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【2016年版】Webの著作権侵害事例とトラブル対処法

作成日:2016.06.28

最終更新日:2016.11.28

カテゴリー:Tips

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検索で出てきた写真を無断で自社サイトに掲載する、ブログに雑誌記事の写メをアップする、商用利用不可の素材なのにガイドラインを無視してビジネス利用する……。
「これは犯罪である」という意識が希薄なのか、web上には著作権侵害の事例がごく当たり前のように氾濫しています。

あまりにもありふれているので「大したことない」と思いがちですが、著作権の侵害は民事でも刑事でも違法な行為です。
また、「みんなやっているし、どうせ捕まらない」という認識も近年では通用しなくなってきています。

著作権違反に対する取り締まりは年々強化されており、2016年2月には日本全国の警察による一斉取締りが行われ、44人が検挙される事態となりました。
罰則も強化されており、とくに企業が著作権を侵害した場合には「最高3億円の罰金」という厳しい罰則が定められています。

この記事では、webで情報発信するなら絶対に知っておかなければならない、著作権侵害の事例と教訓を紹介していきます。企業のweb担当者はもちろん、日常的にブログやSNSを活用している人もぜひご一読ください。

1.著作権法違反の実例

1-1.著作権違反による逮捕事例

それでは、著作権違反による逮捕の最新事例をみていきましょう。

職務上の立場を利用して作成した海賊版CDの販売

当時音響機器販売会社に勤めていた男性が、歌手の吉田拓郎さんの非売品コンサート音源をCD-Rに焼いてネットオークションで販売、約41万円の利益を得た事例です。
音源は未発表のもので入手経路は明らかではありませんが、職務上のルートを用いて不正入手した可能性があり、世間から企業責任を問う声が多く上がりました。

この事例からわかることは、たった1人の従業員による行為だったとしても、企業の責任が問われるということです。また、取引先で同様のことが起こるリスクも常に存在しています。
日頃から従業員に対して著作権に関する研修を行うだけでなく、取引先がどのような管理・教育を行っているかも確認しておく必要があります。

未成年者による海外動画サイトへの違法アップロード

未成年の少年がアニメ番組を海外の動画サイトに違法アップロードして、日本の警察によって取り締まられた事例です。

この事例は、著作権侵害に関する取り締まりが強化されていることを示しています。
アップロードで金銭的な利益を得ておらず、アップロード先は海外サイトで、そのうえ未成年。これまでであれば逮捕されることはほとんどなかった例ですが、今後はその傾向も変わってくるでしょう。

1-2.民事事件として争った事例

次に、民事事件として争いになった例をみていきましょう。

以下のケースは、警察によって逮捕されるまでには至っていないものの、著作権者との間でトラブルになり、損害賠償を支払うこととなった事例です。

企業のWeb担当者による写真の無断使用

JR東日本が「特急いなほ」のキャンペーンサイトを作成する際に、個人ブログで公開されていた特急いなほの写真を無断使用した事例です。
この事件のポイントは、「被写体であった特急列車はJR東日本の所有物だが、その写真を勝手に使用することはできない」という点です。

特急いなほはJR東日本が所有する列車で、車両デザインの著作権はJR東日本が有しています。
しかし「列車の著作権」と「列車を撮影した写真の著作権」は、以下のようにまったく異なるものです。

列車の著作権:車体の色や窓の配置など、車体そのもののデザインに対する著作権
写真の著作権:被写体の角度や背景など、撮影者の技術や表現に対する著作権

JR東日本としては、「列車はJRのものだから、その写真を使ってもよいだろう」という思いがあったかもしれません。
しかし、いくら自社が所有・販売している製品であっても、一般消費者がその製品を描いた絵や撮った写真は、個々の消費者に絵や写真の著作権が認められます。

なお、鋭い人であれば「そもそも著作物である列車を自由に撮ってもいいのか」と疑問に思うかもしれません。つまり、「JRが列車のデザインの著作権を持っているのならば、勝手に写真を撮ってはいけないのではないか」ということです。

