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【企業向け】YouTubeマーケティング完全攻略|未和訳の公式ガイド「Creator Playbook for Brands」全解説

作成日:2016.07.08

最終更新日:2016.09.1

カテゴリー:Tips

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近年、webにおける動画市場が非常に盛り上がっています。

先日行われたコンテンツ東京2016では、動画制作や配信のサービスはかなりの数が出展されていました。TwitterやFacebookなども動画を自動再生するようになり、動画広告も目立つようになってきています。
webマーケティングに動画は必須、という流れは年々大きくなっており、日本の数年先をいくといわれているアメリカでも動画市場は拡大し続けています。

この流れを受けて、国内で動画マーケティングを始める企業も増えてきました。
最大手の動画配信プラットフォームであるYouTubeでマーケティングを行い、ビジネスを飛躍させようと考えている人も多いのではないでしょうか?

しかし、意図的に人気動画を作ることは非常に難しいことです。
いいコンテンツやチャンネルが作れず挫折してしまった、という企業も散見されます。

そこでこの記事ではYouTubeが良質なコンテンツを作るためのガイドラインとして公開している「Creator Playbook for Brands」の全てを解説していきます。

事前準備から動画の内容、分析の仕方まで幅広く抑えたこのガイドは、webマーケターなら一読の価値があるものです。
しかし残念ながらまだ和訳されていないため、当編集部で熟読、各章を詳細に解説する記事を作成しました。
まずはこの記事でCreator Playbook for Brandsの全体像を把握し、より詳しい部分は各章ごとに詳細解説している個別記事をご覧ください。


出典:Creator Playbook for Brands

1.特徴を理解し、事前準備を行う|Introduction ~ Build a Content Plan

まずは、YouTubeマーケティングの特徴が記載された「Introduction」と、コンテンツ戦略が記載された「Build a Content Plan」のふたつを読み解いていきましょう。

1-1.YouTubeマーケティングの特徴を知る


出典:Creator Playbook for Brands – Introduction

YouTubeマーケティングの大きな特徴は、「ユーザー主体」であることです。

動画広告というとテレビCMが思い浮かびがちですが、YouTubeとテレビには大きく異なるポイントがあります。
それは、YoouTubeでは動画をユーザーに「見せる」のではなく「選んでもらう」必要がある、という点です。

YouTubeを閲覧するユーザーは、12チャンネルどころではない無数の動画の中からひとつの動画を選び出し、閲覧します。再生する前段階でアイキャッチや説明文に魅力がなければそれだけでスルーされてしまいますし、再生されても面白くなければすぐに違う動画へ移動されてしまいます。

そういった特徴を持つメディアで集客するためには、「ユーザーの求めるもの」と「会社が伝えたいこと」を、うまく合致させる必要があります。

詳細:【失敗したくない人向け!】YouTueマーケティング5つの事前準備

1-2.コンテンツ戦略として5つの事前準備を行う


出典:Creator Playbook for Brands – Build a Content Plan

YouTubeマーケティングに必要なことは、「とりあえず面白い動画を作る」ということではありません。

再生回数を伸ばすだけなら面白い動画を作るだけで事足りますが、企業のビジネスとして行うならそれだけでは不足です。企業が行う動画マーケティングには「ブランドの宣伝」という確たる目標があり、それを達成する必要があるからです。

2009年に公開されたEvianの広告 “Roller Babies” は世界中で8千万回も再生されましたが、同年のEvianの売り上げは25%も落ちました。
会社のブランドとは関係のない面白動画をアップしても、売り上げは伸びないのです。

ユーザーに再生されて、かつビジネスに寄与する動画を作るためには、コンテンツ戦略が必要不可欠です。
実際の制作に入る前に、必ず下記5項目を定めておきしょう。

  1. YouTubeでのマーケティングの目的を定める
  2. ターゲットの客層を知る
  3. 自分のブランドの評判を知る
  4. ライバル企業の作戦を知る
  5. 何が起きれば成功か決める

これらの5項目は、要するに「目的設定」「ターゲットの理解」「エゴサーチ」「競合分析」「コンバージョン設定」といった、マーケティングの基本と同じことです。

動画マーケティングも、その他のマーケティングと同様、上記項目が事前準備として必要です。目的のないチャンネルは方向性を見失うし、競合分析ができていなければ勝つこともできないのです。

