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二大リスティング広告GoogleとYahoo!を徹底比較!最適な出稿先を選ぼう!

作成日:2016.07.05

最終更新日:2016.07.11

カテゴリー:リスティング広告

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リスティング広告は、Googleの「AdWords」、Yahoo! JAPANの「Yahoo!プロモーション広告」のふたつが代表的なものです。
他にもリスティング広告を提供しているサービスはありますが、上記ふたつを抑えておけばほとんどの層を網羅できる、といえるほど圧倒的なシェアを誇っています。

では、このふたつのサービスは、どう違ってどう選ぶべきなのでしょうか?

ここでは、Google AdWordsとYahoo!プロモーション広告の提供メニュー、各種仕様や規定の違いを紹介します。
加えて、予算や運営にかけられる時間が限られている場合に、どちらを優先して取り組めば良いかも考えていきます。

1.それぞれの提供サービスの名称

具体的な違いをみていく前に、用語を整理しておきましょう。
Google AdWordsもYahoo!プロモーション広告もさまざまなサービスを提供しているため、固有名詞が頭の中で整理しきれていない人も多いと思います。

Google AdWordsとYahoo!プロモーション広告が提供している広告サービスは、基本的に「リスティング広告」とよばれるものです。
リスティング広告とは、検索エンジンの検索結果ページや提携サイトの広告枠に広告掲載できるサービスで、大きく分けてふたつの形態があります。

  • 検索連動型広告
  • コンテンツ連動型広告

検索連動型広告は、その名のとおりユーザーが検索したキーワードに応じて、検索結果ページ(SERP)に表示される広告です。
一方コンテンツ連動型広告は、キーワードではなく、掲載されるWebサイトの内容やユーザーの興味関心などと連動して表示される広告です。

■リスティング広告の詳細:リスティング広告とは?今さら訊けない基礎知識

Google AdWordsもYahoo!プロモーション広告も、検索連動型広告とコンテンツ連動型広告の両方を扱っており、それぞれサービスに固有名詞がつけられています。

各サービスの名称をまとめると、下表のようになります。

2.Google AdWordsとYahoo!プロモーション広告の違い

用語が整理できたところで、具体的な違いをみていきましょう。

Google AdWordsとYahoo!プロモーション広告は、広告の形式から入稿方法までほとんどが共通していますが、下記5点において違いがあります。

  • 広告の配信先
  • 広告管理画面の構成
  • 広告表示オプション
  • 審査のスピード
  • アナリティクスとの連携方法

ここでは、この5項目について簡単に説明していきます。

2-1.広告の配信先

基本的には似通っているGoogle AdWordsとプロモーション広告ですが、広告の配信先は異なります。
検索連動型なら各検索結果ページですし、コンテンツ連動型なら各提携サイトです。
GoogleとYahoo!の両方と同時に契約しているサイトはないため、配信先が重なることはありません。

GoogleもYahoo!も多数の提携サイトがありますが、代表的なものとしては下記サイトが挙げられます。

Google

  • YouTube
  • ameblo
  • goo
  • biglobe 他

Yahoo!

  • GYAO!
  • excite
  • Bing
  • nifty 他

配信先のもっとも大きな違いとは

これらの配信先の中でもっとも大きな違いは、動画広告の配信先でしょう。

動画広告は、GoogleならYouTube、Yahoo!ならGYAO!に配信されます。
YouTubeもGYAO!もメジャーな動画サービスですが、利用者数や利用時間は、YouTubeがGYAO!を圧倒的に上回ります。リーチできる範囲に関していえば、Google AdWordsの動画広告の方が有利だといえるでしょう。

ただし、スマートフォンからの閲覧者が多いYouTubeに対して、GYAO!はPCユーザーが多い傾向にあります。ユーザー層には違いがあるので、商品やサービスによってGYAO!への配信の方が有用なケースは十分にあり得ます。

