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リスティング広告とは何か?いまさら訊けない基礎知識まとめ!

作成日:2016.03.07

最終更新日:2016.09.30

カテゴリー:リスティング広告

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リスティング広告といえば、もっともメジャーなweb広告です。
webマーケティングに関わっている人なら誰でも知っている広告、なのですが、「実はきちんと理解できていない・・・」という人も意外と多いですよね。

この記事では、リスティング広告の基礎知識をゼロからわかりやすく解説していきます。
概要や特徴はもちろん、混同しやすい概念なども併せて説明してあるので、「なんとなく理解しているけれど他広告との違いがわからない」という人でも情報を整理して理解できますよ。

即効性の高い集客手法であるリスティング広告は、うまく活用すると非常に高い費用対効果を生み出します。
あなたのサイトや店舗に人を呼び込むために、まずは「どこに表示されるのか」「いくらかかるのか」といった基本を押さえてから、メリットやデメリットを把握していきましょう。

1.リスティング広告とは?

リスティング広告とは、web広告市場でもっとも高いシェア率を誇るマーケティング手段です。
2000年代前半に登場したこの広告は、それまでの業界における常識を覆しました。
革命的とも呼べたその手法は、浸透するにつれ新しい常識となり、現在では効果的で一般的なマーケティング手段として知られています。

もっとも優れた広告ともいわれたリスティング広告の、概要を解説していきましょう。

1-1.概要

リスティング広告とは、GoogleやYahooなどの検索エンジンをはじめ、各検索エンジンの提携サイトに広告を掲載できるサービスです。
検索結果ページやニュースサイトなどの、広告枠に表示されます。

従来の広告と大きく違うポイントは、モチベーションの高い層を狙ってアプローチできる、という点です。

リスティング広告には、「ユーザーが検索したキーワードや閲覧したページを自動的に分析し、その内容に即した広告を配信する」という大きな特徴があります。
もともとその分野に興味を持っている層に働きかけることができるため、細かいターゲティングができないマス広告よりも、訴求効果が高いといわれています。

広告の出稿媒体としては、Googleが提供する「Googleアドワーズ」と、Yahooが提供する「Yahoo!プロモーション広告」の2つが代表的です。
他にも出稿できる媒体はありますが、最初はこの2種類を中心に学んでいくとわかりやすいでしょう。

1-2.検索結果連動型とコンテンツ連動型

リスティング広告は、掲載箇所によって以下の2種類に分けることができます。

  • 検索連動型
  • コンテンツ連動型

それぞれについて解説していきます。

検索連動型

ユーザーが検索したキーワードに応じて、GoogleやYahooといったサーチエンジンの検索結果ページに掲載される広告のことです。
「パソコン」と検索すれば「パソコン」の広告が、「ファッション」と検索すれば「ファッション」の広告が表示されます。

下の画像は、Googleの検索結果ページにおける、検索連動型広告を示したものです。

検索という能動的な行為をしているユーザーにだけ広告が表示されるため、見込み客への訴求力が高いといわれています。
Googleアドワーズでは「検索ネットワーク」、Yahoo!プロモーション広告では「スポンサードサーチ」というサービス名で提供されています。
狭義では、リスティング広告といえば、この検索連動型を指します。

コンテンツ連動型

検索画面以外の広告プラットフォームに掲載される、閲覧ページのコンテンツと連動した広告のことです。

下の画像は、Yahooのニュースサイトにおける、コンテンツ連動型広告を示したものです。

検索連動型よりもターゲティングの幅が広がるため、成約につなげるための訴求力はやや落ちるといわれています。
その反面、表示される機会が検索連動型よりも多いため、認知度向上には強いという特徴があります。
Googleアドワーズでは「ディスプレイネットワーク(通称GDN)」、Yahoo!プロモーション広告では「ディスプレイアドネットワーク(通称YDN)」というサービス名で提供されています。

違いをより明快に理解するために、検索連動型とコンテンツ連動型の違いを示した表をみていきましょう。

表から分かるとおり、検索連動型とコンテンツ連動型には、掲載場所に限らずいくつかの違いがみられます。
それは、ユーザーがそれぞれの広告を目にする回数や状況が異なるためです。

一般的に、インターネットユーザーが検索に費やす時間は、web閲覧時間のうち5%だといわれています。ですから、検索連動型よりもコンテンツ連動型の方が、ユーザーの目にふれる時間は長くなります。

