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WordPressのSEOに強いポイント・弱いポイント

作成日:2015.12.02

最終更新日:2015.12.3

カテゴリー:SEO

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WordPressはSEOに強いのでしょうか?という質問をよく頂きますので、ここでお答えすることにします。
まずは端的に結論だけ書きます。

「WordPress単体では非常に強いわけではないがおすすめできる」

これが結論です。ではなぜその結論に至るのかについて具体的に書いておきたいと思います。

1.WordPressがSEOにおいておすすめできる理由

1−1.WordPressに限らず通常使われているCMSであればまず問題はない

WordPressがよいのでしょうかMT(Movable Type)がいいのでしょうか?
という質問は今でも時々聞かれます。
どっちでも構わないというのが私の見解であり、多くのSEOの専門家の共通認識でもあります。

世の中で広く普及しているCMSは基本的な部分においての欠陥がありません。
閲覧する側からの観点において致命的な欠陥がないこと、

実はこれが最も重要なポイントです。

検索エンジンというものは一般の閲覧ユーザーがページを評価するのと同じ評価基準でページを評価しようとします。一般の閲覧ユーザーが見て欠陥があるWebサイトは、検索エンジンから見ても欠陥があるという判断になります。

HTMLを手組みで組んだサイトでは、

「どこからもリンクされていないページが発生する」
「情報があったとしてもページ遷移がわかりにくく、目的とするページに辿りつけない」
「titleがなく、どのような主題のページなのかわからない」
「</body>が2つある」

といったSEOのテクニック云々以前の重大なミスによる欠陥が普通に存在しうるわけです。
一般に広く普及しているCMSを使えばこのようなミスは起こりえないのです。このようなミスが起こりえないということがCMSを使う最大のメリットです。

一般的な数十ページ程度のWebサイトであれば、SEOのテクニックはそれほど重要ではありません。最低限上記のようなミスさえなければあとはコンテンツそのものの良否が成果を分けます。極論すれば、WordPressなどのCMSを導入してあとは中身の情報を充実させればSEOは充分に成立する。といえるのです。

1−2.ページの階層構造がわかりやすい

検索順位の計算において個々のページの情報の価値だけが判断の対象になるわけではありません。
ページ同士の階層構造が重要になってきます。

上記の例のようにページ同士の階層構造を適切に設定することで、一般の閲覧ユーザーにとってわかりやすく、そして検索エンジンにとってもわかりやすいWebサイトになります。
このようなわかりやすさを検索エンジンは大きな順位計算の判断基準としています。

WordPressやMTといったCMSで作成すると上記のような構造を意識することなく簡単に実現することができます。

1−3.インデックスを促す仕組みがある

検索エンジンにページの情報を記憶させることを「インデックスさせる」といいます。
検索結果に自分のWebサイトのページが表示されるのは、検索エンジンが情報を記憶しているからです。いくらページを作成してもその情報を検索エンジンが記憶していなければ検索結果に表示されません。

ブログというものがはじめて世の中に登場した時に、SEOに有利だといわれたのはインデックスさせる仕組みがあったことが非常に大きいのです。
それまでのWebサイトではページを作ったら、「新しいページを作ったのでインデックスしてください」というような手続きをしてインデックスを促すことが普通に行われていました。そうしないと、インデックスされるまでに期間が多くかかったのです。

WordPressやMTといった一般的なCMSはブログと同じくインデックスを促す仕組みを内蔵しています。
ページを作成すれば制作者側はそれ以上特に何もしなくても、検索エンジンは新規にページが作成されたことを察知して、自動的にページ情報を取得してくれます。

ページを普通に作成すれば早くて数秒後、遅くても数時間後には検索結果に表示されるようになります。

1−4.専門知識が不要で更新が簡単

これは直接SEOとは関係ないのですが非常に重要な要因です。
検索エンジンは充実した有益な情報をタイムリーに提供するWebサイトを評価しようとします。

ページの更新そのものに手間がかかるとタイムリーな更新が難しくなります。
HTMLで組んでいた時には、ライターが原稿を作成しその後HTMLを組むプログラマーに作業を引き継ぐ必要がありました。記事そのものは誰でも書けるものの、HTMLを組むのは専門技能であったためにタイムリーに更新できるWebサイトは非常に少なかったわけです。

ところがブログの普及、そしてMTといったCMSが一般に普及したことによって、HTMLといった専門知識がなくても誰でもページを作れるようになりました。
ブログやCMSが検索結果の上位を占めるようになったのは、これらがSEOに強かったという要因はもちろんあるのですが、タイムリーに情報発信できるという優位性によるものが大きかったのです。

そして、WordPressがCMSにおいて一強となった原因もこれによるものといえます。
MTも記事の更新そのものは簡単でしたが、記事を投稿したり修正するたびに再構築に時間がかかり、待たされるストレスが大きかったわけです。更新作業が億劫になる原因になるのです。

