企画・制作・システム開発・PR・運用までワンストップサービス

発注する前に知っておくべき、圧着ハガキの常識まとめ

作成日:2016.02.16

最終更新日:2016.02.17

カテゴリー:Tips

  • twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ダイレクトメール(DM)や個人情報通知などに、圧着ハガキの利用を検討したことはありませんか?

圧着ハガキは、通常のハガキと比較して2~3倍の情報量を持ち、「剥がしてみたい」という心理的要因からくる高い開封率を誇る、特徴的なメディアです。
既に利用している企業も多く、自宅の郵便ポストでもたびたび目にするのではないでしょうか。

しかしながら、インターネットで圧着ハガキについて検索すると、導入が先送りとなっているケースが散見されます。
どのように作成すればいいのか、どうすれば効果的に運用できるのか、などの疑問が解消できないためです。

ここでは、圧着ハガキの特性や作り方、効果的な運用法などを体系的に解説していきます。

圧着ハガキは、コスト削減や作業効率向上などの効果をもたらす可能性を秘めています。
はたして圧着ハガキは貴社にとって有用なのか?
この記事を読んで、よく検討してみてください。

1.圧着ハガキとは

圧着ハガキとは、DMや料金明細などでよく利用されている、折りたたみハガキのことです。
通常のハガキや封書とは異なる性質を持つため、まずはその性質を理解しましょう。

1-1.特性

圧着ハガキを活用するには、その特性を知る必要があります。
適切に運用するために、メリットとデメリットを両面から解説していきます。

1-1-1.メリット

主なメリットは、以下の4点です。

  • 情報量の確保
  • 優れたコストパフォーマンス
  • 高い開封率
  • 機密保持能力

それぞれの項目を具体的に解説していきます。

情報量の確保

圧着ハガキは、一見通常のハガキと同サイズでありながら、接着面を剥がし展開することができます。
そのため、通常のハガキと比較して、2倍以上の情報量を確保することができます。
A4やA3サイズまで展開できる圧着ハガキもあり、封書と同等、あるいはそれ以上の情報量を持つことは大きな魅力といえるでしょう。

優れたコストパフォーマンス

封書と同等の情報量を持ちながらもハガキサイズである圧着ハガキは、コストにおいて封書に勝ります。
ハガキが52円で送れるのは2~6gまでなので、6g以下で作成すれば、封書と比較して約35%のコスト削減が可能です。
また、封入作業がなくなることやサイズダウンできることで、人件費や保管場所のコスト削減も見込めます。
封入間違いによる配達ミスがなくなることも、大きなメリットのひとつです。

高い開封率

自宅の郵便ポストに届いていた圧着ハガキのDM。
なんの宣伝かわからないのに、めくるのが楽しくてついつい開けてしまった、という経験はありませんか?
圧着ハガキは、開けてみたいと思わせる心理的効果から、90%という高い開封率を誇ります。
隠されているものを見たいという好奇心を刺激し、かつめくるために要する時間が1秒ほどであるという敷居の低さが、高い開封率を支えているのです。

機密保持能力

圧着ハガキは、中面がぴったりと貼りつき内側が見えないことから、高い秘匿性を持ちます。
公共料金やクレジットカードの使用明細など、保護されるべき情報が圧着ハガキで届くことも多いですよね。
顧客のプライバシーをしっかりと守りながら連絡がとれる手段として、圧着ハガキは有用であるといえます。

1-1-2.デメリット

さまざまなメリットを持つ圧着ハガキですが、欠点もあります。
デメリットを理解しておかないと、思わぬ失敗をしてしまうかもれしません。
きちんと理解し、頭に入れておきましょう。

主なデメリットは、以下の3点です。

  • 湿気に弱い
  • 長期保管には不向き
  • 通常のハガキより納期が遅い

メリット同様に、それぞれの項目を具体的に解説していきます。

湿気に弱い

圧着ハガキは水に濡れると剥がせなくなります。
完全に乾かせば剥がせるものも多いのですが、内側が少しでも湿気っていると剥離が困難になり、破れてしまうこともあります。
「濡れている場合は完全に乾かしてからめくってください」などの文言を入れることが望ましいでしょう。

長期保管には不向き

湿気に対する耐性の低さや、使用されている糊の特性上、長期保管には不向きです。
使用期限を半年と定めている業者が多く、大量に刷って保管しておき、必要な都度発送していくといった用途には不向きであるといえます。
保管する場合は乾燥剤を使用するなど、湿度管理が必要となります。