「コンバージョン(成約)を狙うなら検索連動型」「認知度上昇を狙うならコンテンツ連動型」など、それぞれの特性に合わせて使い分けるといいでしょう。

1-3.SEMやSEOとの違い

リスティング広告と混同しやすいキーワードとして、SEMとSEOがあります。
違いを理解していなければ適切な運用もできないので、それぞれの関係性と差異を解説していきます。

1-3-1.SEMとSEOとリスティングの関係

以下の図は、SEM・SEO・リスティング広告の関係性を表したものです。

「SEM (Search Engine Marketing)」とは、検索エンジンからのアクセス増加・顧客獲得を目的としたマーケティング手法の総称です。
その代表的な手法として、「SEO (Search Engine Optimization)」と「リスティング広告」があります。
ですから、リスティング広告はSEMの1つであり、同じくSEMの1つであるSEOとは異なる手法といえます。

SEMは、SEOとリスティングを含む上位概念であるといえます。

1-3-2.リスティングとSEOの違い

SEOとは、自然検索枠での上位掲載を目指すための方法です。
代表的なwebマーケティング手法ですが、広告ではないため、リスティング広告とは根本的に異なります。

自然検索枠(オーガニック検索枠)とは

検索結果ページにおいて、広告ではない部分を自然検索枠と呼びます。
下の画像で青く囲まれた部分が、自然検索枠です。

広告と自然検索結果は、視覚的に理解できるように掲載場所が分かれています。
また、リスティング広告のURLには、冒頭に「広告」という表示が付与されています。

リスティングとは、赤で囲まれた部分、設定された広告表示部分に広告を掲載する手法のことです。
一方SEOは、青く囲まれた部分、自然検索枠内における上位を狙うことを指します。

これだけではわかりづらいので、リスティング広告とSEOの違いを、4つの項目に分けて下の表にまとめてみました。

それぞれの項目について、ひとつずつ解説していきましょう。

手法

リスティング広告は、GoogleやYahooなどの検索エンジンに出稿することで表示されます。
一方SEOは、広告ではありません。コンテンツの充実や最適化など、広告以外の手法で検索エンジンからの流入を狙います。

掲載場所

SEOは自然検索枠(オーガニック検索枠)、リスティングは広告掲載場所に表示されます。

開始時の即効性

リスティング広告は、出稿するとすぐに表示できるため、その日のうちに反響を得ることも可能です。
一方SEOは、自然検索枠における上位表示を狙うものです。地道に良質なコンテンツを作成していく必要があるため、即効性は低いといえます。

終了後の持続性

リスティング広告は、出稿をやめるとすぐに表示されなくなり、効果も徐々に弱まっていきます。
一方SEOは、良質なコンテンツを充実させることができれば、検索エンジンからの中長期的な流入が見込めます。

このように、リスティング広告とSEOはそれぞれ違った特徴があります。
差異をよく理解して、目的に合った手法を選択すると良いでしょう。

なお、リスティング広告とSEOはお互いの足りない部分を補い合う関係にあります。
それぞれ別個に扱うのではなく戦略をもって総合的に運用することで、飛躍的な効果の上昇が期待できます。
詳細:「コンテンツSEOとリスティングを補完し効果を数倍に高める方法

2.リスティング広告の仕組み

リスティング広告の仕組みを、料金システムと掲載順位という2つの観点から解説していきます。

2-1 料金システム

リスティング広告の料金システムには、「クリック課金」と「入札形式」という2つの特徴があります。

2-1-1 クリック課金

リスティング広告の費用は、1クリック毎に発生します。
表示回数や掲載期間、コンバージョンの有無などによる追加費用はありません。
クリックされれば費用が発生し、されなければ費用は発生しません。
このようなクリック課金制の広告を、PPC(Pay Par Click)広告とよびます。つまり、リスティング広告はPPC広告の一種だといえます。

2-1-2 入札形式

リスティング広告における1クリックの単価(CPC=Cost Per Click)は、競合との入札により決定されます。
CPCはキーワードの人気度によって変動し、競合が多ければ多いほど高く、少なければ少ないほど低くなります。

2-2.掲載順位

掲載順位とは、広告が表示される順番のことです。
下の図は、Google検索結果ページにおける、リスティング広告の掲載順位を示したものです。

このように、掲載順位が1位であれば広告枠の1番上、2位であればその次に表示されます。
掲載順位が上の方が、見やすい位置に広告文が表示されるということです。

リスティング広告の掲載順位は、広告ランクによって決まります。
広告ランクとは、「入札価格」と「広告の品質」をかけ合わせたものです。これが高いほど掲載順位は上がっていきます。

