零細企業がインターネット集客で勝つ方法

零細企業や地方の会社こそが、インターネットを活用して集客すべきです。
私がはじめてインターネットに触れてホームページというものを作ったのはは1996年のことですが、その時の衝撃というか違和感は今でも薄っすらと覚えています。
大きいもの、小さいもの、善なるもの、悪なるものこれらが全てフラットに並んだ世界で、よくいえば平等、悪くいえば混沌だと感じたものです。
現在はある程度の秩序があるように感じられますが、根本的には全く変わっていません。
零細企業とは圧倒的に規模が違う巨大企業であっても、結局インターネット上に巨大な領地を持てるわけでもありません。確かにページ数の大小や、広告予算の大小はありますが、基本的にはホームページはインターネット上に横並びに存在するものです。
巨大企業と同じ土俵で戦うことができるのがインターネットです。
だから、零細企業や地方の会社はインターネットに力を入れるべきなのです。
でも、実際は非常に難しいのが現実です。
この記事では零細企業がインターネットで集客するにあたって、「どこが難しいのか?」と、その困難を踏まえた上で「集客をいかに実現すべきか」をお話しします。
1.零細企業がインターネットで戦うのはなぜ難しいのか
どんな会社でも忙しいのは一緒ですが、零細企業の忙しさというものは大企業に所属する従業員の忙しさと質が全く異なります。
小売業でいえば、商品の品出しをし、接客をし、仕入れの手配や、店舗の清掃・・・。
社長自らがそういった業務に追われていることもあるでしょう。
零細企業では、日々の業務をこなすだけで精一杯なのが普通です。
典型的にはこんな感じでしょう。
私と家内だけでやってるんで、もう店舗だけでいっぱいいっぱいです。
インターネット店舗は新規商品の追加だけはやってますが、ブログにもなかなか手が回りませんし、廃盤商品の消しこみも正直できてないんですよね。
インターネット店舗での売上あんまりないですし、頑張っても売上が上がるイメージもわかないですし、インターネットで売るなんて、私には無理なんじゃないかなあって思ってます。
とにかく時間がないわけです。
「では、実際の店舗の運営にかける時間を減らして、もっとインターネットに力を入れたらどうでしょう?」
とアドバイスする方もいるかと思いますが、これがなかなか難しいです。
私も店舗の運営の経験があるのでわかるのですが、店舗というものは手を抜くと売上が下がるのです。
コンビニといった運営が定型化している業態ですら、手を抜くと売上が激減することが多いのです。ましてや一般の小売店のような属人的な業務が多い業態であればなおのことです。
一般の個人小売店が存続していることそのものが、たゆまない努力のたまものです。ごく平凡なことを非凡にこなしているから生きて存続していられるわけです。だから、実店舗の労力をインターネットに大きく振り分けることは難しいのです。
2.時間がない中でどうすればいいのか
この問題を解決する万能の解決策は残念ながらありません。
しかし、成功に近づけるための必勝パターンはあります。それはどのようなものでしょう。
2−1.特徴を作る
インターネットを使うユーザーにとって他では受けられない特徴をアピールする必要があります。
特徴がなければ作らなければなりません。
価格で競争しても疲弊するだけです。
あくまで独自性がいるのです。
東京や大阪といった大都市圏には地方にはないニッチな業種の店舗がたくさんあります。
それは人口があるために顧客の人口割合が非常に少なくても、ビジネスとして成立するからです。
巨大人口を擁するインターネットはこれに似ています。
「ニッチであることを目指さなければならない」
のです。
ありふれたものを価格勝負で売るのは大手業者に任せてるべきで、そこで戦っても勝ち目はありません。
ここでしか買えない何か、独自の商品、独自の価値、独自のサービスを考えねばなりません。
「そんなこといわれても無理でしょ」
と思われるかもしれません。何を机上の空論を述べているんだ、とお怒りになる方もいるでしょう。
でも、それがなければ価格競争力や品揃えで太刀打ちできない、零細企業はインターネットで勝つことはできないのです。
まずは独自性とは何か?を考えることに全精力を集中してください。
私はインターネット通販を非常によく利用しますが、とっても欲しくてわりと簡単に作れそうなのに、誰も作っていないものがあることにしょっちゅう気が付きます。
既存のものに手を入れたり、違ったターゲットに向けた製品を作ったり、何か他のサービスと組み合わせたりといったことで独自の価値を生み出すことは可能です。
例を一つだけ挙げてみましょう。
ありふれたものとしてiPhoneのケースがあります。どれだけ製品として種類があるのか全くわからないほどたくさんあります。安いものもたくさんあります。そんな中で、あえてジュラルミンの削りだしの3万円ぐらいの高級な製品を世に送り出した会社があります。これが初日で完売という大成功です。
こういうと、
「これが売れたのはたまたまだろう。もし全然売れなかったらどうするんだよ。」
という反論がくるでしょう。
それは確かにそうです。誰も作っていないから・・・、誰も売っていないから・・・、だからといって必ず売れるとは限りません。
でも様々なところで作られていて、様々な人が売っているものを売っても100%勝ち目はないのです。
だから、できるだけ勝つ可能性を高めるために、自分の会社でできる独自性とは何だろう?を考えねばならないのです。それがまったく見つからないのであれば、インターネットで商売して成功することおぼつかないでしょう。
2−2.特徴をページ内でアピールする
いくら独自性のある商品やサービスを作ったとしても、それを欲している人の目に届かなければ意味がありません。
そのためにはSEOというPR手法を使う必要があります。
SEOとはGoogleやYahoo!といった検索エンジンで、検索結果へ表示させることで集客することです。
