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ホームページ作成費用っていくら?制作の料金相場と落とし穴

作成日:2015.12.04

最終更新日:2016.05.17

カテゴリー:ディレクション

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はじめてホームページを作りたいと考えている人にとって、「どれくらい費用がかかるのか?」ということは一番気になるポイントだと思います。

相場のわからないものを発注するとき、多くの人が複数社で相見積もりをとるでしょう。
しかしWeb制作の場合、何社か相見積もりをしてみたら業者ごとに見積金額が大きく異なり、倍以上の開きが出て逆に悩んでしまうというケースが多々あります。
なぜこんなにも、見積金額が変わってくるのでしょうか。適性な金額とは、いったいいくらなのでしょうか。

この記事では、一般の方にはなかなかわかりにくいWeb制作の費用を、プロの立場から詳しく解説していきます。

「なぜ見積金額に開きが出るのか?」
「適正な価格はどれくらいなのか?」
「安く作ってもらうにはどうすればいいのか?」
「非常に安い制作会社に依頼して落とし穴はないのか?」

これらの疑問について、赤裸々に語っていきましょう。
どうして金額に差がでるのか?ということを理解しておけば、適正な価格で発注するための指標となるはずです。

1.業者ごとに見積金額が大きく異なる理由

見積金額は、業者ごとに何倍もの差がでることが少なくありません。どうしてこれほどの差がついてしまうのでしょうか。
詳しい理由を解説していきましょう。

1-1.仕様が曖昧だと正確な金額が出せない

ホームページの発注では、仕様を明確に定めるほど見積もりの精度が上がります。
しかし初めてホームページを発注する場合、仕様といわれてもなにをどう決めればいいのか、まったく見当がつかないことがほとんどでしょう。

そのために制作会社側は、クライアントの要望を聴きながら「これがしたいんだろうな、こんなシステムがほしいんだろうな」とさまざまな想定をして見積もりを作ります。
しかし、自社で受注できるかどうかわからない段階では、想定を詰める作業にかけられる時間はせいぜい半日ほどです。
クライアントの要望が明確でない場合、「ページ数はどれくらいなのか」「WordPressなどのCMSは導入するのか」「テキストやイラストは必要なのか」などの仕様想定を作って見積もりせざるを得ないのですが、この「想定」は制作会社によってまったく異なってきます。

また、制作会社は想定外の事態に備えるために余裕をとっておく傾向があります。
見積を出した後で安くすることは簡単ですが、高くするのは交渉が難しいことが多いのです。ですから、とくにクライアントが初心者であればなおのこと、不測の事態を想定しておきたいという気持ちが働きます。
この余裕をどこまで取るかによっても、見積金額が変わってきます。

つまり、発注時の仕様が曖昧である場合、以下2つの理由によって金額の差が出てくるわけです。

  • 業者ごとに、見積もり時の仕様想定が異なる
  • 業者ごとに、不測の事態に備える余剰金額が異なる

では、見積もりの精度を上げるためには、どのような仕様を明確にしておけばいいのでしょうか?

金額が大きく変わる理由である、主な仕様を列挙してみました。
以下の事項をきちんと決めておけば、仕様が曖昧であることによる見積もりの違いはかなり防げるはずです。

  • ページ数
  • 原稿や写真などの作成
  • スマホ対応
  • 対応ブラウザの種類とバージョン
  • デザイン案の数
  • 販売や予約などのシステム
  • WordPressなどのCMS(コンテンツ管理システム)導入

それぞれについて詳しく解説していきましょう。

ページ数

一般的には、1ページ作成する毎に数千円~数万円の費用がかかります。
10ページのホームページと100ページのホームページでは、単純計算すると10倍の金額差が生じます(※実際はそこまでは生じないのですが、これはあくまで議論を簡単にするために単純計算しています)。
ここが曖昧だと制作会社は「この内容ならこれくらいのページ数が必要だな」と考えて見積もりをするのですが、この想定したページ数は業者ごとに違いが出てきます。

