有名クラウドソーシング5サイトの特徴と比較
クラウドソーシングとは、Webデザインやライティングなどの業務を、インターネットを介して個別に外注できる仕組みのことです。
つまり、「労働力を必要なときに必要なだけ」購入できるのです。
「発想の転換でこんなことできる!クラウドソーシングの凄ワザ8選」という記事で紹介したとおり、さまざまな使い方が可能です。
クラウドソーシング市場は拡大傾向にあり、近年ではサービスを提供するサイトも増えてきています。激化していく競争のなかで、各サイトさまざまな特色を打ち出しており、サイトごとの得意分野も明確になってきました。
各サイトの得意分野を理解して適切なサービスを選択できれば、業務の効率化が期待できます。
うまく使い分けることができれば、ただ漫然と発注するよりも、品質面でもコスト面でも良い結果を生み出せるはずです。
まずは各クラウドソーシングサービスの特徴を知り、自社の依頼内容に適切なサービスをみつけていきましょう。
目次
1.ランサーズ|国内最大級のクラウドソーシング
2.クラウドワークス|ランサーズと並ぶ大規模サービス
3.Sufuti|主婦ワーカーに特化
4.Shinobiライティング|ライティング案件に特化
5.JobHub|人材紹介会社ゆえの手厚いサポート
まとめ|依頼に合わせた柔軟な使い分けが重要
1.ランサーズ|国内最大級のクラウドソーシングサービス
出典:Lancers
ランサーズは、2008年12月にサービス開始した国内初のクラウドソーシングサービスです。
2016年3月現在、依頼総額は約780億円、依頼件数は約95万件、依頼できる業務の種類は約140種類と、クラウドソーシング市場でも最大手のサイトです。
とくに依頼件数の多いものは、「デザイン制作」「ライティング・ネーミング」「システム開発・運用」「Web制作・Webデザイン」の4カテゴリでしょう。
依頼件数からみても登録者数からみても、国内最大級のサイトだといえます。
ランサーズのように登録者数の多いサイトは、選択肢が豊富なので発注側の自由度は高くなります。
これは大規模サイトのメリットですが、慣れていない担当者にとっては難点ともなり得ます。数多い登録者の中から誰を選べばいいのか、基準がわからずにクラウドソーシングの利用を諦めてしまう人も多いのではないでしょうか。
こういったときに役立つ指標のひとつが、ランサーズの「認定ランサー」制度です。
これは、クライアントからの評価や本人確認など、一定基準をクリアした登録者を示すものです。依頼する相手を選ぶための、ひとつの重要な指標といえるでしょう。
2.クラウドワークス|ランサーズと並ぶ大規模サービス
出典:CrowdWorks
クラウドワークスはランサーズに並ぶ大手サイトであり、国内で唯一クラウドソーシングサービスだけで上場を果たした企業です。
会員数が80万人を突破するなど、急成長中のサービスでもあります。
行政や地域、大学との連携など、さまざまな新しい取り組みがメディアにも取り上げられており、注目株のひとつといえるでしょう。
クラウドワークスには、ランサーズの「認定ランサー」と類似した指標として、「Pro Crowd Worker」という制度があります。
筆者もクラウドワークス社の認定Pro Crowd Workerですが、この取得には、認定ランサーと同様に一定の条件をクリアしている必要があります。
発注先を選ぶときに、ひとつの目安となるでしょう。
比較されがちなランサーズとクラウドワークスですが、クラウドワークスにはひとつ特徴があります。
それは、タスク案件の手数料が0円であるということです。
クラウドソーシングサービスは、発注側も受注側も2割程度の手数料を負担することが一般的です。
タスク案件では、簡単な体験談作成から検索結果の確認、テストページの簡単な感想などを依頼することができます。うまく活用すれば、広告運用などにも役立てることができます。一度試してみるのもいいでしょう。
3.Shufti|主婦ワーカーに特化
出典:Shufti
主婦目線でのライティング業務や内職向きの事務作業なら、主婦人材に特化したShuftiがおすすめです。
