ヒット商品を5日で生み出す方法!上手な会議で最高の結果を 海外記事まとめ
斬新なアイデアのヒット商品を生み出したいけど、会議では時間を無駄にするだけで何も決まらない!
成功を目指すビジネスマンの中には、そう思っている人も多いかもしれません。
今回はそんなあなたのために、Google Ventures(GV)でデザインパートナーを務めているジェイク・ナップ氏が提示する「少ない時間と資金を最大限に有効活用してヒット商品を生み出す方法」をご紹介します。
「時間の無駄を排して短期間で新商品を生み出そう」というコンセプトのこの方法。
企画(Design)をし、短距離走(Sprint)のように素早く実行するので”Design Sprint”と名付けられています。
短い期間で会議と試作とテストを行うことで、無駄な時間と経費を削減できる、といった利点があります。
無駄な会議が多い!と嘆いているビジネスマン必見の、ヒット商品生産の鉄則を早速見ていきましょう!
1.ヒット商品を5日で生み出す方法
Inc.
引用:How to Come Up With Your Next Product Hit in 5 Days
「新しいアイディアを考えて、会議をして、商品を作って、テストして…この過程に1ヶ月も1年もかかっていたら時間がいくらあっても足りない!」
マイクロソフト社の電子百科事典「エンカルタ」(現在はサービス終了)の開発に携わっていたジェイク・ナップ氏は、そう考えていました。
彼がマイクロソフトからグーグルに移籍した後もその考えは変わらず、作業工程をなんとか効率化できないかと考えていました。
あるとき、彼と数名のエンジニアチームがGoogleハングアウトの開発に携わります。
Googleハングアウト発案からテスト版作成までの期間はなんと4日!
非常に効率的だったこの流れを何とかして繰り返すことはできないものか…
そう考えたナップ氏はGoogleハングアウト開発の過程を分析し、ヒット商品を5日で生み出す方法を見つけ出しました!
Design Sprintは、まず社内での現状把握を行うことから始まります。
そしてなんと5日目には、商品の試作品を消費者とテストする工程に至ることができるとのこと。
たとえ生まれたのがゴミのような商品だったとしても、浪費するのは5日だけ。
アイデアを素早く形にして試すことで、時間も資金も節約できるのです。
ナップ氏は様々な新商品や新サービスの立ち上げにも関わっていますが、Design Sprintは作業の効率化において重要な役割を果たしているそうです。
今話題のコーヒー界の”アップル”「Blue Bottle Coffee」ビジネスチャットサービス「Slack」(NASA内でも使用しているチームがあるそう)、スマートサーモスタット「Nest」、DNA検査サービス「23andMe」など、ナップ氏が関わった企画は多岐に渡ります。
そういった画期的なアイデアを生み続けているDesign Sprintの手順は、次の通りです。
2.準備「7人のチーム」
まずは会議の準備です。7人のチームを集めましょう。
7人よりも多いと会議の進行が遅れ、少ないと様々な意見が出なくなる恐れがあります。
最終決定権のある役職の人を含め、経理、マーケティング、カスタマーサポート、エンジニア、デザイン各部署から少なくとも1人ずつ集めましょう。
会議を行う部屋には大きなホワイトボードを用意し、他の電子機器を持ち込み禁止にしましょう。
メールや電話は後から対応できます。
会議のときは会議に集中することで、会議自体を短く切り上げることができます。
3.1日目「ゴールを設定する」
会社が抱えてる問題を初日に解決できるなどと考えてはいけません。
そもそも現状の何が問題なのかを明らかにするところから始めましょう。
集まった7人はそれぞれ担当している役割が違うので、きっと多種多様な問題を抱えているはずです。
会社全体でそれらの問題点を共有することで、目標を設定することができます。
まずは「半年後や1年後に、会社はどういうことをしているのか」といった長期的な目標を共有しましょう。
長期的な目標を設定したら、今週しなければならないことを決めましょう。
「今週解決しなければならない問題は?それを解決することによって、長期的な目標の達成にどう近づけるか?」
といったように、「今週」がどういった役割を担うのかを決めます。
4.2日目「解決策を考える」
会議で解決策をあれこれ提案しあう方法(ブレインストーミング)は避けましょう。
聞こえの良い策ばかり取り上げられて、その方法が実現可能かどうかまで考えることができなくなるからです。
最悪の場合、一番自信をもって発言した人の意見が採用される、なんてことになるかもしれません。
ブレインストーミングはせず、各々がペンと紙を持って静かに解決策を考えましょう。
「自分のアイデアを何度も考え直せるくらい、時間をかけた方が良い」とナップ氏は言います。
自分のアイデアで問題はどう解決されるのか。そしてそれは実現可能なのか。
そういった部分まで、まずは自分で熟考することが大切です。
考えがまとまったら、紙に書き出しましょう。
