YouTubeが新広告「バンパー広告」を発表|6秒間の「動画広告の俳句」とは?
動画広告の俳句・バンパー広告とは
2016年4月26日、YouTubeが新しい広告フォーマットを発表しました。
たった6秒間の動画広告、「バンパー広告」です。
YouTubeは、バンパー広告を「動画広告の俳句」だと述べています。
現在わかっている情報は、下表のとおりです。
現在のYouTube広告の主流であるTrueViewは、広告が再生されてから5秒後にはスキップできます。
ですから「開始から5秒が重要だ」といわれていたのですが、その「最初の5秒」だけをピックアップしたような今回のフォーマットは、「いかにユーザーにストレスを与えずに広告を再生するか」を模索した結果といえるでしょう。
TrueView広告は開始5秒でスキップ可能になるので、広告の内容に関心のないユーザーは閲覧しません。広告の無駄打ちが防げる費用対効果の高い広告であるといえますが、そのぶん新規層の開拓には不向きであるともいえます。
この新しい「バンパー広告」はスキップ不可であるため、TrueViewでアプローチできなかった層にリーチできるかもしれません。
事前のテストでは、バンパー広告とTrueViewを組み合わせることによって高い効果を得られたといいます。単体で使うというよりは、他の広告フォーマットと組み合わせた総合的な運用が想定されているようです。
6秒という短い時間で、どれだけユーザーを惹きつけられるのか。
動画広告は、一般的に「うざい」「邪魔」と思われがちなフォーマットでもあります。このバンパー広告の「6秒間のみ・スキップ不可」という性質がYouTubeユーザーにどう受け入れられるのか、それは広告主のクリエイティビティにかかっているといってもいいでしょう。
参照:Built for mobile: Bumper ads drive incremental reach and frequency, particularly on smartphones
全文翻訳:バンパー広告で少しずつ何度もリーチする|モバイル端末向け
18~49歳の人の半分は、動画を視聴する際にまずスマートフォンを使用する、という研究結果があります。テレビの置いてあるリビングにいたとしても、多くの人々はスマートフォンで動画を見ようとするのです。スマートフォンの操作には慣れているし、お気に入り動画リストや再生設定によって個々人に最適化されているからでしょう。動画視聴の形が変わりつつある中で、その視聴の形に合った新しいフォーマットをご紹介できるよう、日々努力しています。
そういった背景を踏まえ、本日発表するのは「バンパー広告」です。この新しい広告フォーマットは、6秒間だけの広告です。再生枠は、アドワーズオークションでCPMを基準に販売されます。バンパー広告の目的は、少しずつ何度もユーザーにリーチすることで、特にスマホやタブレットなどのモバイル端末のような「スナック感覚で動画を見る」デバイスを対象としています。
フォーマットの簡潔さを考えると、TrueViewやGoogle Preferredキャンペーンとの併用が好ましいです。実験では、バンパー広告は商品やサービスの認知、購入検討など(パーチェスファネルの上層)を引き起こしやすいという結果がでました。バンパー広告にTrueViewを組み合わせることで、さらにユーザーに認知を促せるという結果も出ています。
アトランティックレコードが、この新しいフォーマットのテスターとして協力してくれました。Rudimentalというイギリスのバンドのセカンドアルバムの発売の際にバンパー広告を使用しました。アトランティックレコードとワーナーミュージックグループのシニアマーケティングマネージャーのFiona Byersはこう語ります。
「TrueViewとバンパー広告はRundimentalのセカンドアルバム販売にあたってのストーリー作りに非常によく貢献してくれた。費用効率の良いバンパー広告のおかげで、アルバムにフィーチャリングされている大物アーティストたちを目立たせることができた。バンパー広告では、アルバムにどんなアーティストがフィーチャーされているのかが簡単にわかる。TrueViewでは、バンパー広告の全長版として、アルバムやバンドに関する物語を見せられる。TrueViewとバンパー広告はそれぞれ独立したものとして利用するよりも、両方の特性を活かして一緒に使った方がより効果を発揮する」
短くて楽しいフォーマットとして、バンパー広告はシリーズもののコンテンツにも一役買うでしょう。Audi GermanyがSUVのQシリーズの宣伝として、Qから始まるドイツ語の単語と、単語にちなんだ映像を繋げたTrueView広告を制作しました。Audi Germanyはこの広告を小分けにし、5秒のCMを何本か制作しました。バンパー広告への素早い対応は、アウディのモットーである“Vorsprung durch Technik” (技術による先進)を体現しています。
我々は、バンパー広告を動画広告の「俳句」と考えています。クリエイターたちがこのフォーマットをどのように活用するのか、楽しみで仕方ありません。Googleの営業代理店に連絡を取ることで、5月の初めからバンパー広告を利用することが可能です。これからも、人々の動画視聴の形に合わせた、独自のフォーマットを展開できるよう頑張りますので、お楽しみに!
元記事:Built for mobile: Bumper ads drive incremental reach and frequency, particularly on smartphones