別ドメイン・サブドメイン・サブディレクトリのメリットとデメリット
新しくWebサイトを作るときに、なんの疑問も持たずに新しいドメインを取得することはままあることです。
新しいサイトだから新しいドメイン、というシンプルな理由です。
しかし、このような無意識の選択が非常にもったいない結果につながっていることが多いのです。
ではなぜ、新しいドメインを取得してサイトを作ると損をすることがあるのでしょうか。
また、既存のドメインを使うならサブドメインを使うべきでしょうか、それともサブディレクトリを使うべきでしょうか?
今回はこういった疑問について、SEOの観点だけではなく、さまざまな角度から説明していきます。
3つの方法がまったく違うということをよく理解し、自分のWebサイトにとってどの方法が一番適切なのか、しっかり考えて決めていきましょう。
1.サブドメイン・サブディレクトリとはなにか
そもそも、サブドメイン・サブディレクトリとはなんなのでしょうか。
言葉だけで説明するとわかりづらいので、例をみていきましょう。
https://nandemo-nobiru.com/
これは、この「なんでものびるブログ」のドメインです。
このドメインをもとに、当社が「ネット通販事業を始めるために新しいWebサイトを作る」ケースを想定して、サブドメインとサブディレクトリの例を示します。
【サブドメイン】
https://ec.nandemo-nobiru.com/
赤文字で示してある部分が、サブドメインです。
もとのドメインである「nandemo-nobiru.com」の前に、「ec」という文字列が挿入されていますね。
このように、もととなるドメインの直前にあるドメインのことをサブドメインとよびます。
厳密にいえば違うのですが、最初はこのように解釈しておいて問題ありません。
【サブディレクトリ】
https://nandemo-nobiru.com/ec/
赤文字で示してある部分が、サブディレクトリです。
もとのドメインである「nandemo-nobiru.com」のあとに、「ec」という文字列が挿入されていますね。
PCのフォルダのようなものだと思えばわかりやすいでしょうか。「nandemo-nobiru.com」というフォルダの中に「ec」というフォルダが用意されている、というイメージですね。
サブドメインで始めた場合とサブディレクトリで始めた場合、そして別ドメインで始めた場合では、さまざまな点において違いが出てきます。
その違いを、ひとつずつ解説していきましょう。
2.別ドメインのメリット・デメリット
まずは、新規に別ドメインを取得して新しいWebサイトを作ったときのメリットとデメリットを説明します。
2−1.別ドメインのメリット
別ドメインのメリットは、端的に述べると以下の5点です。
- ドメインのテーマの一貫性を保てる
- 検索上位に複数ページ表示させることができる
- 別ドメインにはSEOペナルティの影響がない
- ブランドの一貫性や中立性を保てる
- サーバーの設定が簡単
上の3つはSEOにおいて、4つめはブランディング、5つめはサーバーに関するメリットです。
それぞれ詳しくみていきましょう。
2−1−1.SEO観点でのメリット
ドメインのテーマの一貫性を保てる
既存のドメインとまったく別のテーマのサイトを立ち上げる場合、別ドメインの採用をおすすめします。
同一ドメインの中でまったく違ったテーマのページ群を作ると、ドメインの中のテーマ性の一貫性が崩れます。
Googleは「ドメインが何に関するテーマを扱っているか」を評価しています。
たとえば、海産物を売っているWebサイトであれば、海産物に関する話題のページであれば順位が上昇しやすくなります。
しかし、同じ会社でパソコン修理業務を始めることになって、パソコン修理に関するページを作り始めたらどうなるでしょうか。
同じサイト内にパソコン修理業務のページを作ると、順位の上がり方が悪い可能性があります。
また、パソコン修理業務のページが増えてくると、検索エンジンはこのドメインのテーマがわからなくなってきます。
その結果として、「海産物販売のページの検索順位にもネガティブな影響が出てくる」ことが懸念されるのです。
前述の「当社がネット通販事業を始めるから新しいWebサイトを作る」というケースでは、別ドメインにした方がよいのです。
ただしこの意味では、後述のサブドメインでも良いでしょう。
