【2016年最新版】Web広告全10種類まとめ!選び方まで徹底解説
Web広告(インターネット広告)を勉強しようと思ったけれど、とにかく種類が多くて把握できない!とお嘆きの方に朗報です。
この記事では、2016年10月現在で代表的なWeb広告10種類のメリットとデメリットをまとめてみました。
さらに、「最大限の効果が出せる最適な広告の選び方」も、シチュエーション別にピックアップして紹介していきます。
Web広告は、種類が多い上にトレンドの移り変わりが激しいという特徴があります。
また、名称の付け方も「表示形式による名前」や「配信方法による名前」などマチマチなため、「これはソーシャル広告でありネイティブ広告であり動画広告である」といった状態もたびたび起こります。それぞれの広告をきちんと理解できていれば混乱しないのですが、慣れないうちはよく分からないですよね。
この記事では、以下の2つを目標とします。
- それぞれの広告の名称と概要を理解する
- 自サイトや自社ビジネスにとって最適な広告を選べるようになる
「自社にとって一番いい広告」を選べるように、Web広告の種類を学んでいきましょう!
目次
1.Web広告の種類
1-1.リスティング広告(検索連動型広告)
1-2.ディスプレイ広告
1-3.リターゲティング広告(追跡型広告)
1-4.ソーシャル広告(SNS広告)
1-5.アフィリエイト広告
1-6.純広告(バナー広告)
1-7.メール広告
1-8.動画広告
1-9.ネイティブ広告
1-10.位置連動型(プッシュ通知)
2.自サイトに合ったweb広告の選び方
2-1.サイトの規模別
2-2.広告出稿の目的別
3. まとめ
1.Web広告の種類
1-1.リスティング広告(検索連動型広告)
リスティング広告は、Googleなどの自然検索結果(SERP)に表示される広告のことです。
ユーザーが入力したキーワードと関連するものが表示されます。
上記画像では、「パソコン 最新」というキーワードで検索しているので、最新モデルのPCに関する広告が表示されていますね。
検索したキーワードに対応する広告が表示できるので、商品やサービスの顧客となりやすいユーザーに対してアプローチできます。
また、「クリック課金方式」というインターネットならではの料金形態をとっており、従来のマス広告と比較して費用対効果が高いことが特徴です。
代表的なサービス
メリット
- 顕在層にアプローチできるため、コンバージョンに結びつきやすい
- 運用型広告なので、自分たちで管理しやすい
デメリット
- 業界やキーワードによっては入札価格が高騰して競争が激化している
- 仕様変更が頻繁に行われるため、完全に理解して使いこなすことが難しい
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1-2.ディスプレイ広告
ディスプレイ広告には様々な定義がありますが、基本は「複数のwebページに表示される広告」と理解しておきましょう。
雑誌広告などの従来のマス広告は、「広告枠を購入し、そこに広告を掲載する」という形でした。Aという雑誌の広告枠を買えばAという雑誌に広告が掲載されますが、当然他の雑誌には掲載されません。
しかし、ディスプレイ広告の場合はAという出稿先に広告を渡せば、Aと関連する複数のwebサイトに広告が表示されます。先ほどの雑誌広告の例でいけば、兄弟誌にも同様の広告が掲載されるようなものです。
表示形式は画像を表示する「バナー広告」が一般的ですが、「テキスト広告」や「動画広告」などの形式もあります。
代表的なサービス
ディスプレイ広告が配信されるwebページは、配信設定によって変わってきます。
webページの内容に合わせた広告を表示する「コンテンツマッチ」という方法や、ユーザーの興味や関心に合わせた広告を表示する「インタレストマッチ」など、様々な配信方法から選択できることが特徴です。
メリット
- 潜在層にアプローチできる
- 多くのインプレッションを確保できる
- さまざまな条件で配信できる
デメリット
- 「GDN」「YDN」以外のサービスも多く、どれを選択すれば良いかの判断が難しい
- 「コンバージョン獲得」より「認知度向上」に適しているため、効果測定しづらい
- ブランディング上好ましくないサイトへ表示される場合がある
1-3.リターゲティング広告(追跡型広告)
リターゲティング広告は、特定のユーザーへと継続的にアプローチできる追跡型の広告です。