結論からいえば、基本的に問題ありません。これは著作権法46条で、以下のように定められています。

“(公開の美術の著作物等の利用)
第四十六条  美術の著作物でその原作品が前条第二項に規定する屋外の場所に恒常的に設置されているもの又は建築の著作物は、次に掲げる場合を除き、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。
一  彫刻を増製し、又はその増製物の譲渡により公衆に提供する場合
二  建築の著作物を建築により複製し、又はその複製物の譲渡により公衆に提供する場合
三  前条第二項に規定する屋外の場所に恒常的に設置するために複製する場合
四  専ら美術の著作物の複製物の販売を目的として複製し、又はその複製物を販売する場合”

つまり、常に屋外にある建築物などの著作物は、基本的に自由に撮影できるということです。商業利用はできませんが、個人的に撮影する分には問題ありません。

動画サイト運営会社の管理責任

動画サイトのパンドラTVが、ユーザーがアップロードした違法動画の管理を怠ったとして損害賠償が命じられた事例です。
ここで注目すべきなのは、「パンドラTV自体が著作権侵害動画をアップロードしているわけではないが、サイトの管理義務を問われた」という点です。

自社サイトに掲示板などユーザーが自由に書き込める場所がある場合、注意が必要です。書き込みを日々チェックし問題のある書き込みは速やかに削除する、このような管理を怠ると、運営会社として著作権侵害の責任を問われるリスクがあります。

多くの場合、自社のwebサイトを作成するときは、写真やイラストが著作権に違反していないかチェックするでしょう。しかし運営開始後のユーザーの書き込みまで、定期的にチェックしている企業は多くありません。
明らかに著作権を侵害しているものを放置していると、訴訟のリスクがあるだけでなく、ユーザーからの信頼感も低下します。担当者は定期的に書き込みをチェック、管理する必要があります。

2.ありがちな侵害事例

紹介した事例からわかる通り、問題になったあとに「知らなかった」では済みません。
知らず知らずのうちに著作権を侵害してしまいトラブルにならないように、webでよくある侵害事例を把握しておきましょう。

2-1.画像の無断使用

よくある侵害事例のひとつが「画像の無断使用」です。
残念ながら非常に多いのが、今回紹介した事例にもあるように「ネット上で使用した画像を無断使用した」というケースです。

2015年、プロのフォトグラファーの写真が無断使用された、という記事が話題になりました。→【茂山組という建設会社に写真を違法利用され、問い合わせても無視された
当然ですが、「無料」というキーワードで検索してヒットした画像などは、無料で使用できるわけではありません。webサイトやブログはもちろん、SNSで勝手にアイコン使用したりすることもNGです。

また、PCの画像フォルダやワードやエクセルなどにデフォルトで入っている画像をwebで公開することも、著作権侵害に該当します。
これらの画像は基本的に自由に使用できますが、その範囲は限定されています。PCに入っている画像はそのPCのローカル環境の中では自由に使用できますが、web上で公開することはできません。ソフトウェアに入っている画像も同様で、そのソフト上では自由に使用できますが、公開できるわけではありません。

使用が許されている画像だからといって、無制限に使用できるとは限りません。どの範囲での使用が許されているのか、常に注意を払いましょう。

もし、本当に素晴らしくて「どうしても紹介したい」「使用させてほしい」といった画像があれば、著作権者に連絡をとりましょう。

なお、公表されている著作物であれば「引用」することは可能です。
ただし「引用」は3つの条件を満たす必要があり、素人には判断が難しい場合も多々あります。やはり、著作権者に連絡を入れることが一番確実でしょう。

引用に関する詳細:【Web担必読】「引用」の定義とは?著作権法第32条の基礎知識

2-2.マップのガイドライン違反

こちらも散見される事例です。
アクセス案内としてGoogleマップなどを使用している企業は多くありますが、使い方を間違えるとガイドライン違反になってしまう場合があります。