検索上位に複数ページ表示させることができる
原則的に、検索上位には1つのドメインからは1ページもしくは2ページしか表示されません。
また、検索上位に限らず下位まで見たとしても、4ページまでしか表示されないといった現象が起こります。
これは検索結果ページに多様な情報を表示させることで、さまざまな検索ニーズに応えようと検索エンジンが配慮しているためです。
このあたりのシステムは、「企業や非営利団体が無料ブログを使ってはいけない7つの理由」で詳しく書いています。
でも、「どうしても検索エンジンに2ページ以上のせたい」というケースも少なくありません。
たとえば、「類似の商材を同一社内での別事業部で販売していて、ライバル同士として競い合わなくてはならない」という場合です。
この場合、検索結果にどちらかの事業部のページしか表示されないとなると、表示されない側の事業部がいちじるしく不利になってしまいます。
このような場合は、別ドメインを取得するしかないでしょう。
別ドメインにはSEOペナルティの影響がない
SEOペナルティを受ける原因になったページがたとえ一部のページであっても、SEOペナルティを受けるとドメインの全体にペナルティの影響が波及します。
そのためにSEOペナルティを受ける可能性があるようなコンテンツ群を作る場合には、ドメインを別にしたほうがよいでしょう。
たとえば、「ユーザー生成型のページを作る」といったケースが該当するでしょう。
通常のWebサイトであれば、内容は完全に自分のコントロール下にあります。ですから、ペナルティになるようなことをしなければいいのです。
しかし掲示板サービスのようなWebサイトを作る場合は、書き込まれる内容は運営側にコントロールできません。利用するユーザーが、SEOペナルティになるような使い方をする可能性は常につきまといます。
既存のドメインが重要な場合は、ユーザー生成型のページは別ドメインに隔離した方が安全です。
2−1−2.ブランディング観点でのメリット
ブランドの一貫性や中立性を保てる
既存ドメインのイメージと、これから新しく展開するWebサイトの内容に乖離があるというケースはよくあります。
SEO観点からこれは望ましくないとすでに書きましたが、ブランディングの観点からも好ましくないです。
既存のドメインではタラバガニの通販をしていて、新しくSEOのサービスを始めるといった場合ですが、
- サブドメインの場合
http://seo.tarabagani-nn.co.jp/ - サブディレクトリの場合
http://tarabagani-nn.co.jp/seo/
いずれにしても違和感がありますね。
また、SEO観点からは問題ないが、ブランディング上は分けたほうがいいというケースもあります。
たとえば、「自社がWebサイトで特定のメーカーのパソコンを販売していて、このサイトとは別に、パソコンユーザーのコミュニティサイトを運営しよう」と考えた場合などです。
特定のメーカーの販売サイトだということがひと目でわかるドメインでは、企業の宣伝ぽくなってしまって、コミュニティ発展の阻害要因になってしまうでしょう。このような場合は、特定のメーカーに属しない中立的な立場にみえるドメイン名を取得して運営したほうが良いと考えられます。
2−1−3.サーバー設定の観点でのメリット
サーバーの設定が簡単
別ドメインは、サーバーの設定が一番簡単です。
既存のドメインがあるサーバーと同じサーバーに収容するのもよし、別のサーバーにすることも簡単です。
2−2.別ドメインのデメリット
さて、デメリットです。
別ドメインのデメリットは、以下の2点です。
- 既存ドメインよりも順位の上がりが遅い
- ドメインの費用が発生する
前者はSEO、後者はサーバー設定観点でのデメリットです。
詳しく解説していきましょう。
2−1−1.SEO観点でのデメリット
既存ドメインよりも順位の上がりが遅い
別ドメインで新規Webサイトを立ち上げると、既存のドメインと比較して順位の上がりが遅くなります。
また、まったく同じWebサイトを作ったとして、サブディレクトリで作った場合と新規の別ドメインで作った場合では検索順位に違いが出るのが普通です。サブディレクトリで作ったほうが検索順位の上がり方は良好です。
それには、3つの理由があります。
1.検索順位はドメインの運用歴が長いほうが上がりやすい
現在はあまり聞かれなくなりましたが「Googleサンドボックス」というSEO用語があります。