原稿や写真などの作成

基本的に、ホームページに載せる文章や写真、イラスト、ロゴなどはクライアント側が提供します。
しかし、「文章を書ける人がいない」「掲載できる写真がない」「ロゴがない」といった場合、制作会社側それらの作業を行うことになります。

ライターやカメラマンの手配、ロゴの制作などは負荷の高い作業です。
文章の値段はピンきりですが、1ページ平均して1,000文字だとすると、交通費などの実費の他に1ページあたり大体7,000円以上はかかると思われます。

カメラマンの日当は昔と比べてかなり安くはなりましたが、それでも数万円はかかります。また、手配する制作会社側の手間も小さいものではなく、1日で終わる作業だとしても10万円ほどはかかるでしょう。

そして「今まで会社のロゴがなかったから、この際作ろうか」ということになると、安くて数万円、ちゃんとしたものになると何十万円かの別途費用が発生します。
「ロゴは社内のデザイナーが作るんだろ、もっと安くできないのか」と思われるかもしれませんが、ブランドイメージを左右するロゴ作成は非常に難しい作業です。企業理念やイメージをきっちり理解する必要があり、そのぶんデザイナーの負荷も高くなります。

スマホ対応

これからの時代、スマホ対策はほぼ必須だといっていいでしょう。
インターネットユーザーの多くが、タブレットやスマートフォンなどのモバイル端末から閲覧する時代がやってきています。

とはいえ、どんな場合でも絶対に必要だとはいいきれません。
不要なケースと必要なケース、それぞれについて簡単に説明しましょう。

スマホ対応が不要なケース

ホームページで売上を出したり問い合わせにつなげたりするのではなく、単に「会社案内パンフレット」として機能すればいいのなら、スマホ対応は不要でしょう。
また、売上を取りたい場合でも、BtoBのビジネスなどで閲覧者がそれほど多くなく、じっくり見るような商材を扱っている場合はスマホ対応の必要性が低くなります。
スマートフォンは基本的に、パソコンで見ることができるページはそれなりに閲覧できるように作られています。上記のようなケースであれば、無理をしてスマホに対応する必要はありません。

スマホ対応が必要なケース

ホームページから積極的に売上を取りたいということになると、スマホユーザーにはスマホなりの見せ方をすることが望ましいといえます。
この場合の対応は、以下の2つがあります。

  1. レスポンシブウェブデザイン
    スマホとパソコンで表示する情報を同一にしておき、スマホで見た時はスマホに適したレイアウトに、パソコンで見た時にはパソコンに適したレイアウトにするという方法です。今はこれが主流になりつつあります。パソコン版のみの場合に比べると、6割増し程度のコストが必要になります。
  2. スマホとパソコンで完全に別ページ
    閲覧者のニーズがスマホとパソコンではまったく異なる場合、これがもっともよいアプローチになります。
    極端な例ですが、ホテルのホームページを作るとします。パソコンで閲覧する人はさまざまな情報を知りたいニーズがありますが、スマホの場合だと、空室予約だけが必要な場合がほとんどでしょう。こんな場合は、パソコンはホテルの概要や周辺の観光情報、求人などさまざまな情報へアクセスできるようにし、スマホは空室予約だけでいいかもしれません。
    なお、完全に別ページにする場合は、単純計算だと2倍の金額になります。

対応ブラウザの種類とバージョン

ホームページを作っても、すべてのパソコンで同じように見えるとは限りません。
制作会社を泣かせる大きな問題がこれです。

Windowsのパソコンには標準でインストールされているInternet Explorer(通称IE)というブラウザ(閲覧ソフト)があります。このバージョンが古い場合、「他のブラウザでは正常に見えるのに、IEではレイアウトがガチャガチャにくずれてしまう」などの深刻な現象が多発します。
それを回避するためには、IEの古いバージョンのためだけの作業が発生します。バージョンが古くなればなるほど、その作業は難しくなります。

