YouTubeマーケティングを成功に導く分析ツールの使い方
チャンネル登録者数と視聴回数だけ伸びればYouTubeマーケティングは成功だ、なんて思っていませんか?
個人のYouTuberならそれで構いませんが、企業のYouTubeチャンネルの場合は違います。
マーケティングの一環としてYouTubeチャンネルを展開するのであれば、ただ動画を見てもらうだけではなく、確実に利益につなげていかなければなりません。
そのためには、チャンネル登録者数や視聴回数だけではない、より深い分析が必要になってきます。
この記事では、YouTubeが公式に掲載している“YouTube Creator Playbook for Brands”(ブランド向けYouTubeクリエイターハンドブック)の中から、YouTubeにおける効果測定法がまとめられた“Measure Your Results ”を解説します。
自社チャンネルのマーケティングにおける現状を把握し、より効果的に運用できるようにしていきましょう。
クリエイターハンドブックの他章を紹介した関連記事は、こちらからどうぞ。
目次
1.分析ツール
1-1.YouTubeアナリティクス
1-2.Google AdWords(グーグルアドワーズ)
2.注目すべき項目
2-1.一般的な動画で重視する項目
2-2.広告動画で重視する項目
3.まとめ
1.分析ツール
企業でYouTubeチャンネルを運用するのであれば、分析ツールの導入は必須です。
日々数値を確認して、分析し、改善に役立てていきましょう。
ここでは、YouTubeチャンネルの分析ツールとして代表的な「YouTubeアナリティクス」と「Google AdWords」の2つを紹介していきます。
1-1.YouTubeアナリティクス
YouTubeアナリティクスは、YouTubeページ内にあるツールです。
視聴統計を手軽に見ることができるため、分析に慣れていない人にはこのツールの使用をおすすめします。
また、こちらは上級者向けですが、YouTubeアナリティクスの統計データをAPI経由で取得することもできます。定期的にレポートを書き出す設定にもできるため、非常に効率的です。
APIの使い方は、「10分で始めるYouTube Analytics API」という動画で確認してください。
YouTubeアナリティクス内にはいくつかの項目があるので、簡単に紹介していきましょう。
1-1-1.概要
YouTubeアナリティクスにアクセスすると、まず概要画面が表示されます。
ここでは、チャンネル全体の再生時間や視聴回数などの基本的な統計を、一目でわかる形で確認できます。
アクセスが多い動画や流入経路なども、ここから確認できます。
この画面でチャンネル全体の概要を把握してから個別の動画ごとの情報を見ていく、という流れで分析していきます。
また、YouTubeアナリティクスの画面左側にあるメニューには、「概要」のすぐ下に「リアルタイム」という項目があります。
そちらでは、リアルタイムの閲覧状況が確認できます。
ブログやSNSで動画を紹介したあとにこの画面を監視していれば、どのメディアで拡散すれば一番効果が出るか検証できるかもしれません。
1-1-2.総再生時間レポート
ここでは、「ユーザー層」「再生場所」「トラフィックソース(流入経路)」などの情報が確認できます。
ユーザー層では、年齢や男女別、国別などの統計が閲覧できます。
これは、自社チャンネルがどんな層に受け入れられているのかを知る重要な手がかりとなります。
他にも、動画がどこで再生されているのか、ユーザーがどこから動画にたどりついたのか、などのユーザーに関するさまざまな情報を閲覧できます。
自社コンテンツを閲覧しているユーザーを知ることは、ユーザー主体のメディアであるYouTubeにおいて、とても大切なことです。視聴者がどんな人で、どんな環境で動画を閲覧しているのか把握しておくと、具体的な施策へ反映できるようになります。
1-1-3.視聴者の反応レポート
ここでは、「チャンネル登録者」「評価」「コメント」などの、動画を見たあとのユーザーの行動が確認できます。
企業がYouTubeチャンネルを運営するとき、そこには必ず目的があるはずです。
そしてその目的は、単に面白い動画をユーザーに見てもらうことだけではありませんよね。
自社の利益や認知度向上につなげなくてはならないので、動画を見たあとの視聴者のアクションは非常に重要な情報だといえます。
ここでは実際の成果といえる項目が確認できるので、チェックを怠らないようにしましょう。
1-2.Google AdWords(グーグルアドワーズ)
Googleが提供している、YouTube広告の効果を測定できるツールです。
YouTube広告に限らず、さまざまな広告の分析に活用できるため、広告運用をしている人にとっては馴染み深いツールではないでしょうか。
Google AdWordsでは、主に「キャンペーンタブ」を活用していきます。
ここでは、広告の表示回数や平均費用、視聴者の情報などを調べることができます。
タブ内の「広告」「ユーザーリスト」「詳細分析」などから、有料広告の視聴状況を分析できます。