「新規のドメインは一定期間検索順位が上がらない」という現象を指す言葉です。実際にはそんなことはないのですが、新規のドメインは検索エンジンからの信頼を得ていないので上がりにくいため、こんな言葉が生まれたりしたわけです。ということで、既存のドメインを使ったほうが、すでに信頼のあるドメインであるため有利であるということです。
2.情報量の多いドメインの方が上がりやすい
別ドメインにすると、情報が2つのドメインに分散してしまいます。
言い換えれば「1つのドメイン内の情報が減る」ということになるので、検索順位が上がりにくくなります。
3.既存ドメインは被リンクがついているため上がりやすい
他のWebサイトやブログなどからリンクされると、ドメインそのものの検索エンジンからの評価が高まります。
Webサイトというものは、運営しているうちにリンクされることが普通です。有名な会社のドメインなどは多くのリンクが集まっていることが多く、同じドメインでページを作ると順位が上がりやすいことが多いのです。
ところが、新規の別ドメインではまったくゼロからのスタートになるので、このような恩恵が期待できません。
2−1−2.サーバー設定の観点でのデメリット
ドメインの費用が発生する
当然のことながら、別ドメインでWebサイトを作るとドメインの費用が別途発生します。
また、SSL証明書の費用も別途発生し、こちらは若干高額なので問題になる可能性があるかもしれません。
近年ではSSLを導入しているWebサイトに対して、Googleが検索順位における優遇を公言している影響もあり、SSLの導入が進んできています。それゆえにこの問題はそれほど無視できないものとなっています。
3.サブドメインのメリット・デメリット
次に、サブドメインのメリットとデメリットを解説していきます。
3−1.サブドメインのメリット
サブドメインのメリットは、以下の3点です。
- ドメインのテーマの一貫性を保てる
- 違うテーマでもブランディングにつながる
- 少しの知識でも別サーバーに分けられる
詳しく解説していきましょう。
3−1−1.SEO観点でのメリット
ドメインのテーマの一貫性を保てる
別ドメインと同様に、ドメインのテーマの一貫性を保ちたい場合に有用です。
Yahoo!は皆さんご存知のように、サブドメイン単位でサービスが分かれています。
- Yahoo!スポーツ
http://sports.yahoo.co.jp/ - Yahoo!不動産
http://realestate.yahoo.co.jp/ - Yahoo!ビューティー
http://beauty.yahoo.co.jp/
このように、まったく違ったサービスでありながら、サブドメインごとにテーマの一貫性が保たれています。
3−1−2.ブランディング観点でのメリット
違うテーマでもブランディングにつながる
複数のサブドメインで違うテーマを扱っていた場合、それぞれはまったく別の内容であっても、同じ母体が運営しているということがユーザーにもわかります。
さきほどのYahoo!の例だと、どのサブドメインもYahoo!であることが一般ユーザーにわかるため、Yahoo!が運営しているという信頼感を与えることもできています。
もし別ドメインにすると、Yahoo!が運営しているということがわからなくなるため、さまざまなWebサイトにURLが貼られていた場合にクリック率が下がったりするでしょう。
Yahoo!が提供するサービスであることを明示しながら、テーマの一貫性を維持するためにはサブドメインを選択するしかありません。
楽天などもサービスごとにサブドメインで別サイトを運営しており、知名度があり複数のサービスを展開している会社には、選択肢が「サブドメインを使う」のほぼ一択だといえるでしょう。
3−1−3.サーバー設定の観点でのメリット
少しの知識でも別サーバーに分けられる
サブドメイン単位でサイトを立ち上げる場合は、サイトを別サーバーに置くことがよくあります。
このようにサーバをサブドメイン単位でわける設定は、DNSの知識がちょっとあれば簡単に実現できるというメリットがあります。
あと、サーバー設定ということとはちょっとずれるかもしれませんが、Google Analyticsなどのアクセス解析を導入した際に、個別のサイトとして捉えて解析できるというメリットは大きいです。
3−2.サブドメインのデメリット
サブドメインのデメリットは、以下の4つです。