これはtogetterまとめで見つけた、「IEが古くなるごとに対応が難しくなる」という制作者の自虐ネタです。ホームページの制作者であれば、これは苦笑せざるを得ないギャグです。ドラゴンクエストをやったことがない方にはちょっとわからないネタですが、雰囲気は伝わるのではないでしょうか。
まさしく誇張ではなく、こんな感じですね。今はさすがにIEの7,6はほとんどなくなりましたが、8はまだかなり残っており悩みのタネとなっています。

制作コストを下げるのであれば、IEは9以上対応でよしとしておきましょう。日本国内でのブラウザの2015年10月時点のシェアでは、IE8は1.98%となっています。これ以下を捨てればコストは大きく変わってきます。

よくあるケースなのですが、クライアントが年配の方で、昔のパソコンをそのまま使っているというケースです。
IEの7といったとんでもなく古いブラウザが使われていて、「なんだよこれ、グチャグチャじゃないか!」というクレームが発生することがあります。
最初にどのブラウザで動作を確認するか、合意しておくことが重要です。前述のブラウザのシェアと価格から、どこまで対応するかを判断しておきましょう。

余談ですが、#web制作をドラクエ風に表現するというまとめは、ホームページ制作の現場とはどのような仕事かよくわかるのでおすすめです。

デザイン案の数

本格的な制作に入る前に、制作会社はデザイン案を複数案提示するのが普通です。
一番気に入ったデザインを選んでもらって、それに沿って実際の制作を行うのですね。

このデザイン案を多く作らせれば作らせるほど、当然のことながらコストがかさみます。とくにこのデザイン案はゼロから発想しなければならないので、コストがかさむポイントとなります。

販売や予約などのシステム

ネット販売や不動産検索、空室予約などのシステムを組み込みたいかどうか。これは金額的に非常に重要なポイントです。
これが必要な場合、いきなり費用が跳ね上がります。ごく簡易的なものでも30万円以上ぐらいはプラスになります。
本格的なシステムを導入すると数百万円以上の金額がかかり、数千万円以上かかることもあります。

WordPressなどのCMS(コンテンツ管理システム)導入

現在はWordPressといったコンテンツ管理システムを使ってホームページを作るのが主流です。
HTMLという言語をベタ打ちで書くことは少なくなりました。

CMSを使うメリットは、更新作業が非常に楽であることです。

ホームページは作っておしまいではなく、その後更新していくことが普通です。CMSを導入するとその負担がかなり軽減されるため、おすすめです。
ホームページ作成後にCMSを導入しようとするとほぼ作り直しになるため、最初の制作時に行わなければなりません。

これを省くと5万円〜20万円ぐらい安くなるかもしれませんが、更新作業の負荷が高くなります。
場合によっては、運営まで業者委託しなければならなくなるでしょう。そうすると月額費用を払い続けることになるので、結果的には費用がかさんでしまいます。

1-2.相見積もりなのか1社のみなのか

見積もりの状況によっても、金額は左右されます。

知り合いの制作会社に発注する場合、相見積もりを取らずに1社にだけ見積を依頼することがあるでしょう。
このようなケースでは、お友達価格になって安くなる場合もありますし、相見積もりがないということで高くなることもあります。そこはなんともいえません。業者のひととなり次第でしょう。

一方、相見積もりの場合ですが、10社以上など多数の業者を見積もりしてもあまりいいことはありません。
発注金額が2千万などの金額なら、どんな業者も受注しようと頑張ることでしょう。
しかし100万円ほどの案件なら、「どうせ取れないからざっくり見積もりしておいて」となってしまうでしょう。魅力的な提案などはあまり期待できません。

また、クライアントにとっても多くの業者に見積もりを取ることはかなりの負担になります。毎回同じ要望を繰り返し、話を聞き、問い合わせに対応し、異なる提案を受ける。見積もりをとればとるほどわからなくなっていくケースも珍しくありません。