詳細:【失敗したくない人向け!】YouTueマーケティング5つの事前準備

2.人気動画の共通点を知る|Create Great Content


出典:Creator Playbook for Brands – Create Great Content

あなたは、YouTubeで実際に人気がある動画をちゃんと見ていますか?
YouTubeで人気のある動画には、下記10個の特徴があります。

  1. シェアしやすい
  2. 意味のあるコラボレーションをしている
  3. 検索結果に出やすい
  4. 初めて見ても楽しめる
  5. チャンネルに統一感がある
  6. ターゲットを意識している
  7. 長く続いている
  8. 視聴者と会話している
  9. 視聴者が参加できる
  10. 本気でやっている

これらの特徴は、すべて「ユーザーから選ばれやすくなる」ものです。
シェアしやすければ友人と話題にしやすいからSNSで共有したりしてくれますし、初見でも楽しめるなら知らない企業の動画でも手を出しやすくなります。

こういった「視聴者のつく動画の特徴」を理解しておけば、人気の出るコンテンツを作りやすくなります。人気動画を実際に見て分析する、ということは必ずやっておきましょう。

詳細:バズる動画の特徴とは?人気YouTube動画にある10個の共通点

3.チャンネル構成を組み立てる|Schedule Your Conten


出典:Creator Playbook for Brands – Schedule Your Content

YouTubeチャンネル登録者を増やすためには、チャンネル全体の流れを意識してひとつひとつの動画を作る必要があります。
全体の方向性が不明瞭なチャンネルは、視聴者にチャンネル登録によって得られるメリットが伝わりません。方向性がバラバラなチャンネルは固定ファンが付きづらいため、「ブランドの宣伝」という目的が果たせないのです。

YouTubeチャンネルを構成する動画の種類は、大きく分けると下記3種類になります。

  • ヘルプコンテンツ:ハウツー系動画。新規視聴者を獲得しやすい。
  • ハブコンテンツ:定期的に最新情報を伝える動画。チャンネル登録者向け。
  • ヒーローコンテンツ:話題性の高いプロモーション動画。上記2つの集大成。

これらの動画を戦略的に組み合わせることで、全体の方向性が明確な、固定ファンを掴めるチャンネルを作り上げることができるのです。

各コンテンツが小さな歯車として噛み合ったときに、はじめてチャンネルというシステムが動きます。それは、集客という大きな目的を果たすためのシステムです。
コンテンツそれぞれの役割を把握して、確実に噛み合うように運用していきましょう。

詳細:人気YouTubeチャンネルにはこれがある!3種の動画コンテンツ

4.YouTube内のSEOを行う|Optimize Your Content


出典:Creator Playbook for Brands – Optimize Your Content

YouTubeにおいてユーザーからの認知を得るためには、良質なコンテンツだけでは足りません。

良いコンテンツを作ることはもちろん大事ですが、それだけでは不十分です。
なぜならYouTubeには、あなたのチャンネル以外にも膨大な量のコンテンツがあるからです。視聴者に自社チャンネルを見つけてもらうためには、タイトルやサムネイルなどを最適化する必要があります。
YouTube内でのSEOを意識する必要がある、ということです。

動画がYouTubeの検索結果に表示されるようにするには、下記5項目に適切な設定を行う必要があります。

  1. メタデータ
  2. サムネイル
  3. カード
  4. 再生リスト
  5. チャンネル

ひとつひとつはそんなに難しいことではありませんが、意外にやっていないチャンネルが多くあります。上記項目の未整備はそのまま機会損失につながるため、非常にもったいないことです。
確実に検索結果に表示させられるように、手を抜かずに設定しておきましょう。

詳細:YouTubeでのSEO対策とは?上位表示させるための5つの設定

5.有料広告を活用する|Promote Your Content


出典:Creator Playbook for Brands – Promote Your Content

良質なコンテンツを作りSEOもきちんと行っているのに、再生回数が伸び悩んだりチャンネル登録者が増えなかったりすることもあり得ます。
そんなときは、有料広告の活用を視野に入れましょう。

YouTube広告にはいくつかの種類がありますが、もっともおすすめなものは「TrueView広告」です。
TrueView広告は、再生するかしないかをユーザーが選択できる広告です。
押しつけがましい印象がなく、かつ再生されたときのみ費用が発生するためコストパフォーマンスも優れています。