文字ばかりでは読みにくいので、図解を入れるとよりわかりやすくなります。
しかし大切なのは聞こえや見栄えではなく、アイデアそのものだということを忘れてはいけません。
図解が綺麗だから、というだけでは良いアイデアかどうかは判断できません。
このことは、会議に参加する全員が頭に入れおきましょう。
5.3日目「最良の策を選び、どう実行するかを決める」
アイデアの良し悪しに肩書は関係ありません。
「駄目なアイデアなのに、社長が考えたものだから誰も意見が言えない」なんてならないように工夫しましょう。
考えを紙にまとめることができたら、どれが誰のアイデアかわからないよう、ホワイトボードに貼ります。
そうすれば、「誰が」考えたのではなく「何を」考えたのかだけを判断することができます。
もちろん自分のアイデアのプレゼンもしません。
ホワイトボードに貼ってある紙を黙々と読み、どれがベストな解決策かを見極めましょう。
次に「このアイデアのこの部分が良かった」と思う箇所にシールを貼っていきます。
アイデア全体の総合的な評価は後にして、まずは良いと思った細かな部分にシールを貼りましょう。
「アイデア全体としては最悪だけど、一部分だけは最高だ」ということもありますので、細かなところまで読むことが大事です。
その後、一つ一つのアイデアを皆で検討します。
ホワイトボード部分にメモを書くことでアイデアを補強していきましょう。
全てのアイデアに目を通し終わったら、どのアイデアが総合的に良いか多数決を取りましょう。
多数決で最終決定を行うわけではありません。
この多数決を指標に、最良と合意できる策を取るか、もしくはいくつかの案を組み合わせて最終的な方針とするかを決めるのです。
方針が決まった後は、新製品や新サービスが顧客にどういった体験をもたらすのかを明らかにしていきます。
顧客がどういった考えで製品を欲しがり、どう使い、どう捨てるのか。
アフターサービスまでの流れを明確にします。
6.4日目「試作品を作る」
1日で試作品を作れ!と言われると腰が引けてしまうかもしれません。
しかしナップ氏が言うには、新製品を作るのに必要なものはほとんど会社にあるのだそうです。
例えばロボット製作会社が新商品を作りたいとします。
すると恐らく、過去に製作したプログラムを少し改変してリサイクルすることができるでしょう。
また、プログラムしなおせる人材も社内に揃っているはずです。
アプリを一から作りたい場合は、急いで完成版を作る必要はありません。
アプリの動作に必要なインターフェースをとりあえず作ってみるだけで良いのです。
ロボットやアプリだけでなく、販促品やサービスを作る際も同じです。
社内には既に必要な人や物がそろっているはずです。
それらを最大限活用することで、試作品を素早く作成することができます。
「この過程が一番楽しい」とナップ氏は語ります。
「オーシャンズイレブンのように、各方面のプロが個別に作業に取りかかる。そしてみんなが仕事を終えたとき、一つの大きなプロジェクトが出来上がるんだ」
7.5日目「試作品のテスト」
記事によると、5人の消費者に新製品を評価してもらうのが最も効率が良いとのことです。
5人より多くの人に試してもらっても、同じような意見しか出てこないという研究結果もあるそうです。
5人の消費者を選び、1時間ほど新製品を使用してもらいます。
何が良くて何が悪かったかは、チームから代表を1人出して、消費者一人一人から直接聞き取りましょう。
チームの他のメンバーはビデオ通話でその様子をモニターします。
何を残して何を改めるべきか、皆でメモを取ります。
完全に削らなければいけない箇所も出てくるかもしれません。
しかし、次に何をすれば良いかという新たな目標が見えてくるはずです。
もちろんこの段階で完成品ができるわけではありませんが、どこを改良をすればよいかがはっきりします。
「(月曜から始めたとして、)金曜日の夜には、次に何をしたらいいか明確になるんだ」とナップ氏は語ります。
「この方法の良いところは、5日で新商品が金の卵かゴミか判断がつくということだ。ゴミとわかっても、浪費するのは5日だけ。長い時間をかけて新商品の検討をするよりも、効率よく試作品を作って判断する。そうしないと何も進まないよ」
8.終わりに
数々の独創的なプロジェクトを生み出したナップ氏のこの方法、いかがでしたか。
皆で問題点をを洗い直し、目標を設定し、意見を公平に出し合う。
会社にある人や物を使うことで、素早く試供品を製作してテストする。
まとめると非常に単純な流れです。
Design Sprintを活用した例として紹介したスマートサーモスタットのNestは、Google社に32億ドルで買収され、大きな成功を収めています。
「会議なんて時間の無駄だ!」と思っている方々もいるかと思いますが、それは効率が悪くて結果の出にくい会議を行っているからです。
皆の時間を最大限有意義に使える会議を行えば、Nestのようなヒット商品を生み出すことも可能なのです!
最小の努力で最大の結果を。
あなたも7人のチームを集め、斬新な企画を世に送り出していきましょう!