通常のハガキより納期が遅い

印刷所に頼んだ場合、通常のハガキの納期が一般的に1~6日であることに対して、圧着ハガキは4日~8日かかることが多いです。
緊急性の高い通知には不向きであるといえます。

1-2.用途

さまざまなメリットとデメリットを持つ圧着ハガキですが、最適な用途とはなんなのでしょうか?
圧着ハガキの特性にかなっていて、実際に多く利用されている2種類の用途について解説します。

1-2-1.ダイレクトメール(DM)

圧着ハガキはDMと非常に相性がいいメディアです。
メリットで述べたとおり、圧着ハガキは高い開封率を持っているためです。

DMはまず読んでもらえなければ話になりません。
「開けさせること」が、DMとして第一にクリアしなければならない関門なのですが、その点、圧着ハガキは封書よりも優れています。

通常の封書は、開封に対する心理的抵抗が圧着ハガキより大きくなります。
中身を破かないように端に寄せたり、ペーパーナイフやハサミを取ってきたりと、些細とも思える手間が受取人のわずらわしさを助長するからです。
開封が容易で道具も必要ない圧着ハガキは、とにかく開けてもらいたいDMの手段として有用であるといえます。

1-2-2.親展通知

顧客の個人情報や契約内容など、保護が必要な情報を送付する場合、圧着ハガキは選択肢として優れています。
しっかりと接着され中が見えないことはもちろん、封入ミスを防止できるからです。
封書の場合、個人情報の記載された書類を違う宛名の封筒に入れ間違えてしまう、というミスが起こりえます。
圧着ハガキは、そのミスを未然に防ぐことができます。

顧客情報の保全は企業として必須条件です。
もし手違いで宛先違いの封書を送ってしまったら、企業としての信頼は著しく低下するでしょう。
現在はインターネットなどを利用して一個人が気軽に声をあげられるため、ミスは社会全体にシェアされると考えた方が賢明です。
信頼度という観点から、圧着ハガキは保護すべき情報の送付に適しているといえます。

1-3.種類

圧着ハガキは、接着方法と形状から、代表的ないくつかの種類に分けることができます。
それぞれ適している用途やロット数が異なりますので、特性をみていきましょう。

1-3-1.接着による種類

圧着ハガキは、接着法によって4種類に分けることができます。
以下の表は、4種類それぞれの特徴を示したものです。

それでは、4種類それぞれの特徴を解説していきましょう。

先糊方式

向いている用途:小~大ロットの親展通知
プレスすると接着される性質を持つ糊が、事前に用紙全体に塗布されているタイプ。
自社内での内製が可能なうえ接着力が強いため、秘匿性の高い親展通知に向いている。
糊がついているため印刷の鮮明度は低く、画像プリントには不向き。
内製に使用するメールシーラーが比較的安価。
専用の圧着用紙には、6カ月の消費期限がある。
開封後、接着面に対する記入捺印が可能。

後糊方式

向いている用途:大ロットの親展通知
用紙に印刷したのち、糊を全体に塗布し接着するタイプ。
大量生産の親展通知に向いている。
先糊方式と比較して印刷の自由度が高いため、全面写真のDMも作成可能だが、写真の鮮明度は下記2種類に劣る。
大掛かりな設備が必要となるため、内製には不向き。
糊を塗布したあとの用紙には、6カ月の消費期限がある。
開封後、接着面に対する記入捺印が可能。

PP熱圧着方式

向いている用途:小~中ロットの高画質DM
普通紙に印刷して特殊なフィルムを挟み、熱と圧力を加えることで接着するタイプ。
光沢がありラミネートのような質感が得られるため、高画質のDMに向いている。
接着力が比較的弱いため、秘匿性の高い情報通知には不適。
自社での内製可能。内製に使用するメールシーラーは比較的高価。
専用フィルムを使用するため大量生産の場合はUVニス方式より割高となるが、2,000通以下の中小ロットの場合は割安。
熱を利用するため、他の方式より圧着に時間がかかる。
ラミネーターを使用すれば、一般家庭での少量生産が可能。
開封後、接着面に対する記入捺印は不可能。