登録者を主婦に特化させているため、ランサーズやクラウドワークスほど登録ワーカーは多くありません。しかしそれでも、約29万人のユーザーが登録されています。
事務作業や内職的な軽作業が比較的多い傾向にあり、内職的な作業を低コストで外注したいなら活用を視野に入れるといいでしょう。
また、「アンケート・モニター」もおすすめの使用法です。
ビジネスマンとは違う視点の意見が得られるため、新しい発見につながる可能性があります。とくに、自社のターゲットが主婦層である場合には有用でしょう。
リサーチ会社に依頼するよりも単価が安く、バイアスがかかりづらいというメリットもあります。
自社のターゲット層やほしい情報が主婦層とマッチするのであれば、活用していくことで大きなメリットを得られるでしょう。
4.Shinobiライティング|ライティング案件に特化
ライティングに特化したサービスを提供しているサイトもあります。
それが「Shinobiライティング」です。
2015年9月には、登録ライター数が30万人を越え、かつ記事発注リピート数が95%を超えています。
Shinobiライティングの特徴は、アドバイザーに記事やサイトの方向性を相談できることです。
ランサーズやクラウドワークスといった大規模サイトで必須の要件定義ですが、Shinobiライティングの場合、要件定義が明確でないときはアドバイザーに相談できます。「要件を詰められてない」「クラウドソーシングに慣れてない」といった企業担当者には、頼りになるサービスでしょう。
ただし、アドバイザーに相談して記事を依頼すると、1文字1.25円と通常の依頼形式よりもやや価格が上がります。自分で要件定義して直接発注をかければ1文字0.75円と単価が下がるため、記事の依頼に慣れているなら直接発注するといいでしょう。
5.JobHub|人材紹介会社ゆえの手厚いサポート
出典:JobHub
最後は、大手人材紹介会社パソナテック社の運営するクラウドソーシングサービス「JobHub」です。
運営母体のパソナテック同様、IT系業務に強いサービスを展開しています。
また、人材紹介会社の運営だけあって、「人」を重視した手厚いサポート体制を展開しています。
発注の仕方や人材の選定に悩んでいる場合は、発注支援を依頼することも可能です。これはJobHubならではの特徴だといえます。
同じくパソナテックが運営しているIT人材向けメディア「エンカフェ」では、「Job-Hubボイス」というタグから利用者の声を知ることができます。
フリーランス側だけでなく発注側の意見も掲載されているので、依頼する前に目を通しておくとイメージが掴みやすいでしょう。
まとめ|依頼に合わせた柔軟な使い分けが重要
クラウドソーシングサービスの大きな特徴は、予算や納期に合わせて柔軟に使用できることです。
その一方で、明確な指針がない場合はトラブルが発生しやすいというデメリットがあります。
明確に要件定義ができる企業や担当者は、依頼内容に合わせて活用していきましょう。ランサーズやクラウドワークスのように、案件が幅広く大規模なサイトを使用することも、特定のジャンルに特化した専門サービスを使用することもいいでしょう。
逆にあまり依頼内容を固められない場合は、サポートサービスがあるサイトの活用がおすすめです。あるいは、クラウドソーシングのディレクションに慣れているディレクターに依頼してみるのもひとつの選択肢です。
近年、クラウドソーシングで発注できる依頼の幅は広がり続けています。
今回紹介したように、多用な案件を一挙に扱っている大規模サイト以外にも、特定の分野に特化したサービスなどが展開されています。
自社の状況や依頼内容に合わせてうまく使い分けていきましょう。
さっそく使ってみよう!と思った方は、こちらの記事もどうぞ。「クラウドワーカー選定時に気をつけるべき7つのこと」
著者:浅井 裕喜
株式会社ザッピーリンク CEO・Webディレクター
クラウドワークス認定Pro Crowd Worker
リモートワークでのWebディレクションやプロジェクトマネジメント、Webサイトや広告運用のコンサルティング等を行う。自身の体験を元にした“フリーランスのWebディレクターの仕事術”というサイトを運営中。
→フリーランスWebディレクターの仕事術