ディスプレイ広告の一種で、配信設定を「自サイトを訪問した、あるいはコンバージョンの途中で離脱したユーザーに対して配信を行う」としたものを指します。
一度興味をもってサイトに訪れたユーザーを対象とするため成約率が高く、他集客手法と組み合わせて刈り取り用に使われるパターンが多くみられます。
その一方で、ユーザーの行動データを基に配信されるため、「行動が監視されている」「個人情報が収集されている」と不快感を示すユーザーもいます。
代表的なサービス
メリット
- すでに興味を示しているユーザーが対象となるので、成約率が高め
- コンバージョン獲得単価が他広告と比較して安価(2016年現在)
デメリット
- 「自分の行動が見られている」と不信感を持つユーザーも一定層いる
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1-4.ソーシャル広告(SNS広告)
ソーシャル広告とは、TwitterやFacebookなどのソーシャルメディア内に表示される広告です。
「ソーシャルメディア広告」や「SNS広告」とも呼ばれ、近年ではInstagram広告やLINE広告も注目されています。
ソーシャル広告最大の特徴は、ソーシャルメディアがもともと持っている「オーディエンスデータ」を活用できることです。
オーディエンスデータとは「ユーザーの属性や行動の情報」のことで、これを活かすことで細やかな配信先の制御が可能になります。
ソーシャル広告の中でも特に利用が多くなっているFacebook広告では、コンバージョン獲得や自サイトへの誘導以外に、投稿に対する集客もできます。
いいね!やファンを集めるために利用するのも1つの手です。
代表的なサービス
メリット
- 配信対象を細かく絞り込める
- 日々改良されており、様々な新しい配信形式を利用できる
- 100円程度の少額でも利用可能(2016年現在)
デメリット
- ソーシャルメディアの性格上、直接的なコンバージョン獲得には適していない
- 機能変更が多いため、最新情報を追う手間がかかる
1-5.アフィリエイト広告(成果報酬型広告)
アフィリエイト広告とは、商品がコンバージョン(成約)したときに広告費用が発生する広告です。
掲載やクリックのみでは費用が発生せず、「商品購入」や「問い合わせ獲得」など一定の成果が出て初めて課金されるので、CPA(コンバージョン単価)における費用対効果が高いことが特徴です。
通常は「アフィリエイトサービスプロバイダ」と呼ばれる運営会社が、提携先への告知や成果発生のシステムを提供しています。
ただし、掲載されるサイトの質がよくないことがあったり、場合によってはまったく広告掲載されないこともあるなど、やや癖のある広告です。
代表的なサービス
メリット
- 多くの掲載先が確保できる。
- 成果報酬の金額や報酬形式(固定費、変動費など)が自由に決められる。
デメリット
- 質の悪い提携先も存在するため、ひとつひとつのチェックや管理が難しい
- 「報酬額のアップ」や「キャンペーンの実施」などの施策を行わなければ良質な提携先が付かない、というケースも多い
1-6.純広告
純広告とはいわゆる「枠を買う広告」のことです。
決まったサイトの決まった枠を購入して広告を固定表示させておくもので、雑誌広告などと形式が似ています。
先ほど紹介した「ディスプレイ広告」とは逆の広告、と考えるといいでしょう。
純広告の料金体系は、一定期間の広告枠を購入する「固定費」だけでなく、決められたクリック数があるまで掲載し続ける「クリック保証型」、決められたインプレッションが発生するまで掲載する「インプレッション保証型」などがあります。
メリット
- ずっと同じサイトの同じ場所に表示されるので管理しやすい
- 常に同じ場所に表示されるので、ブランディング効果がある
デメリット
- ユーザーの行動や関心に合った広告ではないので、クリック率(CTR)やコンバージョン率(CVR)は低め
- 運用型広告ではなく自分で管理できないため、クリエイティブの差し替えなどは掲載サイトに依頼する手間と時間がかかる
1-7.メール広告
メール広告は、メールマガジンなどに掲載する広告です。
「媒体が発行しているメルマガ内にPRを掲載してもらう」という形式と、「PR用の号外を出してもらう」という形式があり、前者より後者の方が高額になります。
HTML形式のメールであれば、画像や動画を用いたアプローチも可能です。
しかし、LINEやskypeなどのアプリが連絡手段の主流となった現在、メルマガの開封率は低下している現状があります。