UVニス圧着方式

向いている用途:大ロットの高画質DM
普通紙に印刷してUVニスを塗布し、熱と圧力を加えることで接着するタイプ。
光沢があり高級感があり、高画質のDMに向いている。
PP熱圧着方式よりは接着力が強いが、糊方式よりは弱く秘匿性の高い情報通知には不適。
大掛かりな設備が必要となるため、内製には不向き。
PP熱圧着方式よりも安価なため、大量生産に向いている。
開封後、接着面に対する記入捺印は不可能。

1-3-2.形状による種類

二つ折り(V折り)

一般的な二つ折りの圧着ハガキ。
基本的にA5用紙にプリントする。
郵便法の規定によりハガキが52円で送付できるのは2~6gであるため、140kg~150gの用紙を利用することが多い。
※”kg”は紙の厚さを表す記号です。
一定の寸法の印刷用紙を1,000枚重ねた時の重さを指し、90kgならコピー用紙程度、140kgなら週刊誌の表紙程度の厚みとなります。

外三つ折り(Z折り)

ハガキの両面が開く、三つ折りの圧着ハガキ。
基本的にA4用紙にプリントし、切断して作成する。
郵便法の規定によりハガキが52円で送付できるのは2~6gであるため、90kg~110kgの用紙を利用することが多い。
郵便法の厳格化により、0.1g超過でも52円では送付できなくなったため、一部に丸穴などを開けて軽量化を図る場合がある。

内三つ折り(C折り)

接着面に接着面が重なっておりハガキの片面が開く、三つ折りの圧着ハガキ。
往復ハガキを添付する場合などに使用される。
外三つ折り同様、軽量化が必要な場合がある。

1-4.郵便料金

圧着ハガキ発送の際に必要となってくる郵便料金をまとめました。
近年、郵便法は厳格になってきており、0.1gの重量超過でも受付負荷となるケースが増えてきています。
圧着ハガキは用紙だけでなく接着剤の重量も含みますので、自作する場合はしっかりと試作品を作り計量すること、業者に発注する場合は綿密に打ち合わせすることが必要です。

1-4-1.第二種郵便(はがき)

以下の表は、第二種郵便(はがき)の郵送料と規定をまとめたものです。

ハガキとして発送するには、重さやサイズが規定値内に収まっていることが必要となります。
規定値から外れると第一種郵便(手紙)として扱われることとなり、はがきの料金では送れなくなります。
サイズがハガキであっても、重量が6gを超えれば定形郵便として扱われ、25g以内の場合は82円、50g以内の場合は92円の料金がかかります。

1-4-2.各種割引制度

特定の条件に当てはまる場合は、割引制度が適用されます。
以下は、2016年2月現在の数値です。

広告郵便割引制度

商品やサービスを広告する内容の圧着ハガキは、以下の条件に該当する場合、割引を受けることができます。

条 件

  • 商品やサービスを広告する内容であること(政治や宗教の広告、求人広告等は不可)
  • 同一差出人から同一のものを、同時に2,000通以上差し出すこと
  • 受取人住所の郵便区番号ごとに区別しておくこと
  • 配達に3日~7日の余裕を持つこと
  • 料金別納、料金計器別納、料金後納のいずれかに限る
  • 割引率は差出通数によって変化する

カスタマーバーコード割引制度

郵便物の受取人住所を表すバーコードが印字されている場合、割引を受けることができます。
バーコードは郵便局のHPから作成することができます。

また、カスタマーバーコードを作成するフリーソフトが、インターネット上で複数公開されています。

条 件

  • 受取人の住所を示す正確な内容・仕様のバーコードを印字していること
  • 同一差出人から同一のものを、同時に1,000通以上差し出すこと
  • 料金別納、料金計器別納、料金後納のいずれかに限る
  • 割引率は一律5%

広告割引・バーコード割引を適用した場合のはがき料金

以下の表は、上記割引を適用した際の割引率と郵便料金をまとめたものです。

割引率の最大値は、100万通以上同時に差し出す場合に適用される41%です。

1-4-3.2016年6月割引率改定

上記で紹介した割引率は、2016年6月以降改定となり、割引率が引き下げられます。
バーコード割引は2%の引き下げ、広告割引は基本3%の引き下げとなります。

2.委託か自作か

実際に圧着ハガキを利用してみる場合、委託と自作どちらが適しているのでしょうか。
それぞれに最適なシチュエーションをまとめてみました。

2-1.業者委託

圧着ハガキの業者委託は、印刷のみを業者に委託する場合と、印刷から発送までのすべてを業者に委託する場合とがあります。

2-1-1.コストの目安

二枚折りフィルム加工2,000枚の場合(発送までのプランは郵便料金を含む)