まず明確にしておきたいことは、「地図も著作物である」ということです。
地形に著作権はありませんが、地図は色合いや配置に独自の工夫がしてあります。
つまり、GoogleマップやYahoo!マップなどは著作物です。商用利用におけるガイドラインが設けてあるので、使用する前に必ず確認しておきましょう。

Googleのガイドラインでは、地図が動く状態でwebサイトに埋め込むことは許可されています。リンクを貼ることも基本的には自由です。
しかし、会員限定の非公開サイトでの利用や、キャプチャを撮って画像として使用することなどは禁止されています。ぼかしを入れたり、情報を書き込んだりしてもいけません。

よく見かける何気ない行為でも、意外に許可されていない場合があります。
使用前は必ず自分でガイドラインを確認しましょう。

3.状況によって判断が異なる事例

3-1.HTMLなどのソースコード

著作権法とは、「創作性を表現したもの」を保護するものです。

HTMLなどの単純なソースコードは「創作性」を認められづらいので、一般的には著作物として保護されることはありません。こういった記述様式が決まっていて誰が記述しても似たような形になりやすいものは、創作性を認められづらい傾向にあります。
「既存の他サイトのHTMLを真似て、デザインやコンテンツは差し替えたwebサイト」は、著作権侵害に当たらないと判断される可能性が高いです。

一方、webサイト自体は創作性が認められているので、著作物として保護されます。
よって、見た目からなにからすべて真似された場合はもちろん、コンテンツを無断使用された場合などは著作権侵害で訴えることができます。
また、独自性の高いプログラムなどは著作物として保護されます。ただし、どこから独自性が高いと判断されるのか、という点は専門家でも意見が分かれるところです。非常に判断が難しい分野だといえるでしょう。

3-2.違法サイトのURLを集めたリンクページ

2016年6月現在、違法サイトのリンクを集めた誘導サイトを規制しようとする動きがあります。
誘導サイトは違法サイトのリンクを集めただけであり、直接的に著作権を侵害しているわけではありません。しかし著作権侵害行為を助長するため、規制するべきだという声が高まっています。

すでに海外では取り締まりが始まっており、たとえばフランスでは誘導サイトのアカウントを強制停止したり、インターネットの接続そのものを切断したりするなど、厳しい措置が取られています。
日本政府は、2017年を目処に著作権法を改正する方向で審議を行っています。メールマガジンに貼られているリンクなども対象になっており、幅広く規制が行われる見込みです。現在はグレーな行為ですが、将来的には取り締まり対象になる可能性が高いといえます。

4.当事者になった場合の対処法

それでは、実際に著作権侵害の当事者となってしまった場合はどうしたらよいのでしょうか。
加害者になった場合と被害者になった場合、それぞれについて簡単に説明します。

4-1.加害者になった場合

「あなたはわたしの著作権を侵害している」といわれた場合は、まず相手の言葉に真摯に耳を傾けましょう。相手の言い分が間違いなければ誠意を込めて謝罪し、話し合いで解決できないようであれば速やかに弁護士に相談するべきです。
また、自身にまったく身に覚えがない場合も、弁護士に相談してみるべきでしょう。

身に覚えがある場合、「みんなやっているから大丈夫」「無視すれば諦める」など甘く考えて無視したり逃げたりしていると、訴訟に発展する恐れがあります。
刑事上でも民事上でも責任を負うことになるので、たとえ悪意がなかったとしても、著作権を侵害したら速やかに誠実に対応するべきです。

4-2.被害者になった場合

まずは明確な証拠が必要です。
侵害した側との交渉がうまくいかなかった場合は、最悪裁判になる可能性があります。そうなった際にきちんと戦えるように、まずは専門家に相談しておきましょう。

証拠の確保として「キャプチャをとる」「webページの保存をする」などをする人が多いのですが、「日時の記録がない」「PCの日時が正確であることの証明をしていない」などの理由で、実際の裁判では使えない場合が多々あります。
自分の判断だけで行動せず、どのような証拠が使えるか専門家に確認することが重要です。