2-2.広告管理画面の構成

広告運用で欠かせない管理画面ですが、その構成にはGoogle AdWordsとプロモーション広告で違いがみられます。
Google AdWordsが一括管理であるのに対して、プロモーション広告は広告ごとに管理画面が分かれているのです。

Google AdWordsでの広告設定は、検索連動型もコンテンツ連動型も、同じ「キャンペーン」メニュー内で行います。

一方Yahoo!プロモーション広告は、検索連動型はスポンサードサーチメニュー、コンテンツ連動型はYDNメニューから設定を行います。これに伴い、Yahoo!はレポートやツールに関するメニューも、それぞれのカテゴリに分かれて提供されています。

2-3.広告表示オプション

検索連動型広告は、メインのテキスト広告の他にも、さまざまな情報をオプションとして表示させることができます。
Google AdWordsとプロモーション広告では、この表示できるオプションに違いがあります。

Yahoo!プロモーション広告は「クイックリンク」「電話番号」のふたつが選択できますが、Google AdWordsは「サイトリンク表示」「電話番号」「住所表示」「レビュー」など、複数の設定が可能です。

広告表示オプションは、情報が表示できる点はもちろんですが、それ以外にも単純に表示面積の増大というメリットがあります。
他の広告よりも目に入りやすくなるので、訴求力に期待できるでしょう。

2-4.審査のスピード

審査については全般的に、Google AdWordsの方がやや早い傾向にあります。
このため、新規広告を出稿する際、両方を同じタイミングで準備しても一斉にスタートとならない場合が多々あります。

なお、審査スピードは、商品やサービスにより異なります。
また、いったん掲載された後にチェックが入り配信が停止になる、というケースもあります。これは両社ともに変わらない点です。

2-5.アナリティクスとの連携方法

アクセス解析ツールとして代表的なGoogleアナリティクスですが、同じGoogleのツールだけにGoogle AdWordsとの連携は容易です。
プロモーション広告との連携も可能ですが、こちらは手動で広告のリンク先URLに計測用パラメータを付ける必要があります。

Google AdWordsの場合、Googleアナリティクスの管理画面でリンク(連携作業)をすることで、すぐにデータが反映されます。Google AdWords管理画面のアカウント設定で「リンク先URLの自動タグ設定」をオンにいておけば、自動的にタグが挿入されます。

Yahoo!プロモーション広告の場合、前述のとおり手動で計測用パラメータを付ける必要があります。とはいえ、効果測定自体は可能です。

3.代表的な広告サービス比較

それでは今度は、代表的なサービスの主要項目を比較していきましょう。

今回比較するのは、検索連動型広告の「検索ネットワーク広告」と「スポサードサーチ」、コンテンツ連動型広告の「Googleディスプレイネットワーク」と「Yahoo!ディスプレイアドネットワーク」です。

同カテゴリのサービスだけあって似通っているように思いますが、具体的な項目にどのような差異があるのでしょうか?

3-1.検索連動型広告

まずは検索連動型広告を比較してみましょう。

名称

当然ですが、固有名詞は異なります。
マニュアル本や代理店とのやり取りでよく出てくるので、混乱しないように覚えておきましょう。

広告文

以前は文字数の違いがありましたが、現在はほぼ同じになっています。
パッと見ると数字が違いますが、どちらも全角換算なら同じ字数になります。

Google AdWordsのデフォルト設定は「見出し 全角12文字」「広告文 全角17文字+17文字」でYahoo!より短いのですが、Google AdWordsには文字拡張機能があります。
これは「東ヨーロッパとアジアの特定の国の言語を考慮」したもので、日本も対象国になっています。
国内への広告出稿は、基本的に拡張設定をオンとしましょう。