  • 印刷のみ:25,000~35,000円程度
  • 発送まで:130,000~160,000円程度

2-1-2.有用であるケース

  • 高画質DM
  • その他、大ロットの作成

親展通知などに印刷所の高画質印刷は不要ですが、DMの場合は重要です。
また、発送代行までを完全に委託できるサービスは、大ロットであるほど役に立ちます。
部数が多ければ多いほど、作業コストをカットできる発送代行の有用性は高いものとなるでしょう。

発送代行プランは、郵便局への広告郵便割引申請や郵便番号の区分け、バーコード印字などの間違えやすくわずらわしい作業を省いてくれます。
また、オプションでデザイン作成や完成品保管などのサービスを設けているところもあり、必要なものを取捨選択できるところも魅力的です。

業者は圧着ハガキ印刷のノウハウを持っているため、自社内製で起こりがちなサイズミスや重量過剰などのトラブルを防止できます。
また、入稿テンプレートが設定されていることが多いため、即デザインに入れることも有用性のひとつでしょう。

2-1-3.業者委託の注意点

しかしながら現在、圧着ハガキの印刷発送代行業者はかなりの玉石混交となっています。
インターネット上では、見積もりでは提示されていなかった追加料金の発生や、発送代行を依頼したのに発送されていなかったというトラブルなどが報告されています。

業者を選定する場合は、必ず複数社の見積もりを取り、「見積もり外の追加料金が発生しないか」「発送証明書を発行できるか」などの事項を確認するべきです。
その際に連絡が遅かったり、対応が悪かったりする業者とは、契約するべきでないでしょう。

仮に提示された金額が安かったとしても、宛名印字やラベル貼りなどの細々とした作業の費用を、あとから要求してくる場合もあります。
コストを最低限まで抑えたい気持ちはわかりますが、あまりに料金が安すぎる場合は、よく調べた方がよいでしょう。

業者によっては、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)を導入していたり、他社と比較して高価な用紙をデフォルトで選択できたりと、さまざまな特色を持っています。
デフォルトのセットメニューにどこまで含まれているのか、どんなオプションが追加できるのか、最初にきちんと確認することが必要です。
どこまでのサービスを求めるのか、要求を明確にしてから業者選びを行いましょう。

2-2.メールシーラーによる自社内製

先糊方式とPP熱圧着方式の圧着ハガキは、メールシーラーという機械を使うことで、完全に自社内で作成することができます。
自社内製には自社内製の特色があり、業者委託とは違うメリットがあります。

2-2-1.コストの目安

  • メールシーラー購入:1,000,000円以上
  • メールシーラーリース:月額15,000円程度

2-2-2.有用であるケース

  • 秘匿性の高い情報通知作成
  • その他、300通~程度の中小ロットの作成

圧着ハガキを完全に自社内製にすると、情報の外部流出を防ぐことができます。

また、専門業者に委託するよりも、スケジュールの自由度が高いことも特徴です。
素早く作ることができるので、小ロットならさまざまな用途で利用することができるでしょう。

社員の給与明細や他社への請求書を圧着ハガキで作成している企業もあるようです。
特定の時期に必ず必要となる書類処理に、一日二日を要している場合は、自社内製圧着ハガキがコスト削減の役に立つ場合があります。

2-2-3.注意点

メールシーラーは高価な機器ですので、購入するのであれば、まとまった額の初期投資が必要になります。
サイズも卓上から据置までさまざまですので、場合によっては置き場所を確保する必要があります。

また、先糊方式は専用の圧着用紙、熱圧着方式は専用のフィルムを消費します。
ランニングコストをよく検討して、メールシーラーを導入しての自社生産がいいのか、業者委託がいいのか考えましょう。

2-3.ラミネーターによる自社内製

ラミネーターを使えば、市販されている圧着ハガキセットを使うことで、熱圧着方式の圧着ハガキを作ることができます。
ラミネーターさえあれば、家庭で作成することも可能です。

2-3-1.コストの目安

  • 用紙とフィルム100枚セットで2,000円~3,500円程度

2-3-2.有用であるケース

  • 100通程度の小ロットの作成

手間はかかりますが、高額なメールシーラーを必要としないため、小ロットの場合はこちらの方が割安であるといえます。

レイアウトテンプレートは、圧着フィルム販売業者が無料で提供している場合があります。
フリーソフトやテンプレートを利用して手作りすれば、コストはかなり抑えることができます。