記事をポンと放り込んで、更新とするだけで即時反映というWordPressは、結果的にSEOに有利になりやすいということなのです。

1−5.SEOに必要な機能を簡単に追加することができる

後述のAll in One SEO PackといったプラグインによってSEOのための設定を細かく変更することができます。
また、パンくずリストといったSEOの観点から重要な要素を簡単に実装することも可能です。

1−6.蛇足なので読み飛ばしても可

SEOに携わっているのであればマット・カッツ(Matt Cutts)氏を知らない人はいないでしょう。長年にわたってGoogle社の検索品質の改善責任者であり、Google社のスポークスマンであった人物です。

マット・カッツ氏はこういっています。

WordPress is a great choice
WordPress automatically solves a ton of SEO issues.
WordPress takes care of 80-90% of
(the mechanics of)
Search Engine Optimization (SEO)

WordPressは素晴らしい選択だ。
WordPressはおびただしい量のSEOに関する問題を自動的に解決してくれる。
WordPressはSEOについて80%〜90%は(決まりきった方法については)やってくれる。

マット・カッツ氏が推薦しているからすなわちGoolge推奨というわけではありません。しかし、Googleを誰よりも理解している氏がいうことは重みがあるといえましょう。

私も前述の理由によってWordPressはSEOの問題のほぼ8割を解決してしまうソリューションであるといって差し支えないと思ってます。

2.WordPressのSEOに弱いポイント

WordPressはインストールしただけでは最小限の機能しかありません。テンプレートをカスタマイズしたり、プラグインを追加してデザインや機能を満足させるように作るものです。

SEOについてもインストールしただけの初期状態では考慮がなされていません。初期状態では致命的な欠陥はないものの(そこが一番重要なメリットですが)、基本的な設定について考慮されていない部分が多々あります。
性質上SEOが不要なWebサイトも多数あるため、機能にあえて組み込む必要がないのだと私は考えています。

SEOの考慮がなされていないポイントを補うために一番簡単なのはAll in One SEO Packというプラグインを使う方法です。

2−1.All in One SEO Packによって補完できるポイント

2−1−1.titleタグにキャッチフレーズが必ず入ってしまう

「titleタグをいかに設定するか?」はSEOのテクニックで最も重要なポイントです。しかしWordPressの初期状態ではtitleタグの後ろに必ず | とキャッチフレーズが付加されてしまいます。

この記事であれば、

「WordPressのSEOに強いポイント・弱いポイント | なんでものびるブログ

この赤文字の部分が必ず付加されてしまいます。
キャッチフレーズを空にしても、「|」だけは残ってしまうのです。
All in One SEO Packを追加すれば記事一つ一つにtitleタグを自由に設定できるようになります。

2−1−2.初期設定のままではmeta descriptionの設定ができない

meta descriptionの設定はどのようにしようとも検索順位にはまったく関係ありません。
しかし、検索結果に表示されるためクリック率に大きく影響します。
meta descriptionが設定できるテンプレートを選択する、あるいはテンプレートをちょっといじれば表示が可能になります。あるいは、このような手間をかけなくてもAll in One SEO Packを追加すれば簡単に設定できるようになります。

2−1−3.インデックスさせない設定ができない

全てのページをインデックスさせる必要はありません。原則としては、

「検索結果に表示されて誰も喜ぶ人がいないページはインデックスさせるべきではない」

のです。内容の薄いページ、他のページと内容がかぶるページ、あまり意味のない記事の目次ページなどをインデックスから排除することがむしろ望ましいのです。All in One SEO Packの機能で、「Author Archives」「tag」といったページが必要でなければまとめて排除することができます。

また個々のページについても指定することができるのです。
とはいえ、この機能はわからなければ無理に指定する必要はありません。わからないのであれば、重要なページを誤ってインデックスから排除してしまう危険がありますので、そのままの指定にしておいたほうが無難です。

2−1−4.Sitemap.xmlの作成

これはWordPressではプラグインを使えば簡単に実現できるのが素晴らしいところです。
Sitemap.xmlとは検索エンジンに見せるためのページの一覧表ファイルです。これを検索エンジンに提示することで、インデックスを促す効果が期待できます(現在は作っても作らなくてもあまりかわらなくなりましたが)。

2−2.SEOに弱いポイント

弱いポイントというほど弱いポイントは実はありません。
強いていえば都度都度ページをプログラムで生成するため表示が若干遅いことで、表示が遅いと検索順位にネガティブな要因として働きます。

とはいえ、これも通常は目に見えるほどの影響が起こるわけでもありません。またレスポンスのよいサーバーを選ぶとか、CDNといったような技術的な解決方法もあります。

3.まとめ

WordPressがSEOに強いのか?というのは実はあまり意味のない議論なのです。Webサイトというものは、情報の発信者が、情報の受信者に対して情報を発信する場にしか過ぎません。
その場でどのような情報を発信するか?が重要なのです。WordPressで作ったからといっていい情報を発信できるわけではありません。WordPressはいい情報を発信しようとする人に対して、適切な場を与えるツールであると考えればいいと思います。有利、ではなく適切な場を与えるだけであるのです。

 

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