表示URL

表示URLの文字数は広告文と異なり、Yahoo!の方が大幅に多く表示できます。

主な使用不可の記号

使用できる記号、できない記号はこの他にも多くありますが、ここでは迷いがちなものを最小限ピックアップしています。

感嘆符(!)は見た人に強い印象を与えるので、広告では使いたくなる記号です。しかし、Google AdWordsでは見出しに使用できません。

一方、Yahoo!プロモーション広告は括弧類の扱いが少し難しいので、特定の文字を括弧で強調したい場合などは注意しましょう。
全角半角ともに使用できるのは( )だけで、他の括弧類は基本的に全角使用できません。

なお、記号の使用ルールは頻繁に変わります。随時チェックしておきましょう。

主な配信先

Googleは「Googleマップ」「goo」「biglobe」など、Yahoo!は「excite」「Bing」「nifty」などに広告が配信されます。
ここで挙げたものは代表的なもので、この他にも多数の提携サイトがあります。

なお、提携先サイトも随時変更されます。
常時、これらのサイトに必ず配信される訳ではありません。

最低クリック単価

入札は共に1円から可能です。
ただし実際にはもう少し高い額(10円前後が目安)から始めないと、ほとんど広告の掲載がないと言われています。これは両広告に共通していえることです。

3-2.コンテンツ連動型広告

続いて、コンテンツ連動型広告についての比較表です。

名称

検索連動型同様、こちらも固有名詞がつけられています。
「GDN」「YDN」と略語で表記されることも多くあります。

バナーサイズ

GDNもYDNも、バナー広告(画像を使った広告)が掲載できます。

使用可能なサイズはYDNよりGDNの方が多くありますが、すべてのバナーが全デバイスに対応している訳ではありません。
複数制作することが難しいときは、無理をして全サイズ作成する必要はないといえます。

必須のサイズは、GDNとYDN の両方に対応し、かつ全デバイスに配信される300×250です。多数作る余裕のないうちは、このサイズから始めていけばいいでしょう。

広告文

GDNは検索連動型広告と同じ規定です。
一方YDNは、同じYahoo!ですがスポンサードサーチとは仕様が異なります。
混同しないように注意しましょう。

表示URL

文字数が若干異なります。

主な使用不可の記号

GDNは検索ネットワーク広告と同様に、見出しに感嘆符(!)は使用できません。
YDNはスポンサードサーチと違い、全角なら( )以外の括弧類も使用できます。

主な配信先

検索連動型と同じく、代表的なものを挙げていますが、これ以外にも多数の提携サイトがあります。

最低クリック単価

入札は共に1円から可能です。
実際の広告掲載のためにはもっと高い入札額が必要ですが、おおむね検索連動型広告よりは低い単価となる場合が多くなります。

4.どちらを優先すべきか

ここまで二つの広告を比較してきましたが、ではどちらを選んだ方がより効果的な広告運用ができるのでしょうか?

基本的には両方に出稿することがベストですが、予算や運用の手間といった事情でどちらか一方にしか出稿できない、というケースも往々にしてあるものです。

ここでは、Google AdWordsとYahoo!プロモーション広告、どちらに出稿した方がより効果的なのか?ということを3つの観点から考察していきます。

4-1.使用デバイスと利用者数から考える

まず、国内における使用デバイスと利用者数の観点から考えていきましょう。

調査によってやや異なりますが、2016年現在、日本国内の検索エンジンのシェアはGoogleとYahooが拮抗しています。

多くのWebサイトではスマートフォンからのアクセスがパソコンを上回っており、Androidはもちろん、iPhoneの標準ブラウザであるSafariもGoogleがデフォルトの検索エンジンになっていることから、スマホでの利用はGoogleが有利な状況です。

次のデータは、国内におけるWebサービスの利用者数を、PCとスマホに分けてまとめたものです。
これらのデータからも、スマホからのインターネット利用者の増加とスマホにおけるGoogleの優勢を読み取ることができます。