2-3-3.注意点

時間と手間がかかるため、枚数が多い場合、人件費を考えると高額になる場合があります。
あくまで小ロットでの作成のみに留めましょう。

3.DMとしての圧着ハガキ

圧着ハガキは、DMと相性のいいメディアだといわれています。

以下の表は、圧着ハガキ・通常ハガキ・封書それぞれでDMを作った場合の、コストなどを比較したものです。

通常のハガキは、圧着ハガキよりも安く作成できますが、情報量において劣ります。
また、開封する必要がないので情報が目に入りやすいのですが、それゆえに一目で興味をひけなければすぐに捨てられてしまうというデメリットもあります。

一方、封書は、情報量という点において優れています。一般的なA4コピー用紙ならば、4枚まで送ることができます。
しかしコストの高さと開封率の低さが難点です。

通常ハガキと封書は、ある一点においては強いメリットを持っているものの、同時に欠点も持っています。
対して圧着ハガキはすべての条件を満たしており、DMとして使いやすいことがわかります。

3-1.読ませる圧着ハガキ

ここではDMとしての圧着ハガキに注目し、読ませるDMを作るために必要な要素をピックアップしていきます。

3-1-1.まずは開かせる

どんなに優れたDMも、開かれなければただの紙です。
開封率が高いという圧着ハガキ特有の強みを、3つのポイントを押さえて底上げしていきましょう。

インパクトを与える

開封率の最初の鍵となるのが、感覚に訴える強いインパクトです。
受取人は、最初にDMを「読」むのではなく、「触」って「見」ます。
ですから、触覚的・視覚的な仕掛けを用意すると、相手の興味をひくことができます。

人目をひく色を使ってもいいですし、のちほど紹介する変わった圧着ハガキを利用してもいいでしょう。珍しい触り心地の紙なども、きっかけづくりには向いています。
まずは、「これはなんだろう?」と相手の興味を刺激することが重要です。

オファー(特典)を明確にする

わかりやすく相手の利益を提案することは、古典的ですが有効な手法です。
宛名面に、「ハガキを持参すれば30% OF」「粗品プレゼント」など、受取人にとって明確な特典が提案されているものは開封率が高くなります。

物理的に開けやすくする

単純なことですが、重要なポイントでもあります。
圧着ハガキの開封率の高さは、その開けやすさに起因します。ですから、少しでも開けづらいと感じさせてしまったら、開封率は下がると考えた方がいいでしょう。
デザインで開封箇所を目立たせる、などは望ましい処置です。

また、圧着ハガキは作成してから時間が経過すると、だんだん圧着面が剥がしづらくなります。
あまり長い保管期間は作らない方が賢明です。

3-1-2.ターゲットを明確にする

まずはっきりさせておきますが、無差別DMは読まれません。
「私には関係ないな」と思われてしまえば、簡単に捨てられてしまいます。
逆にいえば、「私に関係あるな」と思わせることができれば、読ませるDMを作成できるということです。

個人の心に訴えかけるDMを作るには、まず目的と対象を明確にする必要があります。

目的を明確にする

まず必要なのが、なぜDMを送るのか、という明確な目的です。
宣伝なのか、招待なのか、告知なのか。また、新規層に知ってもらうためなのか、見込み客層を取り込むためなのか、顧客層の継続フォロ-のためなのか。
目的を明確にすることによって、自然と対象が絞られてきます。

対象を明確にする

次に必要なのが、誰に送るのか、という明確な対象です。
20代女性に向けたDMと50代男性に向けたDMでは、同一商品やサービスの宣伝でも、内容が大きく変わってきます。

また、20代女性でも「独身・働いている・趣味に対する出費が多い」という場合と「既婚主婦・週3でパート・節約しながら貯金をしている」という場合では、アプローチの手法が変わってきます。

そこからさらに、もう一歩踏み込んでみましょう。
「特定の属性を持ったグループ」ではなく、そこにいる「個人」を想像します。
どんな顔で、どんな服を着ていて、どんな生活習慣を持っていて、どんなことで笑うのか。笑うときは声をあげて笑うのか、くすりとほほ笑むのか。
どれだけ具体的に個人の顔を想像できるのか、それが心を動かすための鍵となってきます。