広告出稿する先をよく選ばなければ、ほとんど人目に触れずに終わってしまう可能性もあるといえるでしょう。
メリット
- メール媒体を選ぶことで、自社の商品やサービスに関心が高い相手にアプローチできる
- セグメントをきって配信してもらうことで、より細かなターゲットにのみ配信が行われる
デメリット
- メールマガジン自体の効果が、近年低迷している
1-8.動画広告
近年のトレンドである動画広告は、ここ数年で市場規模が急激に大きくなっています。
YouTubeなどの動画プラットフォームに表示されるものだけでなく、webサイトやソーシャルメディアに表示されるものもよく見かけるようになりました。
動画広告には種類があり、動画サイトに表示される動画広告は「インストリーム広告」、webサイトやソーシャルメディアに表示される動画広告は「アウトストリーム広告」と呼びます。
また、再生形式によっても異なる名称がついています。
動画バナーをクリックすると始まるものは「インバナー広告」、画面表示と共に自動再生が始まるものは「インリード広告」と呼びます。
成長が著しい広告のひとつであり、新しいサービスの提供などが活発に行われている分野でもあります。
メリット
- テキストや画像形式の広告と比べて情報量が多い
- YouTubeのインストリーム広告は、一定時間再生されなければ費用がかからず、コストパフォーマンスがいい
デメリット
- テキストや画像形式の広告と比べて制作コストが高い
- 冒頭でユーザーの興味を惹けなければスキップされる
- スキップできない強制再生の動画広告は、ユーザーから嫌われる可能性がある
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1-9.ネイティブ広告
ネイティブ広告とは、掲載先のフォーマットに合わせて作られた広告のことです。
こちらも近年よく利用されるようになった手法で、広告以外のコンテンツとの見分けがつきにくいことが特徴です。従来のweb広告よりも自然な形でユーザーにPRできます。
ネイティブ広告にはいくつか種類があり、「インフィード広告」や「記事広告」が有名です。
インフィード広告はメインコンテンツの間に自然な形式で差し込むもの、記事広告は一般的なブログ記事と同じ形式で作られたものです。
ソーシャル広告のところで説明したTwitter広告やFacebook広告は、タイムラインの中に自然な形で表示されるインフィード広告である、といえます。
web広告はたびたび「うざい」「邪魔」といわれるため、その解決策として広まったという経緯があります。
コンテンツ閲覧の邪魔になりづらく、従来のweb広告よりもユーザーに与えるストレスが少ない一方、広告と知らずにクリックしたユーザーに不快感を抱かせる危険性も指摘されています。
ネイティブ広告を活用するときは、コンテンツと「誤認」させてクリックさせるのではなく、媒体側で<広告>や<PR>といった表記を付けた方が望ましいでしょう。
ユーザーが「騙された」と嫌悪感を抱いてしまっては、PRとしては逆効果です。
メリット
- コンテンツと馴染ませることで、ユーザーの体験が損なわれない
デメリット
- ユーザーが広告と知らずにクリックした場合は信頼を損ねる可能性がある
1-10.位置連動型(プッシュ通知)
位置連動型とは、任意の場所の近くにやってきたユーザーに対してプッシュ通知で情報を送るものです。
実店舗を持つ営業形態の場合、近くにいるユーザーを誘導できるため、直接的な成果に結びつけやすいという特徴があります。
割引クーポンなどの特典を付けることで、より効果が上がります。
ただし、一般的なweb広告と比較して配信先が限定的であり、下記3つの条件をクリアした相手にしかアプローチできません。
1. プッシュ通知を配信するアプリをユーザーがインストールしていること
2. ユーザーが位置情報を提供していること
3. ユーザーがプッシュ通知送信を許諾していること
条件は少し厳しいですが、先述した通り成果に結びつけやすいPR手法でもあります。
ネットの中心がスマホになった現在、注目を集めている手法のひとつです。
2.自サイトに合ったweb広告の選び方
ここからは、最適な広告を選ぶ実践的な方法を解説していきます。
もちろんビジネスの内容や状況によってベストな選択は変わってくるのですが、ひとつの選択の目安としてください。
2-1.サイトの規模別
【中~小規模のサイト】リスティング広告(検索連動型広告)