製品なりサービスの特徴をホームページ内でできる限り詳しく書きましょう。
文章に詳しく書けば書くほど、検索結果での露出が増えます。これが商品やサービスを売る際のSEOの最も基本的な戦術になります。
どうして露出が増えるのかというと、
- 様々なキーワードで検索される可能性が出てくる
- キーワード同士の掛け合わせパターンが増える
- 検索ユーザーが検索したキーワードについて、詳しい情報のあるページであればあるほど検索上位に表示されやすい
この3つの理由により詳しく書くことによって検索結果への露出を増やすことができるのです。
一度きちんと作ったページは永久に集客の資産として残るのでここをがんばるのです。
2−3.時間を確保する
インターネットでの集客を成功させている商店主は隙間時間を活用しています。
接客や品出しの合間などの細切れの時間に、店内においたパソコンでブログの更新やFacebookの運用などをこなしているのです。
あるいは閉店後の時間などを使ってます。
私の知人のとある個人事業主はネットで多くの顧客を獲得していますが、最初は夜中に毎日ブログを更新したそうです。文章を書くのも得意ではなかったので時間がかかり、目の下がクマで真っ黒になったといいます。
現在は要領がつかめて時間がそれほどかからなくなり、さらにインターネットでの集客が軌道にのったため、普通の時間に就寝しているようです。
「そうは言ってもそれは難しいよ。」というのであれば、ホームページは会社案内・店舗案内のパンフレット以上の効果を期待しないほうがよいでしょう。
これはその判断を非難したいわけではありません。
そういった状況であれば、経営判断としてインターネットからの積極的な集客を狙わないほうが賢明だといいたいだけです。
中途半端にやるのであれば無駄になるのでやらない方がよいのです。
2−4.ブログとソーシャルメディアを活用する
なんとか捻出した時間をブログとソーシャルメディアに使いましょう。
自分の会社のビジネスに関することを、プロの立場からブログを使って発信し、それをソーシャルメディアで告知することで確実にファンを増やすことができます。
これらでファンになった人は「今すぐ客」ではないでしょうが潜在客となり、そして場合によっては他の人にまた宣伝してくれたりするわけです。
素晴らしい米を作りインターネットで販売している農家であれば、農作業、栽培技術、米の品種の知識、国内外の農業問題などについて自らの経験に基づいて書くといったような取り組みがこれにあたります。
2−4−1.ブログの運営の注意
アメブロやYahoo!ブログ、FC2といった無料ブログを使うことは絶対に避けましょう。
今もしこれらを使っている方がいらっしゃるのであれば切り替えることを検討してください。
まず、ホームページは自分の会社の独自のドメイン名を使わねばなりません。
ドメイン名とはインターネット上の住所みたいなもので(厳密にいえば全然違いますが、正しいことを知っている方はここはスルーして下さい)、こんな感じのものです。
http://www.◯◯◯◯◯◯◯.co.jp/
ドメインは育てるものです。
ページを更新しながら運営を長くつづけていくと、徐々に中にあるページが検索結果の上位に表示されやすくなってきます。
アメブロやYahoo!ブログといった無料ブログはそのドメイン内でページを更新することになります。つまりこれらを使っていても、アメブロやYahoo!といったドメインを育てることになるだけです。
また、無料ブログは他社が運用しているものなので、何かの機会に停止させられてしまうリスクが常に付きまといます。
実際に、どこが違反にあたるのかわからないにも関わらず、運営規則違反という理由でブログを消されたというケースも数多くあります。なので、自分でドメイン名を取得して運営するべきなのです。
せっかく苦労してブログを運営しているように見受けられるのにアメブロを使っているといったケースはよくあり、とてももったいないと思います。
自分のホームページの中にブログを設置して運用するようにしましょう。
参考記事:企業や非営利団体が無料ブログを使ってはいけない7つの理由
2−4−2.ソーシャルメディアの使い方
ブログ記事は書いただけでは大抵誰も見に来てくれません。
だから、告知しなければならないのですが、そのための告知ルートがソーシャルメディアです。
友人・知人が多くいるのであればまずはFacebookに取り組んでみるのがとっつきやすいでしょう。そうでなければ、twitterがPRのための拡散力があるのでまずはおすすめです。
両メディアは無料で利用できるという強みがあります。
資金が捻出できなくても運用できるので、最大限活用しましょう。
これらを使ってどうやってPRするかはここでは深入りしません。
簡単に書くと、「普通にインターネット上の人と交流し、情報交換したりして楽しむ」ということです。
その道のプロとして、インターネット越しに相談に乗ってあげるのも、ソーシャルメディアの立派な活用法です。
その過程において心のつながりが生まれ、書いた記事を紹介することで読んでもらえるようになったり、他の人に紹介してもらえるようになったりするということです。
毎日30分ほどの隙間時間を使ってソーシャルメディアを使ってみると、3ヶ月ぐらいで感覚がつかめるようになると思います。
終わりに
上記のプロセスができれば零細企業でも、地方の会社であってもインターネット上で集客ができるようになります。
周到に準備して丁寧に運用するのです。
これしか成功させる方法はありません。準備もしたくない、丁寧にやるのは面倒だ、というのであればインターネットでの集客は諦めた方が賢明です。
漫然と「インターネットの集客ならアメブロでブログを書けばいいんだな」というように、見通しもなく始めると失敗します。
最初は非常に手間がかかり大変かもしれません。しかし、最初によく考えて準備することで、事業の成長にしっかりと繋げることができます。