また、著作権を侵害された人は、相手に損害賠償を請求できます。
侵害行為が悪質であれば、警察に告訴することも可能です。告訴の手続きは自分で行うこともできますが、ケースが複雑な場合は、やはり専門家に相談しましょう。

法律相談の窓口は、意外にたくさんあります。

自治体が法律相談窓口を用意していることも多くありますし、法テラス(日本司法支援センター)や都道府県の各弁護士会(東京弁護士会千葉県弁護士会など)が行っている法律相談もあります。

とくに弁護士会では、特定分野に強い弁護士を紹介してくれる制度があります。
著作権は特殊な分野で専門とする弁護士も少ないので、こういったサービスを利用して探してみるといいでしょう。
参考:特定分野の弁護士紹介|東京弁護士会

弁護士に相談となると費用が心配になると思いますが、経済的にお困りの方に対しては、無料相談制度などが設けられています。
企業が相談するときは基本的に有料になることが多いのですが、企業向け初回無料相談サービスも存在します。
参考:ひまわりほっとダイヤル(中小企業向けの初回無料相談サービス)

相談だけなら30分5,000円程度が相場で、そこまで高額にはなりません。
まずは一度、専門家に相談してみることをおすすめします。
参考:相談・依頼のポイント|日本弁護士連合会

5.著作権侵害のトラブルを防ぐ方法

自身の著作物を保護することは、非常に難しいことです。

インターネットに公開されている著作物は簡単に複製できてしまうため、盗用を防ぐ完全な手段はありません。右クリックやドラッグによるテキスト選択を、JavaScriptやCSSで禁止することはできます。ただしそれらの禁止を回避する方法もあるため、根本的な解決にはなりません。
コピーライトを明確にしておいて、トラブルになってもきちんと著作権を主張できる状態にしておくことは大切でしょう。

一方、自分が加害者となることを防止するのはそんなに難しくありません。
トラブルを避けるもっともシンプルな方法は、とにかく著作権者に許可を取ることです。

著作権者に対する交渉はメールでも電話でも構いませんが、最終的に許諾を得る場合は、必ず書面に残しておきましょう。口頭での許諾は証拠として残りません。
後に裁判になったときには、証拠がなければ負けてしまいます。実際、証拠がないために「言った」「言わない」の争いとなることは珍しくありません。裁判では証拠がすべてです。必ず証拠を残しておきましょう。

著作権者が海外に住んでいる場合など、どうしても書面にサインしてもらうことが難しい場合は、交渉の経過を証拠として残しておきましょう。電話を録音したり、メールを印刷したりしておくなど、客観的な記録を残しておくことがポイントです。

なお、著作権フリーと表示されているサイトであっても、そのサイト自体に違法性があれば意味がありません。サイト自体が違法なものであれば、そのコンテンツを使用した人も著作権侵害の責任を負うことになります。
サイトの運営者に連絡を取り、そのサイトが合法なものであることを確認した上で、コンテンツを利用しましょう。サイトの運営者と連絡が取れなければ、利用は避けるべきです。

6.まとめ

インターネット上のコンテンツは簡単に転用できてしまうので、著作権侵害の認識がどうしても甘くなってしまいます。紙媒体の書籍をコピーして配布することに抵抗がある人でも、うっかりインターネット上の写真をコピーして使ってしまった、ということは珍しくありません。

しかし、著作権侵害は民事でも刑事でも違法な行為です。とくに、企業が著作権を侵害した場合の責任は重大です。
「知らなかった」では済まされません。
従業員一人一人の意識を高め、著作権侵害に対する理解を深めておきましょう。

著者:田中靖子(たなかやすこ)
法律家、ライター。
東京大学卒業後、2009年に司法試験に合格、弁護士として企業法務、知的財産権等の業務を扱う。
2012年に弁理士登録。現在はスウェーデンに在住し、法律ライターとして法律関連の記事の執筆や講演等の活動を行う。

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