SEOで集客する際の重要なキーワードは、

  • 1語の場合
    「メインの特徴的なキーワード」
  • 2語の場合
    「メインの特徴的なキーワード」 + 「一般的なキーワード」
  • 3語の場合
    「メインの特徴的なキーワード」 + 「一般的なキーワード」 + 「一般的なキーワード」

といったように、メインとなるキーワードと他のキーワードとの組み合わせです。
このようなメインとなるキーワードを含むキーワードの順位が大幅に下落するという現象で、これは典型的なペナルティのパターンです。

例えばタラバガニの通販であれば、

「タラバガニ」
「タラバガニ 通販 安い」
「北海道 タラバガニ わけあり」

このようなキーワード群になるでしょうが、「タラバガニ」といったキーワードが含まれる検索キーワードで、のきなみ検索上位から外れてしまっている場合は、

「タラバガニ ギフト包装無料 釧路市」

といったような普通に考えて上位表示するようなキーワードでも「タラバガニ」が含まれていると上位に表示されなくなるといった現象が起こります。
この種のキーワードで色々検索してみて、上位に表示されないようであればペナルティを受けている可能性が高いです。

⑩同一ドメインに同じ主題のコンテンツがありそれが上位表示されている

原則的に、同一ドメインからは1ページしか上位表示されません。

そのため、同じドメインに似たようなページがある場合は、そちらが上位表示すると自分のWebサイトのページは全く検索結果に表示されなくなるといった現象が起こります。
無料ブログといった他のユーザーと同じドメインを使うようなサービスを使っていると、この種の原因による順位下落という事態に陥る可能性が高いのです。

⑪ほぼ同一のコンテンツが別サイトにありそれが上位表示されている

Googleが同一内容のページであると認識すると、その中の一つしか上位表示されません。
そのため有名なポータルサイトなどにコンテンツを供給したりするとこのような現象が起こります。

わかりやすい一例を上げてみましょう。
BLOGOSという有名なブログのまとめサービスがあります。
ここにコンテンツの転載を許可したことが原因で、検索結果に自分自身のブログのページが全く表示されず、BLOGOSのページしか表示されなくなったといった実例もあります。

他のWebサイトに転載を許可するか否かは、慎重に判断しなければなりません。

⑫検索結果経由でのアクセスが激減している

Google Analyticsなどで見てOrganic Search経由のアクセスが数分の1になったといった現象が起こっているかを確認します。
自分が意識しているキーワードの順位が大幅に下がっていたとしても、Organic Search経由のアクセスにほぼ変化がないのであれば、普通はペナルティではないと考えられます。

4.診断結果

A)多分ペナルティではない

ペナルティを受けた場合は、様々なキーワードの検索順位が同時に大幅に下がるのが普通です。
そのため検索結果経由での総アクセス数が目に見えて下がっていないのであれば、単に意識しているキーワードの検索順位が下がっただけのことだと考えられます。
変動要因がなくても順位が変わるのは普通のことです。

B)ペナルティの可能性大

おそらくはペナルティであると推測されます。

C)QDD

「QDD:Query Deserves Diversity」と俗に呼ばれるGoogleの順位計算があります。
出来る限り検索結果に多様性のあるページを表示させようという働きです。

これがあるために同一のドメインから複数ページは検索上位に表示されない。同一、あるいは著しく類似した内容のコンテンツも複数ページは検索上位に表示されない。ということになります。
ペナルティではないのですが、QDDの影響によって順位が大きく下がってしまうケースがあることは、覚えておいていいでしょう。

D)ペナルティではなく重大な障害

  • 何らかの理由によってGoogleが自分のWebサイトにたどり着けなくなった
    これは実は結構あります。自分で設定ミスをおかしたわけでなくても、中国などの外国からの不正アクセスが多いために、サーバー管理業者が外国からのアクセスを全て遮断してしまったというお粗末な話もあります。
  • CMSそのもの、robots.txt、.htaccessなどの設定ミスよって正常にクローリングできなくなってしまった。
  • SEO用のタグの扱いが間違っている
    noindexタグ、canonicalタグ、rel=”prev”/rel=”next”といったページネーション処理の間違いなどが挙げられます。
    SEO用のタグの実装を間違えると、検索結果に全く表示されなくなるといった重大な事態を引き起こします。この種のタグは数百ページ程度以下のサイトであれば無理に使用する必要はありませんので、よくわからないのであれば使用しないほうが無難です。

E)重大なペナルティ

手動による対策のメッセージが届いている場合は完全に重大なペナルティです。
しかし、これはGoogleがペナルティになった理由を明示してくれているのである意味わかりやすいといえます。その箇所を修正し再審査リクエストを行うといった対策を行えば大丈夫です。

5.終わりに

検索順位が下がると慌ててしまうものです。
特にSEOの初心者は、この傾向が強いと思います。

ですが、順位が下がってしまった場合に一番大切なことは「慌てないこと」です。

慌てていろいろサイトをいじくってしまうのがもっともまずい対応だといえます。
このフローチャートだけでペナルティを判定できる完全なものではありませんが、かなりのケースを網羅しています。

まずは冷静になって、このフローチャートを使って診断を行ってみてください。

pagetop