むやみやたらと見積もりを取る前に、まずは制作会社の過去の実績をよく見てみましょう。
そして要求する基準を満たしている企業を3社ほど選んで、希望する仕様をできるだけ固めて見積もりすることが賢いといえます。

1-3.制作担当者の状況と納期

Web制作の多くは人件費だといわれています。
デザイナーやプログラマーなどの制作担当者が付きっきりとなり、専門的な技術でゼロから作成されるからです。

ですから制作担当者の手が空いている場合、制作会社が「担当を遊ばせておくぐらいなら、赤字でもいいから受注しよう」と判断するケースもあり得ます。
こういった場合、見積もりの段階から非常に安い金額を提示してくることがあります。

また、納期に大きく余裕があると安くなる場合もあります。
なぜかというと、担当者のスケジュールがそれほど詰まっていない時期の空き時間を活用できるからです。

それ以外にも、納期に余裕のある案件は新人教育に活用されることがあります。
まだスキルの低い担当者に制作させる場合、時間がかかったり、やり直しになるリスクがあります。しかし納期に大きく余裕があれば、最悪うまくいかなくてもベテランがその箇所をやり直したり、修正したりすることができるからです。このようにスキルのある人が最終的に自分で業務を引き取ることを、この業界ではよく「巻き取る」なんていいますね。
急ぎの案件だと余裕がないから無理ですが、スキルの足りない担当者の教育を兼ねて、教えながらやることも可能です。

なんにせよ、納期に余裕があると制作会社側としては助かります。
この逆が特急料金で、これは同じ理由によって高くなることがおわかりいただけるでしょう。

1-4.制作会社の規模

企業としてなんらかの業務を受託するならば、その担当者に支払う給料の最低2倍程度の利益がないとその案件は赤字になります。

企業には、事務所の家賃や光熱費、経理や総務といった間接部門の人件費、営業担当者の人件費といった諸々の経費がかかります。また一般的には会社規模が大きくなればなるほど、個人の給与も上がってきます。担当者の平均給与が30万円の中小制作会社であれば、1ヶ月担当者を拘束すると60万円です。給料が倍の大企業になれば、単純にその倍になるでしょう。

これは最低限赤字にならないというだけの金額なので、そこに利益を乗せると更に差は広がっていきます。

ですから当然、一番安いのは個人事業主です。
個人事業主の場合、受注金額イコール給与となり、会社としての利益が不要なため非常に安く受注することができます。極端な話、月収30万円欲しいのであれば1ヶ月30万円もらえればいいということになります。もちろん実際はこのような単純計算にはなりませんが、ひとつの目安にはなるはずです。

ただし、個人事業主は安いことに間違いはないのですが、重大なリスクがあることは覚えておきましょう。もし連絡が取れなくなったり、その人が仕事をやめてしまったりしたら、もうホームページのメンテナンスができなくなってしまう可能性があるということです。

ホームページは作っておしまいではありません。作ったときがスタートです。ですから、そのリスクは必ず考えておく必要があります。

1-5.制作会社の事業形態

Web制作会社は、必ずしも制作人員を社内で確保しているとは限りません。
社内に制作人員を確保している一般的なWeb制作会社の他に、制作を外注しているケースもあります。

こういった企業に制作を依頼する場合、過去の実績として公開されているホームページを作成した制作担当者に自社のホームページを作ってもらえるとは限らない、ということを理解しておきましょう。

以下の2形態は、社内に制作者がいない代表的なケースです。

  • 営業会社
  • 広告代理店

それぞれについて、簡単に説明していきます。

1-5-1.営業会社

営業会社とは、「コピー機」「インターネット接続回線」「携帯電話」などのインフラ関係を取り扱っている会社です。
自社に制作要員がいないので、実際の制作は100%外注になります。外注コストがかかり、かつ営業担当者への歩合給与も発生するため、他の制作会社より割高であることが多いです。