2-2-1 掲載順位とクリック率

リスティング広告のクリック率は、平均で5%前後とされています。
しかしながら、すべてのリスティング広告が5%の確率でクリックされるわけではありません。
さまざまな要素によって、クリック率は上下します。
掲載順位もその要素のひとつです。

掲載順位の高い広告は、目立つ位置に表示され、5%以上の高いクリック率を誇ります。
一方、掲載順位の低い広告は、あまり目立たない場所に表示され、クリック率も5%を下回ります。
できるだけ多くのユーザーに広告をクリックしてもらいたい場合は、掲載順位を上げる必要があります。

2-2-2 キーワード検索回数と入札金額

キーワードの検索回数と入札金額は、ユーザーからの認知やコンバージョンに直結する重要な要素です。

検索回数の多いキーワードを使用すると、広告が表示される回数は増加します。
また、入札金額における他社との競り合いで、リスティング広告の掲載順位は変動します。
広告の表示回数や掲載順位は、ユーザーからの認知に大きく関係しています。ですから、リスティング広告で成果を挙げるためには、キーワード検索回数と入札金額についての知識が必須です。

それでは、キーワード検索回数と入札金額からわかることを、細かく解説していきます。

キーワード検索回数

キーワードの検索回数から、「何人のユーザーに広告を表示することができるのか」を推測することができます。
検索回数が多いほど広告が表示される機会が増え、ユーザーが広告を目にする回数も増加します。仮にクリックされなかったとしても、商品の認知を得ることができます。
もちろん、検索回数が多いほど、クリックされる可能性も高くなります。

入札金額

入札金額から、「そのキーワードはどの程度の競争率があるのか」を推測することができます。
該当キーワードへ広告出稿をしている競合他社はどのくらいあるのか、クリック単価はいくらになるのか、事前に推測するための参考情報になります。

なお、入札金額の相場は、出稿時に提示される「推奨クリック単価」というデータから推測することができます。
推奨クリック単価とは、「クリック単価の上限をどの程度にすれば、競合を抑えて広告表示できるのか」を示すデータです。
推奨クリック単価の高いキーワードは、競合との競争が激しいと推測できます。

検索回数と入札金額の具体例

いくつかのキーワードと想定の数値を例として、具体的に解説していきましょう。

下記の表は、キーワードにおける検索回数と推奨クリック単価を仮定してまとめたものです。

「プロ野球」という言葉は、月間検索回数が300万であり、非常に検索回数の多いキーワードのひとつです。
このことから、プロ野球について知りたいユーザーが多数いる、というニーズを読み取ることができます。
一方、推奨クリック単価は100円と、非常に安価です。
単価が安いことから競合が少ないことがわかりますが、なぜ少ないのか推測できますか?

これは、「プロ野球について知りたいユーザー」というあまりに抽象的なユーザー像だと、広告を出してもコンバージョンが見込めないためでしょう。
「プロ野球」というキーワードだけでは、ユーザーがプロ野球を見たいのか、プロ野球選手になりたいのか、プロ野球の結果が知りたいのか、そのニーズが判断できません。
このキーワードに出稿すれば安価に掲載順位を上げることができますが、ユーザーのニーズに沿わない広告を出しても、成約につながらないクリック数が増えて費用がかさんでしまいます。
リスティング広告を出すためには、もっと細かいターゲティングが必要だといえるでしょう。

次に、「薬剤師」というキーワードをみてみましょう。

「薬剤師」の検索回数は、「プロ野球」と比べて100分の1です。
一方、推奨クリック単価は「プロ野球」の20倍になっています。

検索回数をみればわかる通り、「薬剤師」というキーワードは、「プロ野球」というキーワードほど多くの人が検索しているわけではありません。
一般的な幅広い層ではなく、現役の薬剤師や薬剤師を目指す人などの、限定的されたユーザー層が検索していると推測されます。
また、推奨クリック単価が高いことから、競争率が高いこと、このキーワード単体でもビジネスに活用されていることがわかります。
推奨クリック単価の高騰には、ドラッグストア増加による薬剤師の需要増加や、絶対人数の不足などが背景にあるのではないでしょうか。