- 既存のドメインの力が期待できない
- 検索上位に複数ページ表示できない
- SEOペナルティの影響が波及する可能性がある
- SSL証明書の費用がかかる
3−2−1.SEO観点でのデメリット
既存のドメインの力が期待できない
別ドメインと同様のデメリットが、サブドメインにはあります。
サブドメインは既存のドメインと同じドメインでありながらも、同一ドメインの恩恵があまり期待できません。別ドメインと考えても差し支えないぐらいです。それゆえに検索順位が上がりにくいのです。
また、サブドメインでページ数が増えたとしても、別のサブドメインを合わせたドメイン全体の検索エンジンからの評価はあまり高くなりません。
そして、別のサブドメインについている被リンクの効果もあまり及びません。
検索上位に複数ページ表示できない
前述のとおり、原則的に検索上位には1つのドメインからは1ページもしくは2ページしか表示されません。また、下位まで見たとしても4ページまでしか表示されないといった現象が起こります。
この原則は、サブドメインにも適用されます。
SEOペナルティの影響が波及する可能性がある
ドメインを完全に分けた場合は、SEOペナルティの影響が波及することはありません。
しかし、サブドメインに分けられている1つのWebサイトがペナルティを受けた場合、別のサブドメインにSEOペナルティの影響が及ぶことがあります。
サブドメイン単位での分割は、SEOペナルティの影響が別のサブドメインに波及しないようにする防火壁的な効果を持ちますが、完璧なものではないのです。SEOペナルティの影響を別サイトに及ぼさないようにするのであれば、別の住所ともいうべき別ドメインにするのが安全です。
ここまで書いてきましたが、既存のドメインの力を期待することもできず、検索上位に複数表示されることもないサブドメインはSEO観点からは損なことばかりだといえます。
3−2−1.サーバー設定の観点でのデメリット
SSL証明書の費用がかかる
サブドメインの場合、ドメインの費用は発生しません。しかし、ドメインよりも高額なSSL証明書の費用はサブドメイン単位で発生します。
ジオトラストなどは全てのサブドメインをカバーするワイルドカードというSSL証明書を提供してはいるのですが、かなり高価です。
4.サブディレクトリのメリット・デメリット
最後に、サブディレクトリのメリットとデメリットの説明をします。
4−1.サブディレクトリのメリット
サブディレクトリのメリットは、以下の3点です。
- ドメインの情報量を増やせる
- ブランディングにつながる
- 同一サーバーなら設定がいらない
4−1−1.SEO観点でのメリット
ドメインの情報量を増やせる
サブディレクトリで新しいWebサイトを作ると、ドメイン内の情報量を増やすことができます。
これがサブディレクトリの最大のメリットです。
前述のとおり、検索エンジンはサイト内の情報の豊富さを重要な評価指標としています。
もし、新しく作るWebサイトが今までのWebサイトとテーマが一緒である、あるいは類似するのであれば、SEOの観点からはサブディレクトリにすることが強く推奨されます。
たとえば、今までタラバガニの通販サイトを運営していて、別サイトとしてカニのレシピに特化したレシピサイトを立ち上げるとします。
このような場合は、サブディレクトリで作ったほうが圧倒的に得です。カニのレシピのページが増えるほど、ドメイン自体の検索エンジンからの評価が上がるため、既存の販売系のページの検索順位の上昇も期待できます。
ところが、別ドメインやサブドメインに分割してしまうと、販売系のページの順位上昇は期待できません。また、レシピサイトはまったくのゼロからの評価のスタートになりますので、当初のSEOは苦戦する可能性が高いです。
これらのメリットがあるため、サブドメインで運営していた多くの大手Webサイトは、場合によっては数千万円にも達するような多大なコストをかけてサブディレクトリに移行してきた経緯があります。
それほどサブディレクトリにはSEOにおけるメリットがあるのです。これからWebサイトを作る場合は、これらを踏まえて、まずはサブディレクトリで作ることを第一選択肢に考えていただきたいと思います。
4−1−2.ブランディング観点でのメリット
ブランディングにつながる
ドメインが既に有名であるならば、サブドメインと同様のブランディング観点からのメリットがあります。