広告が効率的に表示されていない場合は、早急にターゲットの設定を見直さなくてはなりません。
広告効果が簡単に測定できるので、有料広告を使用する場合は、YouTubeアナリティクスだけでなくGoogle AdWordsも確認していきましょう。
2.注目すべき項目
分析ツールを確認するときは、ただ漫然と眺めるのではなく、注目すべきポイントを理解しておく必要があります。
とくに有料広告動画の場合は、費用対効果を高めるために分析が重要になってきます。
ここでは、一般的な動画と有料動画に分けて、それぞれ注目するべき項目を簡単に紹介していきます。
2-1.一般的な動画で重視する項目
非広告動画の場合、主にYouTubeアナリティクスを活用した効果測定を実施します。
どのような点に注目すればいいのか、かいつまんで説明していきましょう。
2-1-1.流入経路
YouTubeアナリティクスの「トラフィックソース」から、ユーザーがどのような経路で動画にたどりついたのかを調べることができます。
ユーザーの流入経路は、自社の認知状況や動画の拡散状況を知る手がかりとなります。
たとえば、「直接」や「YouTube検索」から動画にたどりついたユーザーは、すでにチャンネルや企業に興味を持っている可能性が高いです。
一方、「外部」や「関連動画」からの流入が多ければ、新規ユーザーからのアクセスが多いといえるでしょう。「外部」が突出して多いのなら、SNSなどで拡散されているのかもしれません。
その動画がチャンネル登録者向けのハブコンテンツなのか、それとも新規獲得を目指すヘルプコンテンツなのかによって、どの経路を重視するかが変わってきます。
コンテンツの内容に見合った流入でない場合は、コンテンツの内容やメタデータなどの改善を視野に入れていきましょう。
2-1-2.動画の閲覧状況
どんなユーザーがどれくらい動画を視聴したのか、という情報は常にチェックが必要です。
YouTubeアナリティクスの「視聴者維持率」「ユーザー層」などのタブを利用すると、それらの情報が閲覧できます。
「視聴者維持率」では、平均視聴時間や平均再生率を調べられます。
視聴者がどこで視聴を中断するのかを確認できるので、新たなコンテンツを作るときの手がかりとなります。
「ユーザー層」では、視聴者の性別や年齢などの分布を調べられます。
この層が自社のサービスや商品のターゲット層と食い違っている場合は、動画の内容やチャンネルの構成などを見直してみましょう。
2-1-3.動画再生後の行動
動画を閲覧したユーザーがどう行動したかを把握するようにしましょう。
YouTubeアナリティクスの「視聴者の反応レポートタブ」では、アノテーションやカードのクリック数や、チャンネル登録者の増減などを調べることができます。
どの動画のアノテーションやカードが有効であったかを調べ、流入の多かったコンテンツのどこがユーザーから評価されたのかを洗い出しましょう。
ここではさまざまな数値が確認できますが、「動画の目的」に沿って重視する数値を柔軟に変えていきましょう。
たとえば、「ユーザーにシェアしてもらうことを目的に作った動画」であれば、シェア数やシェア媒体に注目すべきです。
「リンクをクリックしてもらうための広告動画」であれば、クリック率を調べていきましょう。
このように、目的に見合った結果が出ているかどうか確認することで、次の一手につなげていくことができます。
2-2.広告動画で重視する項目
有料広告動画の場合、とくに重視するべき項目が2つあります。
YouTubeアナリティクスだけでなくGoogle AdWordsを活用して、必要な情報をチェックしていくようにしましょう。
2-2-1.費用
効果的な広告運用のためには、費用の確認が必要不可欠です。
Google AdWordsを利用することで、どの広告媒体にどれだけの費用がかかったのか調べることができます。
後述する再生時間と合わせて、費用対効果を高める取り組みをしていきましょう。
2-2-2.再生時間
非広告の動画でも再生時間は重要な指標ですが、広告動画の場合はその重要性が飛躍的に高まります。
広告の途中で視聴しているユーザーが多ければ、広告が視聴者の心をつかめていない可能性があります。再生時間が短ければ短いほど、費用対効果は悪化していくと考えて良いでしょう。
再生時間が短い場合、最初の5秒の練り直しが必要かもしれません。
できるだけ再生時間を伸ばしていけるように、動画を作るたびに改善を重ねていく必要があります。
3.まとめ
分析ツールを活用すると、さまざまなデータが手に入ります。
はじめての調査では、比較対象がないため傾向がわかりづらいかもしれません。
しかし定期的に何回も調査することで、情報が蓄積され、自社チャンネルにおける傾向がわかってきます。継続して研究していくと、どんな動画にどのような反応が起きやすいのか、次第にノウハウが蓄積されていくはずです。
問題点を見つけて改善を重ねて、チャンネルをさらに良いものにしていきましょう!
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