中~小規模サイトであれば、「リスティング広告」はほぼ必須と考えていいでしょう。
検索連動型広告は成果に結びつきやすいので、目の前の成果を重視する中小規模のサイトに最適です。
さらに、予算に余裕がある場合は「リターゲティング広告」を組み合わせると良いでしょう。
逆に予算が少ない場合は、「GoogleにするかYahoo!にするか」で迷うことになりますが、2016年現在はGoogle AdWordsが優先される傾向にあります。
検索エンジンとしてGoogleがシェアを広げていることと、審査が比較的早いことが主な理由として挙げられます。
【大規模サイト】ネイティブ広告
集客力に優れたメディアサイトが設置しているネイティブ広告は、高額ではあるものの、ユーザーの広告離れが進む中でも比較的効果を上げやすいものです。
予算的な制約が少ない大規模サイトには、お勧めの広告手法のひとつです。
数年前は動画広告がトレンドだといわれていましたが、動画閲覧前や閲覧中に強制再生されたりするものに対して、不快感を示すユーザーも増えてきています。
自然に閲覧できるネイティブ広告であれば、そういったストレスを与えずにPRできるメリットが得られます。
2-2.広告出稿の目的別
次は、広告出稿によって得たい成果別に適切な広告を紹介していきます。
【商品販売】リスティング広告+商品リスト広告(PLA)
とにかくweb上で商品を販売したいのであれば、リスティング広告でコンバージョンに近いユーザーを誘導するのが良いでしょう。
それにプラスして、Googleであれば「商品リスト広告(PLA)」を出すのがオススメです。
テキストだけでなく商品画像も表示されるサービスで、印象が残りやすくなります。
また、商品画像は検索結果の上の方に表示されるため、目につきやすい点もポイントです。
【顧客育成・交流】ソーシャル広告
webマーケティングでは、短期的な売り上げ獲得だけでなく、「エンゲージメントを高めて顧客との長期間な関係性を促進する」という目的が設定されることもあります。
そういったとき力を発揮するのが、「ソーシャル広告」です。
自社のソーシャルメディアを運営していることが大前提ですが、広告を出して集めたフォロワーと日常的に交流することで、長期的な関係性を築くことができます。
まめなソーシャルメディア運用と組み合わせると、顧客生涯価値(LTV)の上昇に大きく期待が持てます。
【ブランディング・認知度向上】動画広告
かつては「ブランディングや認知度アップならディスプレイ広告が鉄板」といわれてきましたが、現在は映像の力がフルに生かせる「動画広告」の方が優勢です。
先述したように、強制再生される動画広告に嫌悪感を示すユーザーは少なくありません。
しかし、圧倒的なクオリティの高さから話題になったペプシの動画広告のように、話題性が高くユーザーの興味を強く惹くものは別です。
広告らしさをできるだけ薄くしたいのであれば、webページに表示させるのではなく、もともと動画サイトであるYouTubeなどへの出稿をおすすめします。
ネイティブ広告形式である、ソーシャル広告も選択肢として有用でしょう。
【電話問い合わせ獲得】リスティング広告+Click-to-call
BtoBや実店舗への誘導など、電話からの問い合わせが多いものは「リスティング広告+Click-to-call」の組み合わせをおすすめします。
Click-to-callとは「クリックしただけで電話をかけられる仕組み」のことで、Google AdWordsで提供されています。
面倒なフォーム入力なしで電話をかけられることは、ネットの主流がスマホになった現在、強いアドバンテージとなります。
Click-to-callには「専用の電話番号を設置して、かかってきた電話番号を集計する」「電話番号のタップ数を成果としてカウントする」といった効果測定機能があるので、日々の分析・改善も行いやすいためオススメです。
3.まとめ
様々なweb広告を見ていくと、「顕在層に訴求できて効果に直結する」という点ではやはりリスティング広告が優秀であることがわかります。
これを軸にしつつ、目的別に他の広告を複合運用していく、という形がもっともオススメの形です。達成したい成果や事業形態などによって効果的な手法は変わるので、PDCAを回しつつ効果の出せるものを見つけていくといいでしょう。
代理店やコンサルタントなど外部のパートナーを使う場合も、完全に頼りきりになるべきではありません。
常に自分たちでも数値をチェックしながら、戦略的な広告運用をしていきましょう。