出典:TOPS OF 2015: DIGITAL IN JAPAN ~ニールセン2015年 日本のインターネットサービス利用者数ランキングを発表~

スマホの利用者数が右肩上がりであるのに対し、パソコンからの利用者はマイナスが目立ちます。
スマホでのデフォルト検索エンジンとして地位を確立しているGoogleが、今後も優勢だといえるでしょう。

4-2.ユーザーの性質から考える

これまで、「一般的な層はYahoo!を利用し、Web系のリテラシーが高い層はGoogleを利用する」といわれていました。
しかし2016年現在、そういった偏りは少なくなってきています。

最近の傾向としては、スマホ利用者の多い10代や20代でGoogleの利用が多くなっています。それだけでなく、50代半ば以上の高齢世代を覗けば、全体的にGoogleが優位となっています。
これはスマホからのアクセスと密接な関係があり、スマホユーザーにリーチしたいのであればGoogleの方が向いているでしょう。

また、性別というセグメントでみてみると、「女性はYahooの利用が多い」という調査結果が複数あります。
今後は、「Web系のリテラシーが強い・弱い」という問題ではなく、年齢や性別による傾向の偏りが出てくるかもしれません。

4-3.広告の仕様から考える

ここまではメインの掲載先である検索エンジンの動向をみてきましたが、最後に広告の仕様について考えていきましょう。

あまり大きな差異のないふたつの広告ですが、注目すべき点は広告審査のスピードです。

上述の通り、一般的にはGoogle AdWordsの方がやや早めです。
設定から広告掲載までのロスを少なくするという意味では、Google AdWordsの方が有利といえます。また、スピード感があるので、複数の広告文を使ったA/Bテストもしやすくなります。
ここを重視するのであれば、Googleに軍配が上がるといえるでしょう。

なお、運用に関するサポート面などは、両者共に丁寧な電話サポートが行われています。
この面では互角といえるでしょう。

4-4.軍配はどちらに?

比較した結果からみて、どちらか一方を選ばないといけない場合には、Google AdWordsから始めるのがよさそうに思えますね。

しかし提供する商品やサービスによっては、Googleからのアクセスはコンバージョン率が低いものもあります。
また、スマホ利用の少ないサイト、あるいは高齢者がメインターゲットの場合は、Yahooへの掲載の方が適している可能性があります。

出稿にあたっては自社のメインターゲット、またアクセス解析の流入傾向も十分に加味して決めるようにしましょう。
可能であれば、まずは少額ずつで構わないので両方試してみて、効果が出やすい方に予算の比重をかけていくことをおすすめします。
こういった柔軟な対応ができることがリスティング広告の大きなメリットなので、ぜひ活かしていってください。

なお、仮にどちらか一方を選んで始めたとしても、いずれもう一方との併用、場合によっては出稿を移す必要が出てくるかもしれません。

クリック率やコンバージョン率、費用対効果が悪い時は、原因が広告のクリエイティブそのものなのか、それとも掲載先やターゲットユーザーとの不一致なのかを見極める必要があります。
ユーザー層の不一致が原因だと思われるのであれば、もう一方のサービスの併用や移行を考えるべきです。

5.まとめ

最近よく訊かれるのは、4章で紹介した「予算が限られている場合に、どちらに出稿した方がいいのか」ということです。
これについては専門家各自の意見もありますが、最適な選択は4章で書いたとおり、自社のビジネスとサイトの状況を鑑みて選択することです。

Google AdWordsとYahoo!プロモーション広告の仕組みはよく似ているので、どちらか一方を知れば、もう一方はすぐに理解できます。
出稿や管理画面の使い方に多少の慣れは必要ですが、片方を覚えておけばもう片方もスムーズに操作できるようになるでしょう。

仮に一方だけを選んで広告配信を始めても、途中からもう一方を追加したり乗り換えたりするときにさほど大きな障害はありません。
柔軟性がリスティング広告の大きな魅力でもあるので、まずは少額で始めてみて、費用対効果の高い広告運用を目指していきましょう。

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