3-1-3.反応率を上げる

その他大勢に向けられた機械的な言葉では、個人の心は動きません。
どれだけ対象者のパ-ソナルな部分に触れられるか、が反応率をあげるための焦点となってきます。

すべての人に響く必要はない

みんなが「まあまあいいかな」と思うものよりも、数人が「とてもいい」と思うものの方が、DMとしては優れているといえます。
DMとは単なる読み物ではなく、読み手の具体的な行動を促すものだからです。

具体的な行動を促すためには、「まあまあ」程度の印象では足りません。
相手からの強い共感を引き出せなければ、行動まで誘導することはできないのです。
ですから、あらゆるすべての人になんとなく伝わるものよりも、特定の層に強烈に訴えかける仕掛けが必要です。

あなたのために手紙を書く

近年、DMはOne to Oneのマーケティングだといわれています。
企業と顧客ではなく、個人と個人をつなぐマーケティングだということです。
反応率を上げるためには、特定の属性を持つグループに対してアプローチするのではなく、「あなた」に向けて働きかけることが必要です。

そのためには、宛名を手書きする、担当者名と一言を添える、バリアブル印刷(一枚一枚内容が可変の印刷)を取り入れて顧客ごとにDMの内容を変えてみる、などの手法が考えられます。
相手の顔を想像しながら、一方的に宣伝するのではなくコミュニケーションをとる、という気持ちでDM作成に臨むことが大切です。

3-2.変わった圧着ハガキ

開封率上昇の手段のひとつとして、変わった圧着ハガキの利用が挙げられます。
その他大勢向けの大量生産品に消費者は見向きもしませんが、「おや、これはなんだろう」という好奇心を刺激することができれば、開封率を上昇させることができます。

もちろん商品自体の有用性やコピー、印刷のデザインも重要になってくるのですが、初見のインパクトを強メールための手段として、特殊な圧着ハガキを検討してみるのもいいでしょう。

3-2-1.大判圧着ハガキ

仕上がりがA5やA4などのサイズになる、大判の圧着ハガキです。
通常の圧着ハガキよりも目に留まりやすく、多数の印刷物のなかでも埋もれることがありません。
展開するとポスターのようになり、多くの情報を載せることができます。

3-2-2.飛び出す圧着ハガキ

飛び出す絵本のように、展開するとイラストや写真が飛び出してくる圧着ハガキです。
ただ文字や絵が並んでいるだけよりも強いインパクトが残せますし、こういったガジェットは子供にも喜ばれます。

3-2-3.BOOK型圧着ハガキ

展開すると本の形になる圧着ハガキです。
何度もページをめくらせることで、相手を引きずり込むことができます。
「次をめくりたい」と思わせるように情報を小出しにする、フローチャートを作りその結果を次のページに載せる、などはページをめくらせるために有効な手段です。
物語形式にしてみるのも面白いでしょう。

3-2-4.変形圧着ハガキ

ウチワ型や動物型などの変形ハガキは、受取人に強いインパクトを残すことができます。
コストはかかりますが、反響率を上げるためには有用であるといえるでしょう。
商品に関わりのあるものや季節感を感じさせるものを模って作成すると、相手の理解を促進したり、親しみを感じさせたりする効果が生まれます。

3-2-5.くじ付き圧着ハガキ

暑中見舞いや年賀状に印刷されているくじが付いた圧着ハガキです。
当落発表までは捨てられませんから、普通の圧着ハガキよりも長く保管される可能性が高くなります。
手元に置いておく時間が長ければ、何度も目にすることになり、必然的に商品を記憶し行動する確率が高くなります。

他にも、窓付きやスクラッチ付きなど、面白い加工の圧着ハガキが存在します。
読まれる圧着ハガキを作るために必要なのは、個人の好奇心に働きかける、ちょっとした仕掛けです。
これらの変わった圧着ハガキは、その「ちょっとした仕掛け」を盛り上げてくれます。
つい開けたくなるような、受取人をワクワクさせるDMを作っていきましょう。

4.まとめ

いかがでしたか。
圧着ハガキは貴社のお役にたちそうでしょうか?

使い方次第でさまざまな効果を生み出す圧着ハガキは、その特性を理解して活用すれば、コスト削減や業務効率上昇の足がかりとなります。
メリットを生かして、効果的な運用をしていきましょう。

pagetop