より限定的でターゲット層が明確なキーワードになると、推奨クリック単価はさらに高くなります。

「薬剤師 転職」は、まさに転職を考えている薬剤師が検索していると推測されます。そのため、人材紹介サービスなどが入札し、単価が上昇しているのではないでしょうか。
どうやら、「薬剤師」関連のキーワードは、非常に競争が激しいようです。

しかしその中でも、比較的安価なキーワードがあります。
「薬剤師 勉強会」というキーワードは、クリック単価が300円と、薬剤師関連のキーワードの中では低価格になっています。
薬剤師関連の中では競合が少なく、ビジネスに活用しやすいキーワードである可能性があります。

このように、関連するキーワードの中でも競合が少なく安価なキーワードは、「お宝キーワード」とよばれています。
お宝キーワードをうまく活用することができれば、コストパフォーマンスの高い広告を打つことができます。

ただし、推奨クリック単価が安いキーワードが常にビジネス上有益である、と一概にはいいきれません。クリックされても問合せにつながる率が低いなどの理由から、既に使用してみた競合から重要視されていない可能性もあるからです。
お宝キーワードなのかそうでないのか、効果測定を行いながら常にチェックしていく必要があります。

3 リスティング広告にできること

リスティング広告を運用することで、広告主はさまざまなメリットを得ることができます。
ここでは、リスティング広告にできることを、ひとつずつ解説していきます。

3-1 すぐに始めることができる

リスティング広告は、アカウント登録後すぐに始めることができます。

YahooやGoogleなどの主要サービスでは、初期費用が発生しません。
アカウントを登録後、簡単な設定をいくつか行うだけで、誰にでも始めることができます。
少額でのテストやキーワード設定のテストなども、各サービスのダッシュボードから簡単に行うことができます。
詳細:「運用初心者にもできる!リスティング広告の始め方

3-2 予算枠内で運用できる

リスティング広告は、あらかじめ予算上限を決めてから運用できます。
1クリックごとに課金されるリスティング広告ですが、出稿時に設定する全体予算を消化すると、自動的に広告掲載がストップされます。
そのため、上限を超えて費用がかかることはなく、自社の広告費に見合った運用が可能です。

3-3 ターゲットを絞り込むことができる

リスティング広告は、アプローチする対象を絞り込むことができます。

広告主のアカウントからは、キーワードや入札価格以外にも、地域・曜日・時間帯・使用端末などの条件設定が可能です。
うまく設定できれば、顧客となりうる層へとピンポイントに商品をアピールすることができます。

3-4 広告文を作成できる

リスティング広告は、広告文を設定することができます。
絞り込んだターゲットの興味をひく広告文を作ることができれば、掲載順位が低かったとしても、ユーザーからのアクセスを狙っていけます。
使える予算が少なくても、広告文の工夫次第で、効果を上げられるのです。

3-5 効果を確認して改善できる

リスティング広告は、数字で効果を確認することができます。

アカウントページでは、広告の表示回数やクリック単価、クリック率などを確認し、効果測定が行えます。
Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールを併用すれば、より高度な分析が可能となります。運用しながら改善し、より高い効果を狙っていくことができるのです。
データを分析し広告文やキーワードを日々見直していく、絶え間ないPDCAサイクルが、リスティング運用成功の秘訣となります。

メリットの詳細:「知らないと危険!リスティング広告の2大デメリット

4 リスティング広告にできないこと

優れた宣伝手法であるリスティング広告ですが、苦手としていることもあります。

潜在顧客にリーチしにくい

狙った層へのアプローチが得意なリスティングですが、その分、可視化されていない潜在顧客層の発掘はやや苦手としています。
キーワードを使い分けることでターゲット層以外へのアプローチも可能ですが、最適とまではいいがたいでしょう。

デメリットの詳細:「マーケター必見!リスティング広告の3大メリットとは

5.まとめ

リスティング広告は、うまく運用していくと抜群の効果を発揮します。
総合的なマーケティング戦略を推し進めていく上で、重要な役割を果たせるポテンシャルをもった手法なのです。

運用には手間がかかりますが、細やかなターゲティングや改善のしやすさなど、他の広告にはない大きな魅力を持っています。
Web上での集客を考えるのであれば、リスティング広告の活用は避けて通れない道だといえるでしょう。

しっかりと目標設定をして運用していけば、あなたのビジネスの強い味方となってくれるに違いありません。

詳細:最初が肝心!リスティング広告で成功するための目標設定

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