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恋愛小説を読む人工知能|自然な会話を目指すGoogle開発チームの狙いとは?

作成日:2016.05.10

最終更新日:2016.05.10

カテゴリー:Tips

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ここ数年、人工知能に関する話題が盛り上がりを見せています。
「人工知能によって仕事が奪われる」などのネガティブな話題が目につきますが、その一方で、「Googleの人工知能が大量の恋愛小説を読んでいた」というユニークな事実があることをご存知ですか?

ここ数カ月の間で、Googleの人工知能はなんと2865冊もの官能的な恋愛小説を読破しました
もちろん開発チームが読ませているのですが、人間にはほとんど不可能な量と速度です。

開発チームが人工知能に恋愛小説を読ませているのは、「お堅い」ことで知られるGoogle Appsに、より自然な対話を実現させるためだといいます。

確かにGoogleの人工知能と自然に会話できるようになったら、検索のあり方を含めて大きな変革が訪れるはずです。現状ではごく事務的で簡単な内容しか作成できないメールの自動返信機能も、よりあたたかみのある文章に変わるかもしれません。
ユーザーにとって歓迎すべき、便利なシステムが実現するでしょう。

しかし、なぜ恋愛小説を読むことが自然な対話の実現と結びつくのでしょうか?
Google社エンジニアでこのプロジェクトのリーダーである、アンドリュー・ダイ氏の話を整理してみましょう。

1.開発されたばかりの人工知能は「知能」を持っていない

人工知能とは、その「知能」という名称とは裏腹に、開発されたばかりの段階では基礎的な知識をまったく持っていません。
しかし無知である人工知能は、入力された情報を学習し順応できるシステムでもあります。
つまり、生まれたての赤ちゃんのようなものです。

人工知能に本の文章を入力してやることは、赤ちゃんに読み聞かせをしているのと同じことです。人工知能が「知能」らしきものを作り上げるためには、3,000冊近くもの本が必要になるそうです。

ではなぜ、「知能」を作り上げるための3,000冊に、恋愛小説・・・大衆的な官能ロマン小説が選ばれたのでしょうか?

2.恋愛小説が「感情の理解」を促進する

開発チームが目指しているのは、ユーザーの質問から細かいニュアンスを読みとり、親しみやすい言葉で返答してくれるシステムの完成です。

たとえば「旅行先でなにをすればいいかな?」というように、友達のように気軽な感覚で質問してやり取りできることを目指しているといいます。受付窓口に訊くようなかしこまった感覚ではなく、もっと自然な対話を目指しているのですね。

現在のGoogle Appsも、「エッフェル塔が建てられたのはいつ?」という質問には答えられます。また、続けて「じゃあ誰が“それ”を建てたの?」と発言すれば、“それ”が“エッフェル塔”であるということは理解できます。
ただ、質問に返答する以上の自然な対話はできません。
皮肉や嫌味といった感情的で裏のある表現も、現在のロボットではまだ理解できない状態です。

しかし恋愛小説を読ませることによって、人工知能は次第に「発言に伴う感情」を理解するようになってきたそうです。人がなにかを説明したときに、発言者がその「なにか」に対して好感を持っているか否か、判断できるようになりつつあるというのです。

3.言語学習の教科書として恋愛小説が採用された理由とは

言語学習のためなら、恋愛小説ではなく児童書の方が向いているのではないか?と思う人も少なくないでしょう。
しかし、こと言語学習という点においては、恋愛小説は非常に優れているのだといいます。
それは、恋愛小説のほとんどが似たような内容を違う言葉や文章で表現しているからです。

「ある少女はある少年が好きで、その少年は別の女の子が好き」といった内容の本を数千冊も読んでいると、人工知能は違う物語における類似した文章を判断できるようになっていきます。そして類似した文章の差異から言葉の細かなニュアンスを、徐々に把握できるようになっていくのです。
大衆的な恋愛小説は大衆的であるぶん、児童書よりも語彙の幅が広く、莫大なデータを必要とする人工知能にとっては最適の教科書なのです。

4.恋愛小説を書く人工知能が自動返信メールの精度を上げる

「自然言語を適切に処理し、正しい応答ができるようになる」というのは、人工知能研究における大きな挑戦でもあります。

開発チームは、人工知能にただ小説を読ませるだけではなく、本を読み終わったあとに自分で文章を作成させているといいます。作成した文章と読んできた文章とを比較して、より既存の小説へと近づけるように、何度も何度もインプットとアウトプットを繰り返しているのです。

莫大な数の恋愛小説を読んでいるGoogleの人工知能は、恋愛小説の作成も理論的には可能だといいます。Microsoft社の人工知能「Tay」による差別的発言も記憶に新しいため、詳しい研究内容は明かせないそうですが、Googleの人工知能は「非常にセクシーで想像力豊かな文章」を書いているようです。

感情を理解して文章を作成する能力が高まっていけば、Google Inboxのメール自動返信機能もより人間らしい返答が可能になります。
現在はごく簡単で事務的な返答しか生成できませんが、この研究が完成すれば、より自然な返信が生成されるようになるでしょう。

最後に|人工知能はどこまで人に近づけるのか

2016年3月、「星新一文学賞の一次審査を人工知能の書いた小説が通過した」という事実が話題となりました。
多分に人の手も加わっているようですが、人工知能の文章生成能力はひと昔前と比べて飛躍的に上昇しているといえるでしょう。

人工知能が物語を理解するようになる、ということは、感情の機微や曖昧なニュアンスを汲みとれるようになるということです。発言に伴う感情を理解されるようになれば、人と人工知能はより自然に会話できるようになるでしょう。
ダイ氏は、「恋愛小説を読み恋愛小説を書く人工知能が出てきたのだから、人工知能と恋に落ちる人が出てきてもおかしくはない」と言います。国内のクリエイターやエンジニアでも賛否両論あるテーマですが、こういった話題がSFとしてではなく議論されるほどに、人工知能は人に近づいたのだともいえます。

人のような人工知能は、曖昧な質問にも柔軟に受け答えしてくれるはずです。
Googleが自然な会話のできる人工知能を実現させれば、現在の検索のあり方が根本的に覆ることも想像に難くありません。

SF小説の古典的名作『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』に描かれているような、「人らしさとはなにか?」「人工知能と人はどう違うのか?」という問題が大きく扱われる社会も、そう遠くはないのかもしれません。

【参考URL】
Google’s AI engine is reading 2,865 romance novels to be more conversational
Google Is Feeding Romance Novels To Its Artificial Intelligence Engine To Make Its Products More Conversational

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