YouTubeで有料広告のパフォーマンスを最大限に引き出すためには、下記6項目を実施しましょう。

  1. 適切な形式を選ぶ
  2. 動画内容を広告に最適化する
  3. ターゲティングを最適化する
  4. コンテンツの種類に応じた広告を選ぶ
  5. チャンネル登録へ誘導する
  6. 効果測定を行う

有料広告は、チャンネルやコンテンツの人気を起爆させる鍵です。
これらのポイントを意識して広告を活用すれば、視聴回数やチャンネル登録者を増やすことができます。視聴回数やチャンネル登録者が増えれば、YouTube上でより効果的なマーケティングを実施していくことができます。

有料広告は、チャンネルの地盤を築く有効な手段といえるのです。

詳細:YouTubeチャンネル登録者を増やす!有料広告活用6つのポイント

6.ユーザーと交流する|Amplify With Social


出典:Creator Playbook for Brands – Amplify With Social

YouTubeは、チャンネル運営者が動画を提供し続けるだけの一方的なメディアではありません。
視聴者がコメントし、投稿者が返答できる「双方向的な」メディアです。

商品やサービスのアフターケアが大事なのと同じで、動画投稿後のコミュニケーションもマーケティングの一環です。上手に視聴者と交流していれば、「事業に興味はないけど、会社の人は好きだ」と良い印象を与えることができます。

動画マーケティングを行うのであれば、下記3つのソーシャル活動が必要だとYouTubeは述べています。

  • YouTubeのコメント活用
  • 他ソーシャルメディアの活用
  • Google+の活用

チャンネルの宣伝のためにも、広がりのある人間関係を築くことは重要です。
しかし、チャンネル登録してくれたファンとの交流をおざなりにしてはいけません。
せっかくあなたの会社やサービスに興味があるのに、「対応が冷たいから」という理由でユーザーが離れてしまうことは避けなければなりません。

ユーザーと交流を深め、ブランドイメージを多くの人に認知してもらい、かつより良いものへと成長させていきましょう。

詳細:YouTubeマーケティングに必須!3種のソーシャル活動

7.分析ツールを使いこなす|Measure Your Results


出典:Creator Playbook for Brands – Measure Your Results

最後に、YouTubeチャンネルをより効果的に運用しようと思うなら、必ず解析ツールを活用しましょう。

企業が運営するYouTubeチャンネルは、再生回数を稼ぐことや、チャンネル登録者を増やすことではないはずです。どれだけ動画が再生されても、売上に繋がらなければ意味がないといえます。
動画を利益に繋げていくためには、チャンネル登録者数や視聴回数だけではない、より深い分析が必要になってきます。

YouTubeの分析には、一般動画は「YouTubeアナリティクス」、有料広告動画には「Google AdWords」を活用しましょう。どちらも無料で提供されているツールなので、誰でも導入できます。

動画の解析には、下記項目を重点的にチェックするようにしましょう。

  • 動画への流入経路
  • 動画の閲覧状況
  • 動画再生後のユーザーの行動
  • 有料広告の費用
  • 有料広告の再生時間

これらの項目をチェックするためには、YouTubeアナリティクスの「トラフィックソース」や「視聴者維持率」、Google AdWordsの「キャンペーン」などを確認します。

分析ツールを活用すると、さまざまなデータが手に入ります。
初めての調査では比較対象がないため、傾向がわかりづらいかもしれません。しかし調査を重ねていくことによって、自社チャンネルの傾向がわかるようになります。解析を継続していくと、どんな動画にどんな反応が起きやすいのかというノウハウも蓄積されます。

問題点を見つけて改善を重ねて、チャンネルをより良いものにしていきましょう。

詳細:YouTubeマーケティングを成功に導く分析ツールの使い方

最後に

Creator Playbook for Brandsは、YouTubeマーケティングの優れた入門書です。
オフィシャルが丁寧に作ったガイドは、とくにノウハウがないうちは大きな指針となるでしょう。

よく熟読して知識して内容を理解し、きちんと設計を行ってからチャンネルを立ち上げましょう。
「流行りだから」という理由でなんとなく始めるのではなく、戦略を持って制作・運用することが動画マーケティング成功の鍵です。

YouTube公式コンテンツ制作ガイド「Creator Playbook for Brands」解説記事

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