1-5-2.広告代理店

自社に制作要員がいない、もしくは少ないため、制作を外注することが多いです。
ですから制作費用が割高になることが多いのですが、他の広告の取扱高が大きい場合、ホームページ制作で利益を出さなくてもいいという判断もありえるので一概に高いともいいきれません。

広告代理店はWeb以外のリアルな広告手法に強いことが多く、ネットとリアルの広告手法を連携させられることが特徴です。
統合された広告戦略のもとにマーケティングを進められるというメリットがあり、このメリットはとても大きいといえます。ネットにそれほど詳しくなくても、きちんとスケジュールや状況を把握できる担当がついてくれるのであれば楽になりますし、広告の成果が出やすいでしょう。
ただし、古くからの広告代理店の場合、インターネットによる広告手法に疎い担当者が多い可能性があるので注意が必要です。

2.ホームページ制作の具体的な相場

ここまで説明した事項をもとに、ここでいったん具体的な金額を提示しておきましょう。
これから書く金額の目安は、以下の前提によるものです。

  1. 特別なシステムは不要
  2. 10ページ程度
  3. 文字原稿・写真・イラスト・ロゴは全て発注者より支給
  4. スマホ対応なし
  5. 対応ブラウザIE9以上
  6. デザイン案は3案
  7. コンテンツ管理システムはWordpressを導入
  8. 納期は2ヶ月程度

この場合、作成費用の目安はおおむね以下のとおりでしょう。

  • 個人事業主
    20万円〜60万円
  • 小規模・零細制作会社
    30万円〜100万円
  • 大手有名制作会社
    100万円〜300万円
  • 広告代理店
    50万円〜300万円
  • 営業会社
    100万円〜

非常に大雑把なのですが、およそこの程度が相場かと思います。

3.なぜホームページ制作費用は高いのか?

さて、金額の目安を書いてみましたが非常に高いと思われた方も多いと思います。
「数万円ぐらいでできないの?」と思った方もいるでしょう。

しかし、ホームページの作成は非常に手間がかかるものなのです。

工業製品などは、大量生産して生産量を増やせば増やすほど単価が下がります。
しかし、ホームページというものは常に1品モノ、常に特注品です。しかも、手作りです。原価のほとんどは人件費で、人件費は高いものです。

10ページほどのホームページでも、ざっと見積もって以下のような日数が必要となってきます。

  1. クライアントに訪問しての打ち合わせ 1日
  2. トップページデザイン案3パターン作成 3日
  3. コンテンツ管理システム設置 1日
  4. トップページデザインをクライアントの要望を受けて修正 1日
  5. トップページコーディング 2日
  6. トップページ以外のデザイン・コーディング 4日
  7. 問合わせフォーム・ニュースなどのプログラムがからむ部分の制作・テスト 1日
  8. クライアントのチェックを受けての修正 2日

このように、簡単に考えても15日程度の実作業日数が必要になります。
しかも、これはスムーズに進んだ場合です。実際には、納品までにさまざまな調整・修正などが発生するため、これプラス数日かかったりします。
結局のところ、1人の担当者が専任でやった場合ですが、おおよそ1ヶ月の制作期間が必要になります。ですから最低1ヶ月の人件費の2倍以上は必要で、3倍で初めて少し利益が出る、といった塩梅になります。

ですから、先ほど紹介したような金額設定になるのですね。

4.安いホームページの落とし穴

よく広告を見かけるのですが、一式数万円という激安ホームページ制作会社もあります。
しかし上記のような日数がかかるならば、数万円で受注したらどう考えても赤字です。

ですから、こういった企業は「どこかの工程を大きく省略している」「あとから費用を回収する」などを行っている、あるいは両方を行っています。
発注前に、よく確認しておきましょう。

4-1.激安制作会社が省略するポイント

激安の制作会社は、一般的にテンプレートに沿って大量生産品に近いホームページを作るケースがほとんどです。
テンプレートを使うのであれば、制作は以下のような流れになります。