4−1−3.サーバー設定の観点でのメリット
同一サーバーなら設定がいらない
同一サーバーで使用する限りにおいてはまったくなんの設定もいらないため、誰でも簡単にできるというメリットがあります。
4-2.サブディレクトリのデメリット
サブディレクトリのデメリットは、以下の4点です。
- 検索上位に複数ページ表示できない
- SEOペナルティの影響が直接波及する
- サイトのテーマが希薄化する可能性がある
- 別サーバーの利用が難しい
4−2−1.SEO観点でのデメリット
検索上位に複数ページ表示させたい場合にも使えない
サブドメインで説明したとおり、サブディレクトリの場合も検索上位に複数ページを表示させることはできません。
SEOペナルティの影響が直接波及する
当然のことながら、同一のドメインで運用されるため、SEOペナルティの影響は別サイトにも直接波及します。
これは某大手の無料ブログ運営業者の例ですが、サブディレクトリ単位でユーザーにブログを提供しています。
無料ブログなので、個々のユーザーはどんな使い方をするかわかりません。中にはSEOスパムを行うユーザーも数多く存在します。
運営担当者はそのスパムを行うユーザーによってドメイン全体が検索エンジンからスパム扱いされないよう、気を使って運営しているといいます。
このようなケースでは、原則的に検索エンジンは「個々のサブディレクトリが別のユーザーである」とある程度は認識していると考えられます。ですから、一部のユーザーによってドメイン全体がSEOペナルティを受ける可能性は、限りなく低いと推測されます。しかし、その可能性はゼロではありません。
サイトのテーマが希薄化する可能性がある
社員ブログなどをWebサイト内に設置することはよくあるでしょう。
その際に、最初はまじめに書いていてもだんだん書くネタがなくなってきて、そのうち食べた食事の話題や、見たテレビの感想といった日常的な話題のブログになってしまうこともよくあることです。
そうなってしまうと、Webサイト全体のテーマが検索エンジンから見たときにわかりにくくなってしまいます。
もともとはタラバガニの通販サイトで、業務に関するページが20ページあったとします。そのあとブログができて、テレビの感想を書いたページが200ページほど作られたとすれば、検索エンジンは「このドメインはテレビの感想が主なテーマだ」と判断するかもしれません。
あるいは、「あるときはテレビの感想」「あるときは昼食で食べたもの」「またあるときは好きなミュージシャンの話題」・・・と雑多なことを書き散らすと、検索エンジンはWebサイトのテーマを把握できなくなってしまいます。
これはちょっと余談になるのですが、このような内容になっている会社の公式ブログはよく見られます。これはSEOにもビジネスにもほとんど何も寄与しないので、趣味でやっているのでなければやめたほうがいいと思います。
4−2−2.サーバー設定の観点でのデメリット
別サーバーの利用が難しい
同一サーバーで運用するかぎり、ドメインの費用もSSL証明書の費用も発生しません。また、なんら特別な設定を必要としません。
しかし、サブディレクトリ単位で別サーバを設定しようとすると、リバースプロキシーといったサーバーを準備する必要が生じます。技術的に難しく、専門のエンジニアの支援が必要になります。
また、Google Analyticsなどのアクセス解析が煩雑になることは知っておいたほうがいいでしょう、これは結構厄介な問題で、のちのちまでずっと苦しむ可能性があります。
5.終わりに
端的にまとめてみましょう。
もし有名サイトを運営していて、そのブランド名を活かしたいならサブディレクトリかサブドメインを使います。
既存サイトとテーマが近似しているのであれば、サブディレクトリ、そうでなければサブドメインを使います。
有名サイトでない、あるいはブランド名を活かすことができないのであれば新規ドメイン、サブディレクト、サブドメインどれもが選択肢になります。
既存サイトとテーマが近似しているのであればサブディレクトリ、そうでなければサブドメインあるいは新規ドメインのどちらでもよいでしょう。
以上の選択が大原則になります。あとは本文中にある「ブランディング」「サーバー設定」という観点も考慮に入れ、どれを選択するか決定すべきです。
別ドメインを新規取得する場合は、こちらの記事もどうぞ:「どのようなドメイン名を使えばSEO観点から有利か」