  1. 詳細な打ち合わせは省略
  2. デザインはしない
  3. コーディングもほぼしない
  4. プログラム部分は作らない

つまり、「CMSを設置して、クライアントからいただいた文字原稿や写真をテンプレートにはめ込む」という作業のみを行うということです。

雛形のデザインで満足できるのであれば、悪くはない選択肢ではあります。とはいえ、この方法には落とし穴があることに注意しなければなりません。

  1. ちょっと変わったことをやろうとすると追加費用が発生したり、できないこともある
  2. 汎用的な雛形になっているので、没個性でデザイン性がイマイチなことが多い

これを理解した上で発注するのであれば、とくに問題はないと思います。

ただしこの場合、「専門的な技術を持っている人に自社に最適なものを作ってもらう」という外注のメリットがほぼなくなるため、少し勉強して自作した方がいい気もします。
WordPressでテンプレートにはめ込むだけのホームページなら、ちょっと勉強すれば初心者でも作成可能です。
まずは自分で作ってみて、うまくいかなかったり、より集客できるホームページに作り替えたりしたくなったら業者に外注する、という選択肢もありでしょう。

参考記事:初心者でも簡単に作れるWordPressのホームページ作成方法

4-2.月額や分割で費用を回収する

激安制作会社の場合、見積もり費用は安く抑えて、あとから回収するケースがあります。
たとえば、ホームページの運営費として月額費用をとるなどの手法ですね。

内容を大幅に変更しないかぎり、ホームページはほとんど維持管理費用が不要です。だいたいがサーバーやドメインの料金で、通常は年間に1万円あれば十分です。
しかし月に数千円、あるいは数万円程度の運営費を取ることで、費用を回収することが多々あるのです。

このような制作会社は要注意です。
とくに以下の2点は、発注する前に必ず確認しておきましょう。

ホームページのあるサーバー及びドメインの管理権限は誰にあるか?

管理権限が制作会社にしかない場合、契約を打ち切るとホームページが消されてしまいます。
とくにドメイン名(このブログでいえば、nandemo-nobiru.com)は販促物や名刺などのさまざまなところに入っており、ドメイン名が使えなくなるとかなりの支障が生じます。
だから、制作業者との契約を切りたくても切ることができない、という事態に陥るのです。
自社でホームページが管理できないような契約形態は、絶対に避けなければなりません。

リース契約に要注意

ホームページをリース契約で売っている会社があります。
ホームページそのものはリース契約の対象にならないので、なんらかの機械、たとえば「パソコン」「遠隔監視システム」などの機械にリース契約をつけて費用を回収するのです。
この販売手法は、一時期大きな問題になりました。Webに詳しくないクライアントに漬け込んで、法外な金額で販売する業者が多くいたからです。
上記の価格から大きく乖離した価格で販売して、リース契約で回収したらクレームなどは一切取り合わず、はいさようならというひどい業者がいたのです。
リース契約を持ちかけてくる会社は、基本的に疑ってかかった方がいいかもしれません。

5.終わりに

いかがでしたか?
制作費用がなぜあんなにかかるのか、ある程度おわかりいただけたかと思います。これだけで発注先と適正金額が見極められるとはいいませんが、イメージはできるようになるはずです。

あとは、発注前のやり取りの中で細かい疑問をぶつけてみて、納得のいく答えを出してくれる誠実な業者を見極めてください。
価格だけではなく、対応の良さ・過去の実績といった観点から、総合的に判断するといいでしょう。高い業者は単に高いのではなく、対応や実制作の中でも手を抜かない事によってコストが上がっているかもしれないため、安さだけで判断すると失敗してしまうことが往々にしてあるからです。

とはいえ、予算には限りがあるはずです。
自社のホームページにどこまでの機能やクオリティを求めるのか、事前によく考えて発注先を決めましょう。自社のホームページとは長い付き合いになるはずなので、いい業者といい関係を築いて、納得のできるホームページを作ってくださいね。

制作会社の選び方はこちら:失敗したくない人のためのホームページ制作会社の見つけ方・選び方

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